三連単の軸一頭流しとは、三連単の買い方の1つで、もっとも少ない買い目で的中を狙う馬券戦略です。
買い目が少なければ1レース当たりの掛け金を減らせるため、的中した時の回収率が高くなります。
ただし、他の三連単の買い方に比べて難易度の高い分析や予想が求められるため、競馬初心者が気軽に手を出して良い戦略ではないです。
三連単の軸一頭流しの特徴と具体的な戦略とリスクについては徹底解説します。

三連単で競馬で挑もうと考えているなら、ぜひ参考にしてください
三連単軸一頭流しとは?
三連単の軸一頭流しとは、1着になる馬を1頭だけ軸として固定し、2着と3着の組み合わせパターンをいくつか買う買い方です。
具体的な軸一頭流しの組み合わせは以下の画像のとおりです。


軸一頭流しの最大のメリットは買い目を減らせることです。
三連単は組み合わせの性質上どうしても買い目が多くなりがちですが、1着に来る馬を固定させれば2着と3着の組み合わせだけ考えればよくなります。
紐馬として選んだ馬別の買い目点数を以下の表にまとめました。
紐馬に選んだ馬の数 | 三連単の買い目 |
---|---|
2頭 | 2点 |
3頭 | 6点 |
4頭 | 12点 |
5頭 | 20点 |
6頭 | 30点 |
7頭 | 42点 |
8頭 | 56点 |
9頭 | 72点 |
10頭 | 90点 |
点数だけなら、三連単の軸一頭流しは馬単と同じため、条件次第では馬単と同じリスクで高配当が払戻金(リターン)が狙えます。



三連単による競馬戦略でもっともコスパが良い買い方です
「三連単の軸二頭流し」という買い方もある
三連単を軸一頭流しで買えば、少ない買い目で挑めますが、さらに買い目を少なくする「軸二頭流し」でも勝負できます。
軸二頭流しとは、1着と2着を軸馬として固定して、3着に来る馬を複数選んで購入する方法です。


軸二頭流しは、1着と2着をそれぞれ1頭ずつ固定することで、3着に入る馬の候補頭数がそのまま買い目の点数になります。
軸一頭流しよりもさらに買い目を減らせるため、的中した時のリターン(利益)が期待できますが、軸馬として選んだ馬のいずれかが外れると買った馬券がすべてはずれるリスクがあります。
三連単の軸二頭流しは、1着と2着が逆でもはずれ馬券のため、軸一頭流しよりも高度な競馬分析が求められます。



かなり手堅く終わりそうなレース以外では採用しづらい買い方です
三連複にも軸一頭流し戦略との違い
軸一頭流しは三連単だけではなく、三連複でも使えます。
三連単と三連複とでは的中条件が異なるため、同じ軸一頭流しで購入しても買い目の点数や的中の期待値が変わってきます。
具体的に馬券が的中したら大きく稼げる可能性があるのは三連単の一頭軸流しであり、高い的中率で安定した利益を出しやすいのは三連複の軸一頭流しです。
三連複の特徴については以下のページで紹介しているので、勝負する馬券選びで三連複も候補に入っているなら、ぜひ参考にしてください。



どちらも一長一短なので自身の戦略に合った馬券を選びましょう。


軸一頭流しと他の三連単の買い方の違いについて
三連単の軸一頭流しは、あくまでも三連単馬券の買い方の1つであり、競馬攻略法というわけではありません。
三連単には軸一頭流し以外の買い方もあり、それぞれメリット・デメリットがあります。
他の三連単の買い方と軸一頭流しとの違いを紹介します。



