ここでは「投資競馬」について詳しく解説していきます。
「投資競馬」とは競馬でお金を稼ぐことを指しますが、実は多くの人が投資競馬に対する考え方・取り組み方・行動を誤解しています。
だから投資競馬に取り組んでいても、いっこうにお金が増えていかないのです。
投資競馬はただ的中馬券を買えばいいというものではありません。
競馬でお金を稼ぎたいなら、投資競馬の考え方ややり方を正しく理解する必要があります。投資競馬について正しく理解し、正しい取り組み方で競馬を活用してください。
投資競馬とは?
投資競馬とは文字通り「競馬で投資をしてお金を増やす方法」を指します。
そもそも競馬は公営ギャンブルですから、ほとんどの人は競馬=ギャンブルと考えています。そのギャンブルである競馬を「投資」として取り組むとはいったいどういうことなのか?
投資競馬の特徴としては次の2点が挙げられます。
「お金を稼ぐこと」を目的としている
投資競馬は「投資」ですからお金を稼ぐことが第一の目的となります。
競馬は馬券が的中しないと払戻金がもらえずお金は稼げませんが、馬券が的中してもお金が稼げなかったら投資競馬としては失敗となります。
特に多点買いをすれば「トリガミ」のリスクがついてきます。
トリガミとは?
的中馬券の払戻金よりも馬券購入額の方が多くなり、トータルでマイナス収支になること。多点買いをすると起こりやすい
ギャンブルとして競馬を楽しむならトリガミになっても問題ありませんが、投資競馬ではトリガミはNG行為なため「的中したら100%利益が出る馬券の買い方」を考えないといけません。
馬券を「予想」しない
投資競馬は機械的に馬券を購入してお金を増やしていく競馬の取り組み方です。そのため勝つ馬を予想することはありません。
競馬の予想とは次のような根拠で馬券を買うことを指します。
[box04 title=”競馬の予想で使う材料”]
- 馬を選ぶ決め手が予想屋や調教師のコメント
- 「的中すれば儲かるから」という理由で馬券を買う
- 数打ちゃ当たる精神で多点買い
- 払戻金がいくらになるか計算しない
[/box04]
投資競馬は予想を一切せずにデータや情報を細かく分析し、そこからもっとも的中する可能性が高く、利益が出る馬券を導き出します。
極端な人であれば、特定のロジックで作成した競馬ソフトやツールを活用し、そのソフトやツールの指示に従って買う馬券と購入金額を機械的に買っています。
投資競馬をするのなら、主観的な考えで馬券を買うのではなく情報やデータを細かく分析して馬券を買う習慣をつけましょう。
投資競馬は本当に儲かるのか?
投資競馬はデータやロジックを元にして機械的に馬券を買うため、やり方さえ間違えなければ必ず儲かります。
実際に投資競馬で億単位のお金を稼いだ人もいます。ここでは投資競馬で大儲けした人達の実例を紹介します。
6年間で約5億7千万稼いだ男性の例
北海道に住んでいる男性で、2010年から6年間で約5億7千万円の利益を競馬で稼ぎました。この時馬券購入金額は約72億7千万円ですから、払戻金の総額は約79億円になります。
この男性は「外れ馬券」が経費になるか?ならないか?で裁判を起こしており、2017年に外れ馬券が経費に該当するという判決が確定しています。
競馬ソフトを使って約1億5千万円稼いだ男性の例
大阪の当時40代の男性で、2005年から4年間で予想ソフトを使って約35億1千万円の馬券を購入し、約36億6千万円の払戻金を手にしています。
この男性も国税局に国税局に所得税6億8千万円と無申告課税1億3千万円が課せられましたが、裁判で「外れ馬券は経費」と認められた判決が出ています。
≫ 外れ馬券訴訟、国も「経費」受け入れ 大阪高裁(日本経済新聞)
5年間で95億円の払戻金を手にした男性の例
名古屋市に住んでいる30代の中国人男性が、2013年から5年間で95億円の払戻金を手にしました。彼は独自の競馬ソフトを開発し、インターネットで馬券を購入していました。
この男性も、2019年に国税局から税務調査を受けて約10億円の追徴課税を受けています。
≫ 競馬利益18億円申告せず 中国人男性、払戻金95億円(日本経済新聞)
競馬を含め公営ギャンブル(パチンコ、競艇、競輪など)で年間の利益(払戻金-馬券購入代)が50万円以上の場合「雑所得」として確定申告が必要です。上で紹介した例は全て特例かつ馬券代を「経費」と証明できたら追徴課税を免れただけで、本来外れ馬券は経費とみなされないので誤解しないようにしましょう。
