日本ダービーや宝塚記念といった春のG1シーズンが終わり、中央開催からローカル開催へと舞台が移る「夏競馬」。
ところが夏競馬になると、的中率や回収率がとたんに下がるのを実感している人も少なくないはず。
それもそのはず。
実は夏競馬は、春や秋に開催されるGⅠシリーズとは特徴が大きく異なるからです。
言い換えれば、夏競馬特有の条件や傾向を正しく理解すれば、ライバルと差をつける大きなチャンスとなります。
この記事では、夏競馬が難しいとされる根拠を紐解き、2026年の最新データに基づいた具体的な攻略法を伝授します。
夏競馬開催時の成績を上げたいのであれば、ぜひ参考にしてください。
夏競馬とは?
夏競馬とは、夏の時期に開催される競馬のことです。
基本的に中央競馬は東京・中山・阪神・京都のいずれかの競馬場とローカル競馬場(中京・小倉・新潟など)で開催されます。
しかし、夏競馬の時期は全てローカル競馬場での開催となり、関東や関西での開催はありません。
具体的に夏競馬が開催されるのは以下の会場です。
- 札幌競馬場
- 函館競馬場
- 福島競馬場
- 新潟競馬場
- 中京競馬場
- 小倉競馬場
また、メインレースも関東・関西での開催がないことからGⅠレースは行われません。
札幌競馬場で開催される札幌記念以外は全てGⅢレースのため、世間からの注目度の点からも見劣りしやすいのが特徴です。
開催される場所や注目度などが普段と大きく異なることから、夏競馬を攻略するには夏競馬ならではの戦略で取り組む必要があります。
夏競馬については以下でさらに深く解説していきます。
夏競馬の開催時期
夏競馬の開催時期は、一般的に6月の最終週から9月の第1週頃までをさします。
具体的には、春のグランプリである宝塚記念が終了した直後から、秋のG1戦線の序章となる産経賞セントウルステークスや京成杯オータムハンデキャップまでの期間です。
夏競馬の期間中は北海道の競馬場が開催場所となっているため、開催場所が変わるタイミングで夏から秋に変わると考えても良いでしょう。
また、夏競馬は「サマーシリーズ」として、短距離・中距離・ジョッキーの各部門でポイントを競う制度も設けられています。
サマーシリーズの対象が京成杯オータムハンデや産経賞セントウルステークスまでとなっているため、9月2週目からが秋のGⅠ戦線と考えてよいでしょう。

サマーシリーズの成績は夏競馬攻略に役立つ情報なので一度チェックしておきましょう
ローカル開催が中心となる理由
夏競馬では、東京・中山・京都・阪神といった主要4場(中央場所)を離れ、福島・新潟・函館・札幌・小倉・中京といった「ローカル場」が主役になります。
中央場所で夏に開催を行わない主な理由は、酷暑による競走馬への負担軽減と、秋のGⅠシーズンに向けて芝コースの養生を行うためです。
芝の養生をするには開催を控えないといけないため、夏の期間はローカル競馬場が主戦場となります。
さらに、近年の異常気象による気温上昇は著しいのも、ローカル開催が多い理由の1つです。
酷暑から馬の健康を守るために比較的涼しい北海道(函館・札幌)や、暑さ対策の設備が整った新潟などでの開催が重要視されています。



ローカル開催がメインとなるためコースが違うのも夏競馬が独特になる理由の1つです
夏競馬と春・秋競馬との違い
春や秋の競馬との決定的な違いは、出走馬の質とレースの格にあります。
春・秋はG1制覇を目標とするトップクラスの有力馬が集結しますが、夏競馬はG3やオープン・条件戦がメインとなります。
つまり夏競馬は、春や秋に比べると突出した実力を持つ馬があまり出走しない傾向があります。
また、ローカル場は中央場所に比べて直線が短かったり、カーブが急だったりとコース形状が特殊です。
さらに、斤量差が生まれやすいハンデ戦が多く組まれている点も、予想の難易度を上げる要因となっています。



