競馬で生計を立て、自由な生活を送る「馬券生活者」に憧れを持つ方は少なくありません。
結論からいえば競馬の利益だけで生活することは「可能」です。
しかし華やかなイメージとは裏腹に、その実態は極めてストイックな投資の世界であり、誰でもかんたんにできることではありません。
本記事では、実際に競馬で利益を出し続けている人々の共通点や、具体的な収支シミュレーションを公開します。
毎月の収支でマイナスに悩み、安定した利益を出したいと考えている方に向けて、論理的かつ現実的なロードマップも提示しますのでぜひ参考にしてください。
ギャンブルとしての競馬を卒業し、ビジネスとしての競馬を理解することで、成功への第一歩を踏み出しましょう。
競馬生活者になることは本当に可能?
競馬で生計を立てている人は、公になっていないだけで確実に存在します。
ただし「好きな馬を応援して大金を手に入れる」という華やかなイメージと、実際の生活者の実態には大きな乖離があります。
競馬生活者の現実は、緻密な計算と徹底した自己管理の上に成り立つ、極めて地味でストイックです。
実際に競馬で生計を立てるうえで知っておかなければいけない「お金」について解説します。
競馬生活者の定義
競馬生活者とは、馬券による払戻金を生活費の一部、あるいは全部に充てている人を指します。
実情として、競馬のみの収入で暮らしている人は決して多くありません。
多くの場合、会社員や自営業といった本業を持ちながら、副業として安定した利益を出す「兼業スタイル」をとっています。
また、自身の予想ロジックを販売したり、メディア出演をしたりと、競馬に関連する複数の収入源を確保しているケースが一般的です。

副業感覚で取り組んでいる人も定義としては「競馬生活者」に該当します
「競馬で月収300万円」の信ぴょう性と難易度
ネット上で見かける「競馬で月収300万円」という数字は、理論上は「可能」です。
ただし、難易度は極めて高く、競馬生活者でも月収300万円を達成している人はほとんどいないはずです。
なぜなら、月収300万円を競馬で稼ぐには数千万円ものお金を毎月馬券を買うお金として用意しないといけないから。
例えば、回収率120%を維持して競馬で300万円稼ぐには、月に1,500万円分の馬券を購入する必要があります。
もっと言えば、毎月競馬に1,500万円使ってもお金に困らない生活レベルでなければいけません。
1,000万円を超える金額を競馬に使えるだけの資金力がある人は間違いなく少数ですし、さらに競馬にそれだけの大金を使えるメンタルを持っている人も多くありません。
以上の点を考えると、競馬で月収300万円は現実的に不可能な数字と言えるでしょう。



単月で300万円稼ぐのすら難易度は非常に高いです
競馬で生活する現実的な収入ライン
競馬で稼ぎたい人の中には「専業として競馬の収入だけで生活したい」と考えている人もいるはず。
では競馬だけで生活するには、毎月いくら稼げないといけないのか?
総務省統計局が公表している「家計調査(家計収支編・令和元年)」によると、一人暮らし・二人暮らし・四人(夫婦+子供2人)の生活費は次のようになっています。
| 世帯数 | 生活費の平均 |
|---|---|
| 一人暮らし | 163,781円 |
| 二人暮らし | 256,632円 |
| 四人暮らし | 338,650円 |
引用:総務省統計局「家計調査(家計収支編)総世帯・詳細結果表(2019年)表4
さらに、今度は年齢別の生活費の平均を見ると次のようになります。
| 年齢 | 生活費の平均 |
|---|---|
| 29歳以下 | 177,308円 |
| 30~39歳 | 257,184円 |
| 40~49歳 | 306,151円 |
| 50~59歳 | 302,584円 |
| 60~69歳 | 259,280円 |
| 70歳以上 | 202,188円 |
引用:総務省統計局「家計調査(家計収支編)総世帯・詳細結果表(2019年)表4
世帯数や年齢によって毎月の生活費は変わるものの、だいたい30万円はかかる見通しとなっています。
つまり競馬の収入が30万円以上であれば、競馬だけでの生活が可能ということ。
しかし、大事なのは「競馬で30万円稼ぐための具体的な戦略」だけではありません。
「馬券を購入する資金をいかにして用意するか?」「そもそもいくら必要か?」ということも考えなくてはいけません。
仮に回収率が120%なら、毎月150万円の資産が必要になります。
当然回収率が120%を下回っているなら、必要資金はもっと用意しないといけません。
競馬で生計を立てたいのなら、まずは自身の競馬の成績から逆算して、必要資金を貯めるところから始めましょう。



