競馬手法の中でもっとも有名な手法が「複勝ころがし」です。ただ複勝ころがしについては賛否両論あり『稼げない』という声も少なくありません。
個人的にも複勝ころがしはあまりオススメしない手法の1つです。理論的には非常に効率よく利益が膨らんでいくイメージがありますが実際はリスクも多いうえにそれに見合うリターンが少ないからです。
とはいえ全く使えない手法か?というとそんなことはありません。ここでは複勝ころがしと亥手法の詳細と「自分が複勝ころがしをするなら・・・」という安定した利益を出すためのアレンジ案を紹介します。
複勝ころがしの基本的のやり方
まずは複勝ころがしがどんな競馬手法なのか解説します。複勝ころがしとは複勝馬券を買い続けて利益をどんどん膨らましていく競馬手法を言います。
実は複勝ころがしはJRAのホームページにも『競馬用語』として掲載されています。
勝馬投票券の買い方の一種。この買い方の特徴は、あるレースを的中させたら、その払戻金をそっくり次のレースにつぎこみ、さらに的中したら、次のレースに……というように雪だるまをころがすように増やしていく点である。したがって成功したら、大変な金額になるが、逆に1レースでも不的中だとすべてが無に帰してしまう。
引用:JRA
そもそも複勝ころがしは「ころがし」という投資手法を競馬でできるようアレンジされた手法です。複勝ころがしには次の2つの特徴があります。
使う馬券種は複勝一択
“複勝ころがし”というくらいなので基本的に使う馬券種は複勝だけです。なぜなら複勝馬券が現在販売されている馬券種の中で最も的中範囲が広いからです。
ころがしで稼ぐ最大のポイントは“的中率の高さ”です。とにかく当たらないことには資金を転がして大きくできないため、複勝以外の選択肢はない・・・と考えてもらって結構です。
払戻金は次のレースで全額投入
複勝で連続勝負するのと複勝ころがしとの最大の違いは掛け金です。複勝ころがしでは的中によって払い戻されたお金が全額次のレースの掛け金になります。
例えば1レース目で1,000円買って1,200円払い戻された場合、次のレースは1,200円全額投入します。そして払い戻された金額はまた次のレースの掛け金に・・・という感じで一度払い戻ししたお金を財布に戻さず次のレースに全額投入します。
これを繰り返すとどうなるか?仮に1.2倍の配当がつくレースで5連勝すると2倍以上(2,280円)となります。つまり1,000円から始めた複勝馬券が2,000円以上に膨らむのが複勝ころがしという手法なのです。
複勝ころがしで稼ぐためのポイント
的中範囲の広い複勝で連勝を繰り返して利益を増やしていく複勝ころがし。ここだけ聞くととても簡単そうに感じるかもしれませんが、実はかなり難しい手法でもあります。
いくら複勝が当たりやすい馬券だからといってもテキトーに選んでも当たりません。また複勝ころがしは回収率を100%以上にしないと成立しないため“複勝1点買い”が絶対条件です。
だからこそ『複勝1点買いの的中率を極限まで引き上げる方法』で取り組む必要があります。
また的中率アップ以外にも色々なリスクが複勝ころがしにはあります。それらを総合的に考えると次の3つのポイントは絶対に押さえておかなければいけません。
“単勝オッズ”が1.5倍以下を狙う
複勝ころがしで大事なのは「馬券を当てること」でもなければ「高配当を狙うこと」でもありません。“連勝すること”が大事なのです。
そのため複勝で買う馬は「3着以内に入るか?」に重視して選ぶ必要があります。極端な言い方をすれば複勝オッズが高いとか低いとかは一切気にせず「こいつを複勝で買えば当たるだろう」という馬を選び続けなければいけません。
具体的な基準としては単勝オッズが1.5倍以下の馬を選ぶようにしましょう。
単勝オッズが1.5倍以下の馬というのは多くの人が”1着“に来ると予想している馬だと推測できます。つまり「1着に来る可能性が高いのだらか3着には間違いなく来るだろう」と予想できるわけです。
単勝オッズが1.5倍であれば間違いなく一番人気だと思います。さらに下記ページでも紹介しているように単勝オッズが1.5倍以下であれば複勝率(3着以内に来る確率)も85%となるため複勝馬券で勝負すれば高い確率で的中するでしょう。
4連勝したら一度撤退
複勝ころがしで最も難しいのは“連勝”です。レースによっては複勝で買ったら的中する馬を簡単に見つけられますが、残念ながらそうでないレースもたくさんあります。
また連勝を重ねれば重ねるほど失敗した時のリスクも大きくなります。だからこそある程度連勝して利益が膨らんで来たら、どこかで利益を確定させて一からリスタートを切るのが大切なのです。
個人的に4連勝したらころがしは一度ストップさせた方がいいと思います。
なぜなら複勝馬券で連勝する確率は連勝数が増えれば増えるほど下がっていくからです。(具体的な確率は後述します)4連勝くらいであればきちんと馬やレースの見極めをすれば可能な連勝数なので「4連勝したらもう利益は追わない!」というルールを設けて取り組みましょう。
対象の馬がいないレースは見送り
先ほど「単勝オッズ1.5倍以下の馬を複勝で買う」のをポイントに挙げました。しかし各レースで必ず該当する馬がいるとは限りません。
もし複勝ころがしで使える馬がいないレースに遭遇したらそのレースは絶対に見送りましょう。下手に手を出して連勝を止めたらせっかく複勝でころがした利益が消えてしまいますからね。
また見送るレースが多くてその日馬券を買えたレースが4つ以下でも次の日にころがしを持ち込むのはやめましょう。無理して4連勝を狙って外れたら意味がないので日をまたいでのころがしはしないように!