「中央場所との質の差」を認識することが、夏攻略の第一歩です。
夏競馬が当たらない・難しい理由
夏競馬は、開催場所や出走する馬のレベルが普段とは異なるため、競馬の取り組み方や考え方が少し異なります。
そのため、いつもに比べて的中率が下がったり予想が難しく感じる人も少なくありません。
夏競馬が難しく、なかなか当たらない理由として以下の原因が挙げられます。
有力馬は休養中で出走しない
夏競馬の予想が難しい大きな原因は、出走する馬のレベルが大きく関係しています。
春のG1戦線で激闘を繰り広げたトップクラスの競走馬たちは、秋の天皇賞やジャパンカップ、有馬記念といった高額賞金レースに備え、北海道などの牧場でリフレッシュ放牧に出されます。
そのため、夏競馬の主役は「秋の飛躍を狙う上がり馬」や「実績はあるがピークを過ぎたベテラン勢」が中心となります。
突出して実力がある馬が存在しないため、圧倒的な軸馬が見つけにくく、結果として馬券の難易度が高まる傾向にあります。



夏競馬が荒れやすいのはどの馬にもチャンスがあるレースが多いからです
荒れやすいコースでの開催が多い
夏競馬が荒れやすい理由として挙げられるのは、主戦場となるコースが特殊だからです。
ローカル競馬場は、中央に比べてコースの起伏や直線距離が独特です。
例えば、福島競馬場や小倉競馬場は小回りコースであり、コーナーを器用に回る能力が求められます。
また新潟競馬場は日本一長い直線を持つ一方で、内枠と外枠の有利不利が極端に分かれるレースも少なくありません。
こうした特殊なコース形態では、能力の劣る穴馬でも展開一つで上位に食い込むことが可能です。
コース適性の有無が、純粋な走破タイム以上に結果を左右するため、一般的な実力評価が通用しにくいのです。



コースのよるレース展開の予想が難しいのも夏競馬の特徴です
馬場状態(芝・ダート)の変化が激しい
コースだけでなく天候も夏競馬の予想を難しくしている大きな要因になっています。
夏の天候は春や秋に比べると不安定になりやすく、急なゲリラ豪雨や連日の猛暑による馬場状態の激変が予想を困難にします。
特に芝コースは、強い日差しによる乾燥で時計が非常に速くなる「高速馬場」になる日もあれば、夕立によって一気に「重馬場」まで悪化することもあります。
また、開催が進むにつれて内側の芝が傷み、外差しが有利になるなど馬場のバイアス(偏り)が短期間で変化するのも夏競馬の特徴です。



時間帯によって馬場状態が変わるため、逐一環境をチェックする必要があります
夏競馬の傾向と対策
夏競馬は、GⅠが開催される春や秋とは違った特徴があります。
コースの特徴や出走する馬のレベルなど夏競馬の特徴を正しく理解することで、夏競馬ならではの傾向と対策が見えてきます。
具体的な夏競馬の傾向を以下にまとめましたので、攻略の参考にしてください。
「上位人気=馬券になりやすい」が通用しない
夏競馬では「1番人気=信頼できる」という常識を一度捨てる必要があります。
統計的に見ても、夏場の重賞やハンデ戦における1番人気の勝率は、春・秋のG1シーズンに比べて低い傾向にあります。
夏競馬は「有力馬の不在」や「斤量差」の影響が大きく、実力がわずかな差しかありません。
そのため、斤量を背負わされる人気馬よりも、軽斤量でコース適性の高い穴馬が先着するケースが多発します。
人気に惑わされず、各馬の現状のコンディションや適性を冷静に分析する姿勢が求められます。