他の買い方と比べることで軸一頭流しについての理解が深まります
軸一頭流しとマルチの違い
項目 | 三連単軸一頭流し | 三連単マルチ |
---|---|---|
着順の固定 | 軸馬の着順は固定例:必ず1着など | 着順は固定されない |
組み合わせ数4頭選びの場合 | 6通り | 18通り |
的中条件 | 軸馬が固定着順相手2頭が他の着順で的中 | 軸馬が1〜3着のいずれか+相手が残りの順位で的中 |
買い目 | 少ない | 多くなりやすい |
的中難易度 | やや難しい | 的中しやすい軸が1〜3着どれでもOK) |
得意なレース | 勝ち馬が明確に1頭予想できるレース | 軸馬が上位に来るが着順に自信がないレース |
三連単マルチとは、1着から3着に選択した馬の着順が間違っていても的中する三連単の買い方です。
例えば「3-8-5」という順番で三連単馬券を購入した場合、順番通りにならないと本来は不的中ですが、マルチで購入すると1,2,3がすべて3着以内に入っていれば的中となります。
具体的に「A-B-C」の組合せで三連単マルチを購入すると、以下の組み合わせを購入したことになります。
3-8-5、3-5-8、8-3-5、8-5-3、5-3-8、5-8-3
軸一頭流しに比べて的中範囲は広いものの、1つの組合せで6点同時に買うことになるため、マルチの方が点数は増えます。
三連単マルチの具体的な戦略は以下のページで詳しく紹介しています。



1番人気の馬の信頼性が低い時にマルチはおすすめです。


軸一頭流しとフォーメーションの違い
項目 | 三連単一頭軸流し | 三連単フォーメーション |
---|---|---|
着順の固定 | 軸馬の着順のみ固定(他は自由) | 全着順を自由に固定・組み合わせられる |
組み合わせ数(4頭例) | 6通り | 条件次第で最大6通り以上も可(例:1着2頭、2着2頭、3着3頭等) |
的中条件 | 軸馬が指定着順で、相手2頭が残り着順で来る | 指定された着順通りにすべて的中する必要あり |
買い目 | 少ない | 選び方次第で少なくできる |
的中難易度 | 難しい | 難易度は高いが戦略性も高い |
得意なレース | 勝ち馬が明確に1頭予想できるレース | 特定の展開や着順が明確に想定できるレース |
三連単フォーメーションは、1着から3着に入る馬を順位別に選択し、そのすべての組合せを購入する買い方です。
例えば「1着として買う馬を3番、2着として買う馬を4番・8番、3着として買う馬を4番、8番・10番」と考えた場合、フォーメーションで買うと以下の買い目を買うことになります。
3-4-8、3-4-10、3-8-4、3-8-10
三連単フォーメーションは、分析によって導き出された組合せのみを購入する買い方のため、少ない点数で大きな利益を狙えるのが特徴です。
競馬分析がしっかり確立している人であれば、三連単の軸一頭流しよりも少ない点数に絞れるため、高い期待値で競馬に挑めます。
一方で、戦略通りの結果にならなかった時は買った馬券全てが外れるため、ある意味軸一頭流しよりもリスクは高いです。



競馬戦略がしっかり確立している上級者向けの買い方です
軸一頭流しとボックスの違い
項目 | 三連単一頭軸流し | 三連単ボックス |
---|---|---|
着順の固定 | 軸馬の着順を固定 | 着順の指定なし |
組み合わせ数(4頭選び) | 6通り | 24通り |
的中条件 | 軸馬が指定着順に入り、相手2頭が残りの順位に来る | 選んだ4頭のうち、任意の3頭が任意の順で1〜3着に入る |
買い目の多さ | 少ない | 多い |
的中しやすさ | やや難しい | かんたん |
得意なレース | 軸馬の着順がはっきり読めるレース(逃げ・圧倒的1番人気など) | 上位3頭の順番が読みにくい混戦レース |
三連単ボックスは、選択した馬がどの順位に来ても的中する馬券を「同一金額」ですべて押さえる買い方です。
例えば3番、4番、8番、10番を三連単ぼっくで買うと、以下の組み合わせを全て購入したことになります。
3-4-8、3-4-10、3-8-4、3-8-10、3-10-4、3-10-8、4-3-8、4-3-10、4-8-3、4-8-10、4-10-3、4-10-8、8-3-4、8-3-10、8-4-3、8-4-10、8-10-3、8-10-4、10-3-4、10-3-8、10-4-3、10-4-8、10-8-3、10-8-4
三連単ボックスは、3着以内に入る可能性がある馬の組合せを漏らさず全て買ってくれるため、三連単の中でもっとも的中しやすい買い方です。
ただし、4頭選びを軸一頭流しで買うと6点なのに対して、ボックスで買うと24点にもなってしまうほど買い目が多くなるため、コストパフォーマンスはあまり良くありません。
軸馬が絞り切れないなら三連単ボックスで買うのはアリです。



