
競馬分析のポイントの1つが「一番人気」の馬の信ぴょう性です。
基本的に各レースの人気は単勝オッズによって決められており、単勝オッズが最も低い馬(最も単勝馬券が買われている馬)が一番人気の馬・・・というわけです。
しかし当然ながら、一番人気の馬が必ずレースで勝つわけではありません。
一番人気の馬がレースで勝つ確率は約3割と言われており、7割前後の確率で1着にならないことが統計で明らかになっています。
つまり、一番人気の馬の実力を正しく分析することが、競馬予想の的中率を高め、最終的に競馬で稼ぐことに直結するのです。
そこでここでは、競馬でお金を稼ぐための“一番人気”の馬の活用法についてお話しします。
この一番人気の馬を馬券に絡めるか、それともあえて捨てるかの判断基準さえしっかりできていれば、無駄な外れ馬券を買うことも、余計な買い目を買うこともなくなるでしょう。
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一番人気の基本的な見方
一番人気の馬を使った競馬予想についてお話しする前に、まず「一番人気」どのように見たらいいかについて説明します。
まず一番人気の馬とは、先ほどもお話ししたように、単勝オッズが一番低い馬のことを言います。
そもそもオッズとは馬券が買われれば買われるほど低くなるものであり、購入が締め切られるまで常に数字は変動し、レース終了後に払戻金が確定されます。
例えば2015年に開催された天皇賞(春)ではキズナが1番人気でした。
ただ、同じ一番人気でもレースによってその時のオッズは異なります。
例えば先ほどの例として挙げた天皇賞(春)の一番人気はキズナでしたが、単勝オッズを見ると3.3倍となっており、2番人気のゴールドシップとオッズと比較すると1.2倍の差があることが分かります。
このバランスと対極にあるのが2006年の有馬記念の単勝オッズのバランス。
この年の有馬記念はディープインパクトの引退レースもあって一番人気のディープインパクトの単勝オッズは1.2倍で2番人気のドリームパスポートと比較すると、11.4も開いていました。
このように、同じ一番人気でもオッズが1倍台前半の時もあれば、3倍台や4倍台になっている時もあり、この一番人気のオッズが他の馬とのパワーバランスを測る1つの目安になります。
先ほども言いましたが、オッズは馬券が買われれば買われるほど下がっていくため、単勝オッズが1倍台ということは、それだけその馬が『1着に来る』と予想していることになります。
つまり、一番人気のオッズが圧倒的に低い場合は、馬券を買っている人達が「この馬が1着に来る」と認識しているということ。
逆に単勝オッズで見て上位の差がそこまでない場合は、人気が混戦になっている傾向が強く、一番人気が負ける可能性が多分にあることを示しています。
とはいっても、下の表にあるようにたとえ一番人気で単勝オッズが1倍台前半だったとしても勝率は55%なわけですから、100%勝つというわけではありません。
オッズ | 単勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1.0~1.5 | 55 | 75 | 85 |
1.6~2.0 | 42 | 63 | 76 |
2.1~2.5 | 34 | 53 | 67 |
2.6~3.0 | 28 | 46 | 60 |
3.1~3.5 | 23 | 40 | 52 |
3.6~4.0 | 20 | 38 | 49 |
4.1~ | 13 | 28 | 37 |
このように、たとえ一番人気であったとしても負ける可能性は十分にありますし、その時のオッズによってその確率は高くなっています。
こうした一番人気の特性を十分に考慮して馬券を予想することが、競馬でお金を稼ぐうえで欠かせないことなのです。
一番人気を買い続ければ稼げるのか?