夏競馬の時だけは上位人気の評価を少し下げて判断するのがおすすめです。
前脚質の馬の方が馬券になりやすい
ローカル開催の小回りコースでは、圧倒的に「逃げ・先行」の脚質が有利です。
なぜなら、夏競馬が開催されるコースの多くは直線が短いため、後続の馬が差し切る前にゴールしてしまうからです。
実際に各競馬場の直線コースと起伏についてを以下の表にまとめました。
| 競馬場 | コース | 直線距離 | 高低差 |
|---|---|---|---|
| 函館競馬場 | 262.0m | 平坦 | |
| 札幌競馬場 | 266.1m | 平坦 | |
| 福島競馬場 | 292.0m | 平坦 | |
| 新潟競馬場 | 外 | 659.0m | 平坦 |
| 内 | 359.0m | 平坦 | |
| 中京競馬場 | 412.5m | 2.0m | |
| 小倉競馬場 | 293.0m | 平坦 | |
| 東京競馬場 | 525.9m | 2.0m | |
| 中山競馬場 | 外・内 | 310.0m | 2.3m |
| 阪神競馬場 | 外 | 473.6m | 1.8m |
| 内 | 356.5m | 1.8m |
特に開幕週の新潟や小倉では内側の芝状態が良好なため、一度先頭に立った馬がそのまま押し切る「行った切り」の展開が定石です。
投資としての競馬を考えるならば、不確定要素の多い差し馬よりも、計算の立ちやすい前脚質の馬を軸に据えて考えましょう。



コースの高低差が少ないもの前脚質の馬が勝ちやすい要因です
関西馬>関東馬になりやすい
近年の競馬界において「西高東低」の傾向は顕著ですが、夏競馬でも栗東(関西)所属の馬が美浦(関東)所属の馬を上回る成績を収める場面が目立ちます。
特に小倉競馬場や中京競馬場での開催では、輸送距離が短い関西馬に分があります。
また、函館・札幌の滞在競馬においても、関西の有力厩舎が勝負がかりで送り込む馬が結果を出すケースが多いです。
もちろん個別の能力差はありますが、迷った際には輸送ストレスの少ない関西馬を選択肢に入れることで、的中率の底上げが期待できます。



馬選びで迷った時の判断材料として知っておきましょう
夏場に強い騎手がいる
競走馬と同様に、騎手にも夏場にパフォーマンスを上げる「夏男」が存在します。
実際にサマーシリーズのタイトルを狙い、ローカル開催に集中的に騎乗する騎手がいるため、そういった騎手を追いかけるのも戦略の1つです。
また特定の競馬場で極端に高い勝率を誇る騎手や、減量を活かして積極的に前へ行く若手騎手には注目が必要です。
騎手のモチベーションや、夏場の移動スケジュールを把握することも、夏競馬攻略の重要なピースとなります。



騎手を参考にする時は、過去のサマーシリーズの結果を確認しておきましょう
夏競馬で勝つための具体的な戦略
夏競馬の特徴や傾向が分かれば、あとはそれに沿った戦略を立てるだけ。
何度も言っていますが、夏競馬はGⅠレースが開催されている春や秋とは異なる特徴を持っており、夏競馬独自の戦略で攻略しなければいけません。
夏競馬で成績を落とさないためにも、以下のポイントを押さえた戦略で攻略していきましょう。
人気以外の指標を軸に判断する
夏競馬で的中を狙うなら、人気順位以外の指標を軸にレースや馬券を買う馬を選定する必要があります。
夏競馬は、コースや天候によってレースが荒れやすく、さらには馬の実力差も小さいため、上位人気の馬が中位人気以下の馬に負けることも珍しくありません。
そのため人気順位だけでなく、別の競馬指標を軸にしてレース展開や馬券を買う馬の選定をしましょう。
例えば「コンピ指数」「データマイニング」など、オッズ以外の競馬指標は、実力を数値化した指標なので活用しやすいです。
また、夏場に強い騎手をベースに選ぶのも戦略の1つです。