トリガミになる可能性が高いため三連単のボックスはおすすめしません
三連単軸一頭流しで競馬に挑むポイント
三連単の軸一頭流しは、買い目が増えがちな三連単でも点数を少なくできる買い方です。
信頼性の高い軸馬さえ見つけられれば、最小点数に近い買い目で三連単を的中できるため、コストパフォーマンスの高い競馬ができるでしょう。
三連単軸一頭流しで挑む際のポイントを3つ紹介します。



ポイントを押されば軸一頭流しの的中率は上がります
荒れるレースでは勝負しない
三連単軸一頭流しで挑むなら、荒れるレースよりも上位人気で決着がつく手堅いレースのため、三連単軸一頭流しをするなら手堅いレースに狙いを絞りましょう。
荒れる可能性があるレースで予想すると、軸馬にする馬選びが難しく、的中難易度が大きく跳ね上がります。
手堅いレースであれば、一着に来る馬の候補は絞られるため、軸馬選びで悩む心配はありません。
すべてのレースで馬券を買うのではなく「あえて勝負を見送る」という判断をするのが三連単軸一頭流しで的中するポイントです。



予想が難しいと感じたらスルーするのも競馬戦略です
選ぶ候補馬は上位人気で固める
三連単軸一頭流しで挑むなら、軸馬も含めて上位人気で固めるのがおすすめです。
三連単は1着から3着まで予想下通りの着順にならないと的中とならないため、3着以内に入る可能性が高い馬から選ぶのが定石となります。
競馬は統計的に人気が高い馬ほど3着以内に入る可能性が高くなるため、紐馬も上位人気で固めたほうが軸馬一頭流しで的中しやすいです。
上位人気と注意人気以下との区別の仕方は人によって違いますが、見極める方法として有名なのが「オッズの断層」です。
以下のページにオッズの断層について解説しているので、上位人気の馬選びの参考にしてください。



正しく上位人気の馬を定義できれば的中率は上がります


保険で単勝を買っておく
三連単軸一頭流しでしょうぶするにあたって、万が一馬券が外れた時の保険として軸馬の単勝を1点購入しておくのがおすすめです。
軸馬の単勝を買っておけば、紐馬選びに失敗して三連単が全部外れても、単勝だけは的中となるため、損失額の軽減につながります。
大事なのは単勝はあくまで損失を軽減する「保険」であり、トリガミ上等で買うということ。
損失が減れば財布へのダメージも抑えられ、次の競馬に勝負できる資金への影響も小さく抑えられます。
お金を増やすのではなく、損失を減らす目的で単勝馬券を買うため、単勝オッズを気にせず軸馬に決めた馬の単勝馬券を買って損失を減らしましょう。



三連単の買い目の数次第と単勝オッズ次第では多少の利益はでるかもしれません。
三連単軸一頭流しはリスクが高い?
三連単軸一頭流しは、少ない買い目で三連単的中を狙う買い方のため、成功すれば大きなリターン(払戻金)が期待できます。
しかし現実として「三連単軸一頭流しで本当に的中できるか?」といわれると、かなり難しいかと。
かなり複雑な分析や競馬戦略をもってしても外れるリスクは高いため、軸一頭流しで挑むなら競馬に関する相当な勉強や研究は必要です。
三連単軸一頭流しの具体的なリスクは次の3つが挙げられます。



リスクを正しく理解したうえで軸一頭流しに挑みましょう
軸馬が飛んだらすべて外れる
三連単軸一頭流しは、1着に予想する馬を軸馬として固定するため、1着予想が外れたら購入したすべての馬券が外れることになります。
つまり「軸馬の見極め方」が確立していないとどれだけ軸一頭流しで挑んでも外れ馬券を増やすだけ。
さらに2着と3着に来る紐馬もしっかり厳選しないと買い目が増えてしまい、軸一頭流しのメリットを活かすことができません。
三連単軸一頭流しの成功率は、1着に来る馬の予想的中率に大きく依存するため、正確な競馬分析力が求められます。



