オッズを使って予想するためにオッズに表れるサインを見つける必要があります。そのうちの1つが『断層』です。
オッズの断層を見つけられれば馬券に絡む候補馬を一瞬で限定できるようになったりします。さらにレース展開や上位人気の実力や信ぴょう性などもオッズの断層から推測できます。
ここではオッズの断層についての詳細を詳しく解説します。オッズの断層が活用できると競馬の予想がよりシンプルにできるようになるのでお勧めです。
オッズの断層とは?
オッズの断層とはオッズの差が大きく開いている部分を指します。基本的にオッズの断層は単勝オッズで確認するのが一般的です。
例えばこちら
単勝馬券の人気順に並べた時、大きくオッズが開いている箇所がいくつかありますよね?
具体的には
2番人気のオッズが3.0倍
3番人気のオッズが8.6倍
5番人気のオッズが14.4倍
6番人気のオッズが22.8倍
12番人気のオッズが56.7倍
13番人気のオッズが189.9倍
・・・といった感じに、人気順にすると1つしか変わらないのにオッズは大きく開いているのが分かると思います。これがいわゆるオッズの断層です。
断層と判断するオッズ差はどのくらい?
各馬券によって購入金額が異なるため必ずオッズの差は生まれます。そのオッズの差が大きく広がる部分を断層と言うわけですが、実際にどのくらい開いたら“断層”と判断するか?は状況や人によって違います。
例えば1.5倍開いていたら「これが断層!」という人もいれば2倍以上離れていても「いや、まだ違うな」という人もいます。また上位人気の断層と中位人気以下の断層とでも「どこまで開いたら断層か?」の基準が変わってきます。
個人的には2倍前後の差があれば断層と考えています。ただ場合によっては2倍未満の差でもレースや全体のオッズバランスを見て断層と判断しているケースもありますのでその辺は臨機応変な対応力が求められます。
断層の種類
断層の数はレースによって異なりますが、だいたい3~4つの層に分かれることが多いです。各層の特徴としては以下の通りです。
- 上位人気のゾーン(最上位のオッズゾーン)
- 中位人気のゾーン(上から2層目のオッズゾーン)
- 下位人気のゾーン(上から3層目のオッズゾーン)
場合によっては4層以上作れるレースもありますが単勝オッズで100倍以上になるケースがほとんどです。単勝オッズ100倍となると複勝馬券で買っても的中する可能性が低いため、あまり注視する必要はありません。
断層が発生する原因は「異常投票」
人気順にそって一定間隔にオッズが開いているのが理想ではありますが、実際のレースでそんなきれいにオッズがつくことはありません。必ずどこかに断層が生まれます。
オッズの断層が発生する理由については色々な原因がありますが、よく言われているのが“異常投票”です。
異常投票とは一般的に考えにくい投票を指します。例えば単勝1点に100万円かけるとか、レース前夜に50万円が1点に集中して買われるとか。
まとまったお金が一気に買われると当然オッズも急激に下がります。そのため、1つ下の人気馬とのオッズ差が一気に開き断層ができる・・・という説が有力です。
さらに断層の切れ目にいる馬は『インサイダー馬』と考えている人も少なくありません。
そもそも普通に馬券を買っている人が1点に100万円突っ込んだり、レース前夜に何十万円も馬券を買いません。たいてい競馬関係者から表に出ていない情報をキャッチした人がコッソリ買っている・・・という見方が強いです。
異常投票は実直に競馬に取り組んでいる人では絶対に買えない馬券です。アンフェアな気持ちになるかもしれませんがオッズの断層があったら「この馬はインサイダーだ!」と推測できるため、おこぼれをいただくのもアリだと思います。
オッズの断層を見つける方法
オッズの断層の見つけ方についてはオッズを人気順にソート(並び替え)できるサイトやツールがあれば簡単に確認できます。例えば自分の場合、自ら投資競馬するために必要な情報だけを表示させるツール「ROT」を使用しています。
ROTでは断層ができた箇所が自然と黄色くなるように設定しています。
ちなみに自分はメインで複勝馬券を使っているため、複勝オッズの断層が自動で表示されるようにしています。
もちろん無料でオッズがチェックできるサイト(JRAの公式ホームページなど)でも十分オッズの断層は確認できるのでわざわざ有料ツールに申し込む必要はありません。オッズを確認する方法は下記ページで紹介しています。
ただしオッズが人気順にソートできないツールでは断層の確認が難しくなります。オッズの断層を調べるのであれば人気順に並んでいるオッズ表を使うようにしましょう。
確認するのは「朝一オッズ」でもOK
オッズはレースが終わって順位が確定するまで常に変動しています。そのためオッズの断層もチェックする時間帯によって変わる可能性もあります。
そのため「どのタイミングで断層を確認すればいいのか?」と悩む人もいるでしょう。個人的には自分がチェックできる時間に見ればいいですが、ある程度競馬に取り組める時間が作れる人であれば朝イチのオッズで断層を確認するのがおすすめです。
なぜなら朝イチのオッズはかけこみ購入などがないため、馬の実力と人気がきちんと合っているレースが多いからです。実際にプロの馬券師や競馬で稼いでいる人も朝イチのオッズを見て
- 断層にどんな変化があるか?
