馬券の買い方には色々ありますが人によって評価が分かれる買い方の1つが『ボックス』という買い方です。主に馬連などの連対式馬券で使われる買い方で、馬券の買い方の中では広く的中範囲が取れるのが最大のメリットです。
ボックス買いは初心者の人が良く使っている印象があります。逆に競馬経験者や馬券生活者はボックスで買うのは“論外”とまったく使わないイメージがあります。
自分は連対式の馬券(馬連や三連単など)はワイド以外使わないのでボックス買いのお世話にはなりません。ただ『ボックスを使ってお金を稼げ!』と言われたら次のような戦略を考えます。
ボックス買いの特徴
おさらいもかねてボックスという買い方について説明します。ボックス買いとは特定の競走馬を指定し、その馬が全て買い目になるような組合せ全て同じ金額で買う買い方です。
例えば4頭(A,B,C、D)を選んで馬連ボックス買いをする場合、
A-B、A-C、A-D
B-C、B-D、C-D
の6点を一気に買うことができます。
さらに全ての点数を同じ金額で買うことになるため上の例の場合を1点100円で買うと600円分の馬券を買うことになります。
ボックス買いを買う時は競馬場や場外馬券場で買う時は専用のマークシートがあるのでそちらを使って購入しますし、IPATを使う場合は投票を入力する際に『方式』の欄をボックスに変更すれば購入できます。
ボックス買いのメリット
ボックス買いのメリットは軸馬にしていた馬が来なかったとしても的中させることができるうえ、上位に来ると予想した馬を全て網羅した買い方ができるため、高い的中率を維持することができます。
連対式の馬券を買う時に多くの人は軸馬を決めて買うのですが、この軸馬が来なかった場合、買った馬券は全て不的中になる可能性が高くなります。
しかしボックス買いで勝った場合、軸馬を絡めない馬券も買うことになるため軸馬が来なくても的中する可能性は十分にあります。
極端な話、軸馬を決めなくても的中できる買い方がボックス買いの最大のメリットと言えます。
ボックス買いのデメリット
デメリットとしては候補となる馬が増えれば増えるほど買い目の点数が増えてしまうこと。
例えば馬連で4頭ボックス買いをする場合、買い目は6点になりますが5頭になると点数は10点と1頭増やしただけで4点も増えてしまいます。
先ほどの例を使うと、馬連で4頭ボックス買いをすれば馬券購入金額は600円ですから、払戻金が600円以上あれば収支はプラスになります。
しかし馬連で5頭ボックス買いをした場合、馬券購入金額は1000円になりますから、収支をプラスにするには払戻金が1000円以上見込める馬券が的中しないといけなくなります。
このように、的中はしやすいけど利益が出にくい買い方がボックス買いの大きな特徴です。
競馬経験者はボックスで馬券を買わない
冒頭でも話しましたが基本的にボックス買いは初心者の人が多く利用する反面、ある程度競馬予想のロジックが確立している人は買おうとはしません。特に投資競馬をしている人達は“ボックスで馬券を買う”という選択肢の中に含まれておらずボックス買いで買うくらいなら「そのレースを見送る」という決断をするでしょう。
そもそもなぜ経験者の人達はボックス買いを使いたがらないのか?主な理由としては次の2つがあります。
理由1:軸馬の見つけ方を知っている
先ほども言いましたようにボックス買いは軸馬が見つからなくても的中させることができます。しかし軸馬が決められるレースでボックス買いをした場合、軸馬が絡まない馬券は的中する見込みが低い馬券も一緒に買ってしまいます。
そのため、買っても的中しない可能性が高い馬券も強制的に買ってしまうことになります。つまり回収率が下がる・・・ということ。
軸馬を決めることができればその馬を中心に馬券を買えばいいためボックス買いをする必要はありません。
特に競馬で稼いでいる人は自分なりのロジックを確立しており、軸馬を見つける術を心得ています。ボックスで買うと馬券を“買いすぎてしまう”ためボックス買いを使わないのです。
理由2:トリガミのリスクを避けるため
ボックス買いは指定した馬の組合せを全て購入する買い方をするものですから、当然多点買いになります。そしてボックス買いは指定する馬の頭数が多ければ多いほど買い目の点数が増えるため、馬券は的中しても収支の点からみるとマイナスになる可能性が高くなる。
競馬でお金を稼ぐには馬券を的中させる以上に“手元にお金を残しておくこと”に重点を置いて戦略を立てなければいけません。
そういう意味ではボックス買いは投資競馬の戦略から逸脱した買い方となります。トリガミになるリスクを避けるため『ボックスで買う』という選択肢から除外されるのです。
特に期待値を考えてレースを選択している人はボックス買いできそうなレースは対象から真っ先に除外しています。「お金を稼ぐこと」に特化するなら“期待値”の高いレースに照準を絞って掛けるのが最も効率がいいため、ボックス買いはまず使わないでしょう。
ボックス買いで利益を出すためには?