自身の回収率が分からない人はそこから調べる必要があります。
馬券生活者の年収シミュレーション
馬券生活をしたいのなら、事前に年収のシミュレーションをしておきましょう。
年収のシミュレーションをする上で重要なのが「回収率」です。
先ほど「競馬だけで生活するなら30万円の利益が必要」と言いましたが、回収率によって馬券を買うための必要資金が変わります。
| 回収率 | 必要資金(年間) |
|---|---|
| 105% | 7,200万円 |
| 110% | 3,600万円 |
| 115% | 2,400万円 |
| 120% | 1,800万円 |
このように、自身の回収率が高ければ必要な資金が少なく済みます。
もちろん、上記資金を競馬に使えば必ずしも生活できるだけの資金が稼げるわけではありませんが、専業で稼ぎたいのなら上記のお金は確保しておきましょう。



万が一下振れした時のことを考えて、資金は余裕をもって用意しておきましょう
競馬生活者に共通しているポイント
専業でなくても副業として競馬に取り組みお金を稼いでいる人達は一定数います。
彼らは競馬を「お金を稼ぐための手段」として取り組んでいるため、普段競馬を楽しんでいる人とは少し違った取り組み方をしています。
競馬で利益を出している人達の共通点を紹介します。
「趣味競馬」を完全に捨てている
成功している競馬生活者は、競馬を「娯楽」ではなく「仕事」として捉えています。
感情的な応援馬券や、主観で選ぶ買い方は一切排除されており、馬券が当たったり外れたことに対して一喜一憂しません。
好んで馬券を買うのではなく、仕事や運用の一環として競馬に取り組んでおり、無茶な馬券の買い方や馬券に絡みそうにない馬には一切目もくれません。
競馬を趣味ではなくお金を稼ぐための作業として取り組めることが、競馬で利益を挙げるための必要な考え方です。



淡々と作業のように取り組んでいる人が多いです
期待値で馬券を選んでいる
競馬で生活している人は、購入する馬券を「当たるか?当たらないか?」ではなく「稼げるか?稼げないか?」を基準に選んでいます。
そのため万馬券をはじめとした高額配当で挑む人は少なく、単勝や複勝など的中範囲が広い馬券の1点買いで取り組んでいる人が多いです。
仮に多点買いで挑むにしても、トリガミにならないよう綿密に資金管理をしています。
夢やロマンではなく現実を見据えて取り組み続けることが、競馬で生活するうえで上ような要素です。
競馬における期待値の考え方については、以下のページで紹介しているので、ぜひ参考にしてください。



稼ぐための競馬と遊ぶための競馬のメリハリが大事です


「いくら稼ぐか?」のみフォーカスしている
競馬で生計を立てている人は、払戻金ではなく利益にフォーカスしています。
例えば5万円の利益が目標で、自信のある馬のオッズが2倍であれば、迷わず5万円を投入します。
もし自信のある馬券のオッズが1.5倍なら迷わず10万円で買える人が競馬成功者の共通点です。
多点買いを行う場合は合成オッズ(複数の馬券を組み合わせた際の全体の払戻倍率)を瞬時に計算し、資金配分を調整します。
「いくら戻ってくるか?」ではなく「いくらの収支が出るか?」で購入する馬券を決めることで、競馬で安定した利益を獲得できます。



徹底的に利益にフォーカスすることがポイントです
競馬生活者が直面する現実的なリスク
好きな競馬で生活資金を稼ぐことができれば、ストレスフリーで楽しい人生を送れると考えている人も多いでしょう。
しかし、競馬で生活することでサラリーマン時代になかったリスクが出てきます。
特に以下の3つのリスクを軽く考えると取り返しのつかない失敗をする危険性があるので注意してください。
払戻金にかかる税金リスク
意外と忘れがちなのが税金に関するリスクです。
競馬の払戻金には税金がかかり、年間20万円以上の利益が出れば確定申告をしなければいけません。
さらに、原則として外れ馬券は「経費」になりません。
はずれ馬券を経費として認められるには、営利目的で継続的に購入していることを法的に証明しなければいけません。
競馬に関する税金については以下のページで紹介しています。
競馬を続ける以上外すことは必ず起こるため「以下にはずれ馬券を減らすか?」が戦略の大きなポイントとなります。