- 急激に人気順位が上がった馬はいるか?
を確認しながら勝負レースをどれにするか判断しています。オッズ以外の指標(データマイニングやコンピ指数など)はレースが出走する前には数値が確定するため、それらと一緒にオッズの断層を確認するのもいいでしょう。
オッズの断層から読み取れるポイント
オッズの断層はオッズ理論で予想をしている人を中心に多くの人が活用しています。自分も競馬を予想する際は1つの材料として使っています。
オッズの断層はただオッズの差が開いている・・・というだけではありません。具体的にはオッズの断層から以下の事が読み取れます。
1.レース展開
例えば上位人気のゾーンと下位人気のゾーンの差があまりに大きく開いている場合、馬券が上位人気に集中して買われている・・・ということになります。つまり馬券を買っている人は
「下位人気から馬券に絡めそうな馬はいない」
と予想している人が大多数を占めている・・・というわけ。そう考える根拠はバラバラかと思いますが、競馬予想に参戦している人の多くがそう考えているということは、何か確固たる根拠が情報として流れている可能性が高いです。
つまり、オッズの差が大きければ大きいほど上位人気の馬で決着がつきやすいレースと予想できます。
逆に断層があってもオッズ差がそこまで広がっていないレースの場合は、上位人気を脅かす馬が中位人気以降にいる可能性があります。1着は無理でも2着や3着以内に入ってきそうな馬を見つけて連対馬券(馬連やワイドなど)で勝負してみると、的中した時に比較的高額な配当が期待できるかもしれません。
2.軸馬の強さと穴馬との実力差
例えば上位人気のゾーンに3頭入っている場合、上位3頭に人気が集中していることが推測されます。ということは上位3頭のいずれかが1着になる可能性が高い・・・ということ。
上位3頭で決着がつく確率については上位人気のオッズと中位人気のオッズ差(上の例だと3番人気と4番人気のオッズ差)で変わります。
断層になっているかどうか?のギリギリの差であれば中位人気から1頭くらい突っ込んでくる可能性は捨てきれません。しかしガッツリと差が開いているのであれば下から突っ込んできても3着にはなっても1着にはならない可能性が高いと考えられます。
このポイントをしっかり理解すれば軸にする馬やその馬の強さを測りやすくなります。
オッズの段差を活用した馬券の買い方
オッズの断層から推測できるポイントが分かったら、あとはそのポイントを利用して競馬を予想し馬券を買うだけです。オッズの段差を利用したロジックはたくさんありますのが、基本的には以下のような使い方が有名です。
断層の切れ目の馬を絡める
主にインサイダー理論を用いて予想している人が利用しているのが“断層の切れ目の馬を馬券に絡める”です。先述した通り断層の切れ目の馬は「インサイダー馬」である可能性があるため、これに便乗して馬券を的中させよう・・・という戦略です。
インサイダー馬の特徴は、競馬関係者が裏の情報を元に馬券を購入した疑いがあります。本来競馬関係者(騎手、調教師、厩務員、JRAの職員など)は競馬法で馬券が買えないのですが知人にお願いして買っている・・・という噂があります。
つまり“インサイダー馬だ”というだけで馬券に絡む可能性が一気に上がるわけです。
もちろん断層ができる原因が絶対にインサイダーというわけではないため、馬券購入額や買われた時間を追いかける必要はあります。ただ断層の切れ目の馬はインサイダー馬の可能性があるため、積極的に馬券に絡める人がいるのも事実です。