軸馬を複数頭選んだら軸一頭流しのメリットがなくなりますから
的中しても払戻金は少ない
三連単軸一頭流しで当てようとすると、上位人気中心の組み合わせとなるため、思うような高配当は期待できません。
三連単はレースが少しでも荒れた展開になればかんたんに万馬券になりますが、上位人気が3着以内を独占すると払戻金は小さくなります。
さらに三連単軸一頭流しで勝負するなら多点買いが絶対条件のため、外れ馬券の経費を差し引くと手元に残るお金は決して多くありません。
トリガミになるリスクも発生するため、合成オッズをしっかり計算して資金管理をしないと、三連単で勝負しているメリットがなくなります。
結果的にハイリスクローリターンな競馬になりがちなため、ウマ選びはもちろん掛け金も調整する必要があります。



三連単のメリットを活かせていない結果になることが多いです
的中率が安定しない
三連単軸一頭流しは、買い目を絞りこめるものの、三連単1点あたりの的中率が低いため、安定して馬券を当てることは非常に難しいです。
例えば16頭立てで三連単1点当たりの的中率は0.03%と非常に低く、100点買っても複勝1点買いの的中率(18.7%)に遠く及びません。
軸一頭流しは買い目を少なくするメリットがありますが、統計的には1%に満たない的中率のため安定性はかなり低いです。
三連単の軸一頭流しで勝負するなら、1日競馬をして1回も的中しないことを前提とした資金管理で挑みましょう。



三連単を買う限り連戦戦勝はほぼ不可能です
競馬で稼ぐのに三連単軸一頭流しはアリ?
三連単軸一頭流しは、軸馬にする馬さえ見極められれば、何十点を買わずに馬券を的中できるため、少ない点数で大きな払戻金を手にできる可能性は十分あります。
ただし、現実的に考えて三連単軸一頭流し中心の競馬戦略でお金を稼ぐのは、かなり難しいでしょう。
三連単軸一頭流しは1着の馬を固定し、そこから2着と3着に入る馬をそれぞれ探して組み合わせます。
ならば、軸馬に考えている馬の単勝馬券を買った方が的中率は自然と上がりますし、複勝にすれば軸馬が3着以内に入れば的中となるため、さらに払戻金を手にする可能性は高まります。
また、三連単軸一頭流しで的中した時の回収率が150%ならば、軸馬の単勝オッズが1.5倍以上だったら単勝1点買いの方がリターンは大きくなります。
三連単軸一頭流しの合成オッズ>軸馬の単勝1点買いのオッズならば三連単で勝負する価値はありますが、分析の複雑さや馬券がもつ的中率を考えると単勝1点買いの方がかんたんにお金を稼げるはずです。
競馬でお金を稼ぐなら、できるだけシンプルな戦略で挑むべきなので、三連単軸一頭流しはあまり相性が良い買い方ではありません。
競馬でお金を稼ぎたいのなら、以下のページで紹介しているポイントを押さえて馬券戦略を考えてみましょう。



競馬に使えるお金が1日1万円以下の人は三連単で挑むべきではありません


まとめ
- 軸馬を1着に固定してヒモ馬を選んで組み合わせる買い方
- 買い目は減らせる反面軸馬が飛んだら全て外れるのがリスク
- 荒れるレースより手堅いレースで的中しやすい買い方
- 回収率次第では単勝1点買いの方がリターン大
- 競馬で稼ぐにはリスクが大きいため投資競馬には非推奨
ここまで三連単の軸一頭流しについて解説してきました。
三連単の軸一頭流しは、1着になる馬を正しく見極められ、かつ3着以内に来る馬を複数頭見つけられるなら、非常に有効な買い方です。
オッズなどの競馬指標からロジックを確立すれば、機械的に馬券を買い続けることによって競馬でお金を増やし続けることも理論的には可能です。
ただ、現実的に考えるとコストパフォーマンスは決して良いとは言えず、三連単の特徴である「的中率の低さ」が災いして当たらない日が続くことも珍しくありません。
少なくとも、1日1万円も馬券に使えない人が手を出すべき買い方ではないというのが、個人的な意見です。
競馬でお金を稼ぎたいなら、もっと効率性と安定性を重視した戦略で挑むべきです。
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