競馬の払戻金にかかる税金については国税庁のホームページで詳しく紹介されています。
投資競馬の代表的な買い方
その気になれば総額で億単位のお金が稼げる投資競馬ですが、その買い方は人によって様々です。
投資競馬をしている人はそれぞれ独自のロジックやデータ分析法を用いて取り組んでいますが、競馬初心者でも活用できる投資競馬の買い方があります。
それが「マーチンゲール法」と「複勝ころがし」です。
マーチンゲール法とは
買い方はシンプルで、一定のルールに従って馬券を買い続けるだけです。ただし馬券が外れた場合は次のレースで掛け金を2倍にして購入します。
例えば「単勝オッズ2倍の馬がいたら一点買いをする」というルールで掛け金1,000円から始めるとします。
もし1,000円で買った単勝馬券が外れたら、次に単勝馬券を買う時は2,000円賭けます。さらに外れたら今度は4,000円をかけて…というように的中するまで掛け金を倍にしていきます。
そうすれば的中すれば今まで負けた分も取り返せるうえに利益もプラスになります。マーチンゲール法は理論上では必ず儲かる馬券の買い方と言えるでしょう。
[box04 title=”マーチンゲール法のメリット”]
- 1回的中すれば必ず利益が残る
- ロジックがシンプル
- データ分析などしなくてもできる
[/box04]
[box04 title=”マーチンゲール法のデメリット”]
- 的中率が低い馬券種では使えない(例:三連単一点買いなど)
- 途中で馬券を買うルールを変更してはいけない
- 連敗すればするほど掛け金がふくらむ
[/box04]
追い上げをする時にマーチンゲール法のコンセプトは参考にできます。しかし競馬でマーチンゲール法をそのまま使うとハズレ馬券がかさんで初期資金がかなり多めに必要になるため、あまりおすすめしません。
複勝ころがし
複勝ころがしとは複勝で的中した払戻金を全額次のレースの複勝の掛け金に回す買い方を言います。
まず1番人気の馬を複勝一点買いします。その複勝が的中したら、次のレースの1番人気の馬の複勝馬券を先ほど的中してもらった払戻金を全額掛けます。
これを繰り返していけば、払戻金は雪だるま式に大きくなります。仮に複勝の払戻金が120円でも5回ころがせば240円の払戻金をもらったことと同じになります。
[box04 title=”複勝ころがしのメリット”]
- 的中しやすい
- 連続して的中すれば高配当になる
- 最初の掛け金が少なくてもできる
[/box04]
[box04 title=”複勝ころがしのデメリット”]
- 1回でも外れると利益ゼロ
- 連続して的中しないと配当が低い
[/box04]
複勝ころがしで投資競馬をするなら、一定のルールに則って馬を選ぶ必要があります。複勝ころがしを始めるなら下記のページで詳しく解説しているので参考にしてください。
投資競馬に向いている馬券
投資競馬でお金を稼ぐのにもっとも重要なのが「使う馬券種」です。
馬券種によって的中の条件が違いますし、それによって的中率も変わってきます。投資競馬でお金を稼ぎたいなら「稼ぎやすい馬券種」を使うのが成功への近道です。
投資競馬をするのなら、次の3つの馬券種がおすすめです。
複勝
選んだ馬(1頭)が3着以内に来れば的中となる
もっともお勧めの馬券種が複勝馬券です。
複勝馬券はオッズが高くなりにくく、上位人気の馬になるとどんなに高くても2倍台にしかなりません。馬券が持っている的中率が高いため安定して払戻金を受け取れるメリットがあります。
複勝馬券の特徴と複勝馬券を使った馬券テクニックについては下記ページで紹介しています。
ワイド
馬券を買った馬(2頭)がどちらも3着以内に入ったら的中となる
複勝の次におすすめの馬券種がワイドです。連対式馬券ですが3着以内に入れば的中となるため、馬連や枠連に比べると的中範囲が広いメリットがあります。
また複勝馬券に比べて高配当が期待できるのもメリットの1つです。ただし2頭馬を選ばないといけないため、複勝に比べてより正確に馬の実力を比べないといけません。
ワイドを使った投資競馬をするならワイド馬券の特徴や馬券テクニックを身につけましょう。下記ページでワイドの使い方を具体的に紹介しています。
単勝
選んだ馬(1頭)が1着に来れば的中となる