はずれ馬券の扱いを間違えないよう注意してください


競馬に取り組む時のメンタルリスク
いざ競馬だけで生計を立てようと思ったら、成績がダイレクトに生活にかかってくるため、今まで以上に外れない心理状態に追い込まれます。
どれほど優れたロジックを持っていても、競馬には必ず連敗の波が訪れますが、それでも馬券を買い続けなければいけません。
「もしかしたらこの先全く当たらずお金だけが減っていくかも?」という不安は大きなプレッシャーとなり、競馬の取り組み方にも影響を与えます。
競馬で稼ぎたいのなら、外れても淡々と買い続けられるだけのメンタルが必要です。
感情に左右されず、常に一定の判断を下せる鋼の意思を身に着けることができなければ、競馬で生計を立てるのは無理でしょう。



資金に余裕を持たせると連敗によるメンタルリスクは軽減されます
収入の不安定さからくる金銭的リスク
競馬で生活費を稼ぐにあたって注意しないといけないのは、常に安定した利益が得られる保証がない点です。
年間収支がプラスだとしても、月によって大きくプラスになる時もあれば、マイナスになる月もあります。
つまり、月間収支が数ヶ月マイナスになる可能性もゼロではないのです。
競馬で稼ぐには馬券を購入する資金が必要なため、生活費と資金の両方をしっかり確保しておかなければいけません。
サラリーマンの給料のように、毎月決まった収入が入ってくるわけでないため、生活防衛資金と投資資金を明確に分離する管理能力が必要です。
競馬生活者になるための現実的な条件
リスクやデメリットはあるものの、資金管理の徹底や取り組み方をルール化することで、競馬の払戻金を生計の足しにすることができます。
いきなり競馬の稼ぎだけの生活は難しくても、副業として取り組むことで、お金に対する不安を和らげるためぜひチャレンジしてみてください。
競馬生活者になるには、以下の条件を満たす必要があります。
期待値の高い馬券での勝負を徹底する
競馬で生活費を稼ぐなら、配当の高さよりも期待値の高い馬券で勝負しましょう。
長期間利益を出し続けるには、的中率と回収率のバランスが最も安定する買い方を徹底しなければなりません。
そのため、1回的中させるために連敗を覚悟しないといけない高額配当な馬券よりも、1点当たりの的中率が高い馬券で取り組む必要があります。
具体的には「単勝」「複勝」「ワイド」といった、控除率が比較的低く期待値を追いやすい馬券種がメインとなります。
反対に三連複や三連単などの高配当が期待できる馬券は、的中率の振れ幅が大きく資金ショートのリスクが高まるため、生活の基盤としては推奨されません。
競馬で安定した利益を求めるなら、勝負する馬券から考えていきましょう。



競馬で生活したいなら的中率70~80%を目指しましょう
月30万円稼ぐためのロードマップを作成する
競馬で生計を立てたいのなら、月間の目標利益を決めて、その金額を稼ぐためのロードマップを立てましょう。
ロードマップを立てるうえで大事なのは自身の的中率と回収率、そして2つの数値の変動幅です。
2つの数値に基づいて必要な軍資金と1レースあたりの投資金額の上限が導き出せます。
ロードマップを作らず勢いだけで競馬投資を始めると、資金管理が疎かになり、大きな損失を招く可能性が高まります。
利益を出すために競馬に挑戦するなら、ロードマップを作ってから始めましょう。



ロードマップを作ることで計画的に競馬ができるようになります
資金管理を含めたルールを徹底する
競馬で生活したいのなら、とにかく競馬に取り組むためのルール作りは絶対です。
ここでいうルール作りとは狙うオッズゾーンや買う馬券だけではありません。
「いくら負けたら撤退するか?」
「何連敗したらその日の競馬はやめるか?」
「目標利益に届かなかったらどうするのか?」
「追い上げをする・しないをどこで判断するか?」
など、収支を軸にしたルールをあらかじめ決めておくと、当日の判断や行動の失敗による余計な損失を防ぐことができます。
もちろん作ったルールは絶対に破らないような取り組み方の工夫も必要です。
大きく稼ぐためではなく、大切な資金を守るためにも競馬投資を始める前にルールを作っておきましょう。