一番人気になるということは、その馬が1着に入るだろう・・・と世間が思っていることを指します。
しかもこの認識は、様々な人が色々な分析や予想をしたうえで導き出された結論であり、たまたま結果的に一番人気になっていた・・・なんてことはまずありません。
一番人気なる馬には他に馬に比べて、そのレースで勝つだけの要素の数や信ぴょう性が増しているわけですから、確率的には1着になる可能性が最も高いでしょう。
では一番人気の馬を買い続ければ競馬で稼ぐことができるのか・・・結論から言うと『ノー』です。
確かに一番人気の馬は、勝つ可能性が最も高く、レースで勝つ確率は35%と言われており、それ以外の馬の勝率に比べると高い勝率をたたき出しています。
しかし見方を変えれば不的中になる確率が65%あることになります。
確かに最も勝率が高い一番人気の馬を馬券に絡めることによって、買った馬券が的中する可能性は上がるのは間違いありません。
ですが、馬券の種類や組み合わせた馬によっては、不的中になる可能性の方が高くなったり、的中しても結果的に損をする可能性もでてきます。
つまり、「一番人気だから」という理由で馬券を買い続けると、様々なリスクが降りかかってくるのです。
そのリスクとは主に次の3つのことを指します。
リスク1:一番人気が的中しても配当が低い
一番人気とは各馬券種で最も買われているものであり、世間的に“一番的中する可能性が高いもの”という認識を持たれています。
そのため、必然的に的中する可能性は高くなるわけですが、それと同時に的中した際に払い戻しは他の馬に比べると低いのが特徴です。
なぜ払い戻しが少ないかというと、一番人気の馬券は最もオッズが低いから。
ここで、的中率と払戻金のバランスを考えた時、たとえ的中率が低くなっても“あえて”一番人気の馬を外して高配当の馬券を狙ったほうが効率的な時も多々あるのです。
また払戻金が少ないということは、よりお金を稼ぐためには馬券を的中させる回数を多くしないといけなくなります。
つまり、連勝する回数を多くしないとお金が稼げないことになる。
競馬における連勝のむずかしさは「複勝ころがしから考える投資競馬で利益を増やす3つの要素」でも紹介していますが、一番人気だからといって常にレースで勝つわけでも上位に食い込むわけでもありません。
一番人気の馬の実力を過信しすぎるとまったく的中しなくなるので、冷静に馬の実力を見極めて判断する必要があります。
2:一番人気が的中するとは限らない
一番人気の馬券を買う最も大きなリスクはこの“不的中”のリスクです。
そもそも競馬に置いて「100%的中する馬券」なんてものは存在せず、一番人気であっても不的中になる可能性はあります。
何を当り前な・・・と思うかもしれませんが、実はこれをしっかり馬券予想に反映している人は決して多くありません。
なぜなら、一番人気ということはそれだけ多くの人から支持されているわけであり、いわば多数決の投票結果と同じなわけです。
つまり、一番人気の馬を見て「みんなこの馬が勝つと思っているんだ・・・」と考えると、自分もその意見に賛同しがちになってしまい、外すに外せなくなってしまうのです。
こういう心理状態に陥ると、オッズの低い馬券を買いがちになるか、無駄な買い目が増えるかのどちらかで、両方とも利益を大きく伸ばすことも損失を最小限に抑えることもできなくなってしまいます。
特に周りに流されがちな人は、一番人気の馬券を絡める前に、自分なりの予想をしっかり持ってから判断したほうが良いでしょう。
3:一番人気は「実力」が一番というわけではない
競馬で勝つ馬に共通することは“強い馬”であって“人気がある馬”ではありません。
もちろん、この人気のある馬があまりに顕著だった場合はそれが人気順位に反映されるのですが、全てのレースでこういった状況になるわけではないのです。
例えばGⅠレースなどの重賞では、前日や当日の競馬番組等の解説者のコメントによって一気に馬券が買われることがありますし、競馬新聞のコラムの内容がオッズに影響することだってあります。
それ以外にも買い目の配信情報で「この馬が来ます!」なんて情報が流れればこぞってその馬を買う人が増えたりと、有益と思われる情報が流れるたびに馬券が買われ、そしてオッズが変動していくのです。