1頭だけ馬を選んで買えばいいだけですし配当も高めなので競馬玄人の人達が好んで使っている馬券種でもあります。
ただし2着以下に入ってしまうと外れてしまうため、複勝やワイドに比べるとより細かいデータの分析や情報の読解力が求められます。
単勝馬券による競馬攻略のポイントは下記ページで紹介しています。どちらかというと玄人向けの馬券種なので最初は複勝馬券で稼ぐ力を身につけてから単勝の活用法を考えた方がいいでしょう。
投資競馬に向いていない馬券
投資競馬に向いている馬券種として「複勝」「ワイド」「単勝」を紹介しましたが、反対に投資競馬に向かない馬券種もあります。
特に次の3つは意外と利用している人が多い馬券種ですが、実際は投資競馬に向いていないので競馬でお金を稼ぎたいなら買うのを控えた方が良いでしょう。
三連単
選んだ馬(3頭)が全て3着以内に入り、なおかつ着順も全て合致していると的中となる
的中すれば万馬券も夢ではない三連単ですが、投資競馬にはあまり向いていません。
なぜなら三連単一点当たりの的中率が低すぎるため、必然的に多点買いになってしまうからです。だいたい1レースにつき何十点から多い人だと100点以上買うため、馬券を買う資金も必要になってきます。
しかも何十点も三連単を買って的中しても、回収率はおよそ110~120%くらいに落ち着きます。
ならば三連単を買うお金をオッズ1.2倍の複勝一点にかけた方が簡単じゃないですか?(しかも複勝の場合は3着以内に入った馬によって払戻金が上がる可能性があります)
大きなお金が動くため派手さを求めて買う人が多い三連単ですがお金を稼ぐことに特化した投資競馬をするなら、三連単を主軸にするのはおすすめしません。
三連複
選んだ馬(3頭)が全て3着以内に入ると的中となる(着順は関係ない)
買い目の点数が三連単よりも少なく済む程度で、三連複も基本は多点買いをしないと的中しないので投資競馬には向きません。
そもそも多点買いをするとトリガミのリスクが出てくるため、トリガミにならないように合成オッズを計算して下記馬券への資金配分も計算する手間が出てきます。
競馬ソフトを使っていると各馬券への資金配分や合成オッズも全部計算してくれるため、機械的に馬券が買いやすくなります。とはいえ、多点買いは用意する初期資金が大きくなって投資競馬を始めるスタートが遅れてしまうのでおすすめしません。
WIN5
JRAが指定した5レースの1着馬を全て当てると的中となる
的中すれば何千万円もの払戻金が入りますが、的中させるには三連単以上に多くの点数を買わないといけません。
しかも的中率もかなり低いうえに馬券も1週間に1回しか買えないため、何ヶ月間も不的中を喰らい続けてずーっと利益ゼロ…なんてことも珍しくないです。
どちらかというと個人ではなく複数の人達から資金を調達し、代表者がWIN5を買っているファンドスタイルな馬券種ですから当然投資競馬には向きません。
というか、小銭をかけて「当たればラッキー」程度でやる以外はWIN5に手を出さない方が良いでしょう。
投資競馬を成功させるためのポイント
投資競馬でお金を稼ぐなら馬券種や買い方も大事ですが「競馬の取り組み方」そのものを変える必要があります。
特に次の7点は競馬で投資をするなら絶対に持っておくべき心構えなので、馬券の買い方やテクニックを身につける前に競馬に対する考え方や取り組み方を改善していきましょう。
投資競馬の目標を決める
「競馬で毎月いくら稼ぎたいか?」を決めておくと、そこから逆算して競馬の取り組み方がハッキリしてきます。
例えば競馬で月10万円稼ぐのを目標とするなら次のようなことが計画できます。
[box01 title=”競馬で月10万円稼ぐための計画”]
- 1週間あたりの目標利益は25,000円
- 1日あたりの目標利益は12,000~13,000円
- オッズ2倍台の馬券を狙うなら1日の予算は12,000円
- 12,000×2日×4週=1ヶ月の資金は約10万円
[/box01]
目標が明確であればあるほど競馬の計画がより細かく設定できます。行き当たりばったりでは競馬で稼ぐことはできないので、しっかりと投資競馬の目標を掲げましょう。
無理して高い目標を立てても挫折するリスクが高まるので、最初にたてる投資競馬の目標は低めに設定するのがおすすめです。高くても目標利益は10万円までに抑えましょう。
馬券を買うためのお金を作る