最下層に属している馬は除外
オッズの断層は1レースにつき4~5層に分かれますが、多くの人は上位人気のゾーンや中位人気のゾーンから馬を選出します。なぜなら最下位層にいる馬が馬券に絡む可能性はほとんどないからです。
3層目と4層目の断層になってくると、単勝オッズで100倍以上になることも珍しくありません。基本的に単勝100倍以上(いわゆる単勝万馬券)は的中する可能性が極めて低いですから、最下位層から馬券に絡む馬はいないと割り切ってしまってもいいでしょう。
逆に何百万円、何千万円もの超高額配当を狙うのであれば、あえて最下位層の馬を最低1頭選ぶとチャンスが膨らみます。ただし超高額配当の万馬券は的中率が限りなく低いことを忘れずに。
連対式馬券で買うなら『上位層+中位層』の組み合わせ
馬連や枠連などの連対式馬券で予想する場合、
上位人気のゾーン+中位人気のゾーン
の組み合わせで来そうな馬をピックアップするのが基本的な戦略の1つです。別に上位人気どうしで組み合わせてもいいですしその方が的中する可能性は高いのですが、配当が低いため投資としてはあまり旨味がありません。
もちろん中位人気のゾーンから1頭だけを選出するのは難しいため、複数頭選んでもOK。ただし、あまり多すぎるとトリガミになる可能性が高くなりますので合成オッズを計算したりするなどしてトリガミにならないよう注意してください。
また上位人気の馬をさらにいろんな情報でふるいにかけると、本当に実力のある人気馬を絞りこめます。人気馬の見分けた方や活用法は下記ページで紹介していますので参考にし手ください。
レース展開を予想して勝負するかどうか?を判断
オッズの断層ができた部分からレースの展開がある程度予想できると先ほど紹介しました。そしてレースの展開が予想できれば
「このレースは勝負できるレースか?」
も判断しやすくなります。
特にお金を稼ぐために競馬をしているのであれば勝負レースと見送るレースをハッキリ分ける必要があります。勝負レースを絞って資金を投下しないとただただ外れ馬券を買う機会が増えてお金がどんどん減っていってしまいますからね。
具体的な例を挙げると、オッズの断層ができる位置によって
- 上位人気で決着する堅いレース
- どの馬にも可能性がある荒れるレース
が把握できます。両者の特徴は以下の通りです。
上位人気で決着がつくレースの特徴
上位人気と中位人気のオッズ差がかなり開いているレースはたいてい上位で決着する傾向があります。2~2.5倍くらいオッズ差があれば上位人気の馬から軸馬を固定して予想すると的中率は上がると思います。
上位と中位のオッズ差が開く場合、上人気の馬は3頭以下だと候補が絞り込みやすいです。言い方を変えれば上位人気の馬が4頭以上いるレースは潔く見送った方がいいでしょう。
荒れるレースの特徴
反対に荒れるレースはオッズの差があまり見られずオッズ差が均等になっている傾向があります。特に中位人気と下位人気のオッズ差があまり大きくない場合は下位人気に所属している馬が一気に馬券に絡んでくる可能性があります。
荒れるレースの活用法については下記ページで紹介しています。ただ、競馬で稼ぎたいのであれば荒れる要素のあるレースは無条件に見送った方が賢明でしょう。
まとめ
オッズの断層はオッズさえ見れば分かるもののため、競馬初心者でも利用できる指標の1つだと思います。もちろん断層が見つけただけでは意味がありませんからオッズの断層からきちんと馬券を予想するための情報を読み取る力をつけてください。