「予想屋マスターの誰も教えてくれない競馬理論」というサイトにも一番人気について次のように言及しています。
競馬は強い馬が人気薄の時のみ買うべきなのに、人気ばかりを気にしてしまう
素人は新聞や雑誌で薦められた人気馬が強い馬だと勘違いしてしまう。
人気馬は近走の着順が良かったり、時計が速かったなどの単純な理由により、人気となってしまうのが現状である。
素人が競馬にのめり込むほど、新聞・雑誌の無責任な情報に惑わされてしまう。
だから、何年競馬をやっても、穴馬を当てることができない。
さらには、最も実力がある強い馬であっても、全てのレースで1着になるとは限らないのにもかかわらず、素人はその実力馬を過信してしまう。
競馬は非常に難解なものである。
よって、素人はコース取り・ペースや展開などを細かく分析して予想することは不可能である。
そのため、素人は直感や人気に依存した予想にならざるを得ない。
~中略~
競馬新聞に書かれている情報には、根拠のない情報が多く含まれている。
しかし、新聞のような印刷物になっていると、素人は真実の情報として受け止めてしまう。
競馬ファンは、競馬新聞に書かれている情報の真偽を確かめながら、予想する必要がある。
このように、一番人気の馬が必ずしも上位に食い込むだけの実力を兼ね備えていない場合が多分にあり、この人気に惑わされない分析や予想ができるようになることこそが、競馬でお金を稼ぐために欠かせない力なのです。
2着以内に入る一番人気の馬の共通点
これまでお話ししたように、競馬において一番人気は「単勝オッズが最も低い馬」であり、必ずしも“出走する馬の中で最も実力がある馬”というわけではありません。
ただ、世間が1着になるであろうと予想した馬が一番人気なわけですから、決して無視していい馬ではないことは確か。
仮に1着にならなくても2着になれば馬連やワイドに引っかかるわけですし、3着以内に入れば複勝馬券の的中対象となるわけですから。
1着にならずとも、高い確率で3着以内に入る可能性を秘めていることは間違いありませんが、一番人気のオッズ次第で連対率も複勝率も変わってきます。
では、連対率や複勝率が高い一番人気を見分けるコツは何かあるのか?
実はJRA-VANが公開しているデータマイニングの数字を使うことによって、連対率が高い一番人気とそうでない一番人気を見分けることができます。
データマイニングの詳細については「データマイニングを使った馬券的中活用法」でも詳しく紹介していますのでそちらを見てもらえればと思います。
まず一番人気の馬のデータマイニングランキングを確認してください。
実は、一番人気の馬でなおかつデータマイニングランキングが1位だった場合、その馬の連対率は50~60%あることが判明しています。
ですので、特に馬連やワイドなどを主として馬券を買っている人は、これを1つの基準として組合せを考えてみるといいでしょう。
ちなみに50~60%あるのはあくまでも“連対率”ですから、1着と2着を順番に当てないといけない馬単で勝負するのは外れるリスクが高くなるため避けるように。
また、的中に固執してワイドと馬連の両方買おうとする人もいますが、ダブル的中しない限りトリガミになるリスクを背負うことになるので、買う時はどちらか一方に絞ったほうが良いでしょう。
一番人気をどう見るかが競馬予想のコツ
これまでお伝えしたように、一番人気の馬とは実力が一番ある馬ではなくあくまでも“人気”が一番ある馬のことを指します。
そのため、単勝オッズの数字やそれ以外の馬券種のオッズの数字をチェックし、一番人気が他の出走馬と比べてどのくらいの実力を秘めているのかをしっかり見極めることが重要になってきます。
これができるようになれば、人気に左右されることなく実力のある馬をオッズから導くことができますし、外れ馬券を買う回数も劇的に減ることになるはず。
人気順位や数字だけではなく、数字に隠された本質を見抜けるよう時間がある時に過去のレースをチェックしてみてください。
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