知っておくべき複勝ころがしのデメリット
冒頭でも言いましたが個人的に複勝ころがしはあまり推奨しない競馬手法の1つです。確かに先ほど紹介した3つのポイント
- 単勝オッズ1.5倍以下を狙う
- 4連勝したら利益を確定
- 対象の馬がいないレースは見送る
を守って取り組めば、複勝ころがしで稼げる可能性はあります。しかし複勝ころがしが『ベストな競馬戦略か?』と言われるとそんなことはありません。
上記のポイントもあくまでも複勝ころがしのリスクを抑えるための行動にすぎません。ポイントを押さえたからといって複勝ころがしで絶対に稼げる保証はないのです。
ではなぜそこまで自分が複勝ころがしをお勧めしないのか?その理由は複勝ころがしのデメリットにあります。
連勝しないと利益が増えない
複勝ころがしで狙う馬は基本的にガチガチの本命一番人気の馬です。しかも単勝オッズで1.5倍以下ということは複勝オッズが1.1-1.3など相当低配当になります。
つまり複勝を1回的中させただけでは大した利益が出ない・・・ということ。
複勝ころがしでまとまった利益が得られるのはある程度連勝をしてからになります。2連勝くらいで得た利益だったら「だったら複勝オッズがもう少し高めの馬狙った方がよくない?」と自分は思うわけです。
まとまった利益を出すには複勝ころがしは時間と手間がかかりすぎるため、あまり推奨していません。
複勝で連勝するのが難しい
先ほど「連勝しないと利益が生まれにくい」と話しましたが、実はその連勝が難しいのが複勝ころがしの最大のデメリットです。
「複勝率85%だからたいてい当たるでしょ?」
と思いがちですが、1回複勝を当てるのと複勝を何回か連続で当てるのとでは確率が違ってきます。複勝の連勝する確率については「かよちんの競馬講座」というサイトで次のように解説されています。
複勝率 2連勝 3連勝 4連勝 5連勝 6連勝 90% 81.0% 72.9% 65.6% 59.0% 53.1% 80% 64.0% 51.2% 41.0% 32.8% 26.2% 70% 49.0% 34.3% 24.0% 16.8% 11.8% 60% 36.0% 21.6% 13.0% 7.8% 4.7% 50% 25.0% 12.5% 6.3% 3.1% 1.6% 40% 16.0% 6.4% 2.6% 1.0% 0.4% 30% 9.0% 2.7% 0.8% 0.2% 0.1% 20% 4.0% 0.8% 0.2% 0.0% 0.0% 10% 1.0% 0.1% 0.0% 0.0% 0.0% 1番人気の馬でおよそ複勝率70%、2番人気の馬でおよそ複勝率50%、3番人気の馬でおよそ複勝率30%が平均なので、仮に1番人気の馬だからといっても6連勝できる確率はおよそ10回に1回(11.8%)という計算になるのです。
要するに複勝率80%を4回連続で的中できる確率は41%。しかも仮に複勝の払い戻しが120円だった場合、1,000円でスタートしても4回目のころがしで得る払戻金は1,920円のため『1.9倍の馬券を買った』のと結果は同じです。
ならば、1.5倍前後で的中しやすい複勝馬券を1点勝負で購入し、的中したら即撤退したほうがリスクは少ないですよね?
複勝で上位人気で勝負すれば的中率は絶対に41%以上になりますし、配当も1.9倍には届かないかもしれませんがそれに近い払戻金は期待できます。そう考えると「わざわざ複勝ころがしをする必要があるのか?」という疑問が浮かんできます。
自分が『複勝1点買い』にこだわっている理由はここにあります。リスクを最小限に抑え、確実にお金が手元に残る最も簡単な方法が“複勝1点買い”だと思うからです。
テラ銭のリスクがある
複勝ころがしにおける最大のリスクの1つが「テラ銭」です。テラ銭とは、馬券が的中した際に主催者であるJRAに支払うお金のことで、このテラ銭が差し引かれた金額を的中した人達に分配されます。
例えばオッズ2.0倍の馬券を100円で賭けて的中しても払戻金は200円・・・ということにはなりません。そしてこのテラ銭は的中馬券すべてにかかってくるため、的中馬券を買えば買うほど発生します。
つまり、複勝ころがしを使って連勝をすればするほど多くのテラ銭を支払うことになるのです。
もちろんテラ銭は馬券の払戻金が支払われる前に徴収されるため改めてJRAに支払うということはありませんが、連勝数がポイントとなる複勝ころがしにとってテラ銭の存在は目標金額到達における大きな障害と言ってもいいでしょう。
まとめ
理論的に複勝ころがしは効率よくお金が稼げる買い方と考える人は多いと思います。ただ実際にやって見ると失敗を経験した人も少なくありません。
だからこそ複勝ころがしをするのであれば、きちんとその仕組みを理解して取り組む必要があります。そして複勝ころがしを理解すればするほど「お金を稼ぐ」のに向いていない買い方と分かるはず。
どうしても複勝ころがしでお金を増やしたいのであればここで紹介した
- 単勝オッズ1.5倍以下を狙う
- 4連勝したら利益を確定
- 対象の馬がいないレースは見送る
は絶対に守ってください。でないとお金は一向に増えていかないので。