投資競馬をするなら馬券を買うお金(資金)が必要です。資金を作ってから馬券を買うようにしましょう。
大事なのは馬券を買うお金を「生活に支障がないお金」からねん出することです。
例えば要らないものをフリマアプリや中古屋さんに売ったり、お小遣いから投資競馬用の資金分として貯金したりなどです。また投資競馬用の資金を貯めるための副業を始めるのもアリだと思います。
馬券が外れたら生活がままならない状態にならないよう、生活費と投資競馬用の資金は必ず分けましょう。
競馬ソフトやアプリの情報に依存しない
今ではさまざまな競馬ソフトやアプリが出ていて、分析やデータ解析がかなり簡単にできるようになっています。
しかし競馬ソフトやアプリは「競馬を分析する道具の1つ」であり、答えを導いてくれるものではありません。
残念ながら「安定して稼げる競馬ソフト」はこの世に存在しないので、常に自分の競馬力を高める努力は忘れないようにしてください。
競馬ソフトを使って稼いでいる人達は、自分でソフトを開発したり既存のソフトに自分のロジックを組み込んだオリジナルのソフトとして活用しています。
「複利」を活用してお金を稼ぐよう心がける
投資競馬で稼ぐなら「複利」の考えで資金管理をするよう心がけてください。
複利とは元本(資金)と元本についた利子にも新たな利子がついてくる金利のつき方を言います。表で表すと次ようになります。
引用:楽天証券
これを競馬に置き換えると次のようになります。
[box01 title=”競馬で10,000円を投資する場合”]
- 1.2倍の馬券を的中させて12,000円の払戻金を得る
- 12,000円を次の馬券の購入代に充てる
- 1.4倍の馬券を的中させれば16,800円の払戻金が得られる
[/box01]
複利を活用する際に大事なのは「次はどの馬券を買えばいいか?」をしっかり吟味すること。そうすれば資金が少なくても徐々に資金は大きくなっていきます。
複勝ころがしは分析やデータ検証の手間をいっさい省いて形式的に複利で回していく馬券の買い方のため、分析やデータ検証をしっかりやれば複勝ころがし以上に資金を大きくできます。
回収率よりも「いくら稼いだか?」を重視する
投資競馬で重要なのはその日競馬で稼いだ「金額」です。例えば競馬で10,000円を稼ぐにはいろんな方法があります。
[box01 title=”競馬で10,000円を稼ぐ馬券の買い方(一例)”]
- 100円でオッズ101倍の馬券を買う
- 1,000円でオッズ11倍の馬券を買う
- 5,000円でオッズ3倍の馬券を買う
[/box01]
上で紹介した10,000円の稼ぎ方はそれぞれ回収率が違いますが、手元に残った利益は全部同じですよね?
競馬はオッズが高い馬券ほど回収率が高くなりますが、その馬券が的中する可能性は他の馬券に比べて相対的に低くなります。
競馬で10,000円を稼ぐにはいろんな方法(馬券の買い方)がありますが、その中でもっとも確実性の高い方法で競馬に取り組むことを心がけてください。
「勝ち逃げ」を繰り返せば必ず儲かる
競馬は買った馬券が的中して払戻金を手にしたら、それ以降馬券を買わなければ払戻金がそれ以上減ることはありません。
つまり、その日開催されるレースの中で一番的中しやすいレースを見つけて馬券を買い、的中したらその日はもう馬券を買わなければお金は自然と増えていきます。
1日に何レースも馬券を買えば、それだけ不的中になるリスクが増えます。大切なお金を守るためにも「馬券を買わない」という選択肢が選べるようになりましょう。
「馬選び」より「レース選び」に力を入れる
レースによってどの馬が来るか分かりやすいレースと分かりにくいレースがあります。
分かりにくいレースを頑張って分析して的中しても払戻金がプラスでもらえるわけではありませんから、投資競馬をするなら「分かりやすいレース」を探すのに時間と労力を使いましょう。
競馬で稼ぎやすいレースの選び方については下記ページで詳しく解説しています。
まとめ
ここでは投資競馬について解説していきました。
競馬でお金を稼ぎたいなら「馬券を的中させる」だけではダメです。払戻金がきちんと手元に残るような競馬の取り組み方をする必要があります。
競馬は取り組み方1つで「ギャンブル」にもなるし「投資」にもなります。
競馬を収入源の1つとして考えているのなら、ぜひ投資競馬としての取り組み方と考え方に改めてみてくださいね。