軸馬をしっかり見極めれたり、収支を基準に戦略を考える人ほどボックスで馬券を買おうとはしません。ボックスで買って余計なはずれ馬券を買うリスクを避けるためです。
ただしボックスで買うのがダメ!というわけではありません。ボックス買いのデメリットを理解し、メリットを最大限に活かす買い方をすればボックスで馬券を買うのはアリだと自分は思います。
ではボックス買いを使った戦略とは具体的にどういったものなのか?自分なら次の点を意識して考えます。
候補に選ぶ馬の上限を決める
ボックスで買うのであればとにかく買い目の点数を増やさないことを最優先に考えます。具体的には“候補になる馬”の厳選です。
ボックスで買う馬を1頭でも増やせば買い目は一気に増えます。そのため候補としてピックアップする馬の上限を設け、その上限の頭数に収まりそうなレースだけボックスで買って勝負するのです。
ただしボックスで買う馬を1頭増やすことに増える買い目の点数は馬券種によって変わってきます。自分ならトリガミのリスクなどを考慮して次のようなボーダーラインを設けます。
枠連なら4枠以内
個人的にボックスで買うなら枠連で勝負します。なぜなら的中範囲が他の連対式馬券に比べて広いためボックス買いのメリットを最大限に活かせるからです。
枠連で4枠ボックス買いすると購入点数は6点となります。しかしこれを馬連に置き換えると最大24点分購入したのと同じになり、1レースにかける掛け金を大きく抑えられます。
もちろん枠連をボックスで買う際の注意点もあります。詳細については下記ページで紹介していますのでボックス買い戦略の基礎として理解しておくといいでしょう。
馬連なら5頭以内
馬連でボックス買いするのであれば5頭以内に収まるレースで勝負します。5頭をボックスで買った場合、買い目は10点に収まります。
ただし馬単でボックスを買うはおすすめしません。馬単でボックス買いをすると20点と馬連の2倍の買い目になるからです。
たしかに馬単の配当は馬連よりも高いです。しかしガチガチの本命馬券が来ても絶対に馬連の払い戻しの2倍以上になる保証がないため馬連に比べてトリガミになる可能性が高いと考えられるため、馬単でボックスを買うのは控えた方がいいでしょう。
またワイド馬券もボックスで買うのは控えた方がいいでしょう。配当が低いためトリガミになるリスクが高くなります。そもそもワイドは多点買いに向かない馬券種なので『ワイドをボックスで買う』という発想はありません。
三連複なら6頭以内
三連複をボックスで買う場合、候補にする馬は6頭以内に抑えます。買い目は20点で抑えられるうえに高配当も期待できるので高配当狙いの人は三連複のボックス買いは“アリ”かもしれません。
三連複をボックスで買う時の具体的な戦略や注意点は下記ページにまとめています。正直ボックス買いも三連複もあまりおすすめしませんが戦略の1つとして参考にしてください。
三連単でボックス買いはしない
先ほど「ワイドをボックスで買わない」と言いましたが、三連単もボックスで買うのはお勧めしません。理由はいたってシンプルで買い目が多くなりすぎるからです。
三連単を使って勝負している人は軸馬を見つけ、そこから流しやフォーメーションで馬券を買っています。その方がムダな馬券を買わなくて済むため掛け金が抑えられるからです。
三連単で勝負するとなると基本的に何十点という点数を買わないと当たりません。ボックス買いのように“当たらない馬券”を強制的に買ってしまう買い方は決してしない方がいいでしょう。
候補馬が絞れないレースは見送る
先ほど紹介した各馬券種でボックス買いする時の上限は必ず守ってください。上限から1頭でも増やすと買い目が一気に上がってしまうため利益がほとんど残らなくなってしまうか、トリガミになって収支がマイナスになる危険性があります。
つまり候補が絞り切れないレースは“見送る”というのが正解。
どのレースも絶対にボックスで買えば的中するわけではありません。荒れるレースや1番人気がガチガチのレースなどもあったりするので「これはボックスで買っても儲からない」と思ったら潔くスルーしましょう。
軸馬が決められるレースでボックス買いはしない
ボックスで買う馬の候補が絞れないレースは見送るのがベストです。ただし「この馬は確実に馬券になるだろう」という馬がハッキリしているレースはボックス買いの戦略を捨てて軸馬流しや単勝や複勝の1点狙いで勝負するのがおすすめです。
軸馬が圧倒的に強い・・・ということは軸馬から中心に流しても馬券が的中しやすいレースを意味しています。ボックスで買うと軸馬が絡まない馬券も強制的に買ってしまうので、軸馬の強さに合わせて戦略を変えていってください。
それができれば回収率がおのずと上がり、手元にお金が残っていくでしょう。
まとめ
賛否両論あるボックス買いですが、個人的にはあまり積極的に使うべき買い方ではないように思えます。もっといえば連対式馬券を使ってお金を稼ぐ競馬手法は難易度が高いのであまりお勧めはしません。
ただ「ボックス買いは使えない」と最初から決めてかかるのは競馬戦略の選択肢を狭める行為なので、ボックスで買った方がいい時と悪い時の見極めはできておくといいでしょう。ここで紹介したボックスの買い方がその参考になればうれしいです。