取り組みながら改善していくことで成績は安定していきます
競馬生活者になるための具体的な行動
最後に競馬生活者になるための具体的な行動について解説します。
競馬で生活費を稼いでいる人は、専業・兼業問わず以下のことを自身の競馬に取り入れています。
もし、お金を稼ぐために競馬をするのなら、以下の行動を心掛けてください。
勝負レースの厳選
競馬で稼ぎたいのなら、手あたり次第馬券を買うのではなく、勝負するレースを厳選しましょう。
レースを厳選することで、勝率が高いレースに資金を集中投下し、ムダなレースに資金を使わないようにします。
たとえ勝負するレースが1つしかなくても、そのレースで勝てば利益が増えますし、ムダな馬券を買わない分利益が減るリスクがなくなります。
競馬で生計を立てるなら、限られた資金を大切に使わなければいけません。
具体的なレースの選び方については以下のページで紹介しているので、自分の戦略に合ったレースを探すクセをつけましょう。



分からないレースを買わないだけでも大きな効果があります


得意パターンの明確化
競馬生活者を目指すなら、自分が得意なパターンを見つけ、パターンに合致する馬券だけを買い続けましょう。
自分のパターンを確立しておくことで、勝負する・しないの判断がスムーズになります。
レース選びも、パターンに合致したものだけを選んで勝負できるため、はずれ馬券を買うリスク軽減にもつながります。
使う馬券、狙うオッズゾーン、レースの特徴など自分の買い方や分析方法を振り返り、自分の得意パターンをはっきりさせてから競馬に挑みましょう。



得意パターンが見つかるまで無理に挑む必要はありません
記録による改善
生活できるくらい競馬で稼ぎたいのなら、競馬の結果は成功・失敗問わず記録していきましょう。
具体的には馬券の結果だけでなく、購入に至ったプロセスを細かく記録し続けることで、競馬力の向上に直結します。
「なぜこのレースを選んだのか」
「なぜこの馬を選んだのか」
「なぜこの馬券で勝負したのか?」
などを事実ベースで振り返り、その選択が論理的に正しかったかを検証してください。
記録するうえで大事なのは結果よりも、馬券を買った過程を振り返ることです。
仮にはずれたとしてもルール通りに買ったうえではずれたのであれば、次的中する可能性があると考えられるため、結果を悔やむ必要がありません。
継続して記録をつけることで、競馬力が上がって成績も安定してくるため、競馬投資を始める人は記録するクセをつけましょう。



アウトプットすることは競馬生活者になるための近道です
YouTubeやSNSに依存しない姿勢
競馬生活者になりたいのであれば、SNSやYouTubeなどの動画からは距離を取ることをおすすめします。
SNSや動画では次回のレース予想や分析について語られているものが多いですが、信ぴょう性が低いうえに、何も学ぶものがありません。
競馬で生計を立てたいのであれば、自らの力で勝負する馬券を見つけ出す力が必要不可欠です。
他者に依存せず自力で競馬で勝つ力を身に着けるためにも、当たる馬券の答えを外に求める考えは捨てましょう。



競馬予想サービスもお金のムダなので解約をお勧めします
まとめ
- 競馬で生計を立てたいなら月間30万円の利益が必要になる
- 一攫千金よりもコツコツ安定した取り組み方の方が成功しやすい
- 税金を含めたお金が減るリスクを考えて取り組まないといけない
- 競馬で生活するなら計画的かつ戦略的に挑むのがポイントになる
- 自身の競馬の結果を記録したりなど成長につながる行動を心掛ける
本記事では、競馬生活者になるためのポイントや具体的な行動、さらには競馬で生計を立てるうえで向き合うべきリスクについて紹介しました。
理論的に競馬だけで生活することはできますが、収入が安定しないうえに、必要な資金が多額なため実践できる人はほとんどないのが現実です。
しかし、副業として競馬に取り組むことで生活費の一部を競馬で稼ぐことは誰でもできます。
競馬を収入の1つとすることで、将来の金銭的不安が和らぎ、人生の選択肢を自らの手で増やすことができます。
もしお金を稼ぐ目的で競馬に挑むなら本記事で解説した内容を意識しつつ、自力で競馬で稼げる力を身につけましょう。