夏競馬では「1番人気だから」という根拠で馬券を選ぶと失敗しやすいので注意しましょう




「夏場に強い馬」を探す
競走馬には「夏馬(なつうま)」と呼ばれる、気温が高い時期に調子を上げる個体が存在します。
夏馬は人間でいうところの「夏バテ」をしにくい体質を持っており、過去の戦績を遡ると、7月~8月の成績が極端に良いことが分かります。
反対に、寒さに強いが暑さに弱い馬も多いため、近走の成績ではなく夏競馬開催中の成績もチェックしておきましょう。
気温に強い馬の見極め方についてはいろいろありますが「血統」も1つの判断材料です。
夏競馬を攻略したいなら、過去の夏競馬の結果を血統から分析してみてはいかがでしょう。



迷信めいた傾向が出回っているので自身で検証や分析をして夏競馬を攻略しましょう
狙いやすいと感じたレースを厳選する
夏競馬は普段の競馬に比べて予想や分析が一段と難しくなっています。
そのため、馬選びや馬券の買い方に迷うケースが増えることもありますが、一定の確信があるレース以外は手を出してはいけません。
極端な言い方をすれば「夏競馬が開催中の間は1回も競馬投資をしない」という決断も競馬投資の観点から考えると有効です。
的中率を上げ、資産を増やすためには「自分の得意なパターン」に合致するレースを厳選しなければいけません。
難解なハンデ戦や荒れそうな予感がする新馬戦などは見送り、条件が揃ったレースにのみ資金を集中させてください。



勝負レースが1つもなくても「減らないよりマシ」という考えで挑みましょう
夏競馬を挑む時の注意点
最後に夏競馬に挑むにあたって注意すべきポイントを解説します。
特に競馬投資をするのなら、以下の点を意識して夏競馬を攻略してください。
夏競馬独自の分析・予測で挑む
夏競馬は、春に開催された競馬とは特徴や傾向が大きく違います。
そのため、春のGⅠ戦線の時と同じ感覚で予測や分析をして競馬に挑むと、ただ失敗するだけでなく何連敗もして資産を失いかねません。
例えば前走の着順が良いからといって、ローカルの特殊な馬場では通用しない可能性があります。
また過去のデータを用いる際も、直近の3ヶ月ではなく前年の夏の成績を優先して参照するなど、夏競馬に特化した分析手法に切り替える必要があります。
夏競馬に挑むなら、春に実践した方法をそのまま使うのではなく、夏競馬用にアレンジして分析や予想をしましょう。



夏競馬に入ったら一度ロジックや戦略をリセットしてから挑んでください
無理な穴馬狙いは避ける
夏競馬はコースの特性や出走する馬のレベル差などから、レースが荒れる可能性が高いです。
そのため、万馬券などあえて穴馬を狙う戦略で挑む人も多いですが、テキトーに買って当たるものではありません。
むしろ穴馬を狙おうにも候補が多すぎて春に比べて難易度が上がっていると感じる人もいるはず。
重要なのは「なぜこの人気薄が来るのか」という論理的な裏付けです。
展開が向いたり、ース適性が抜群であるといった明確な理由がない限り、無理な穴狙いは避けましょう。
本命党であっても、夏場は「堅実に勝てるレース」を選ぶ眼を養うことで、無駄な負けを減らすことができます。



ある程度堅実に選んでも配当が高くつきやすいのが夏競馬の特徴です
「馬券を買う」のハードルを少し下げる
夏競馬は秋のG1シーズンに向けた準備期間と捉えることも大切です。
もし予想が噛み合わず苦戦が続くようならば、購入金額を下げたり、観戦のみに切り替えたりする柔軟性を持ちましょう。
メンタルを崩して無理な勝負を挑むのが、競馬における最悪の負けパターンです。
多少の妥協は仕方がないものの、あまりにも迷いや不安が大きい時は、無理して勝負せず見送る決断をするよう心がけてください。
また、どうしても馬券を買いたいのであれば、普段よりも購入金額を減らすことで、失敗した時のダメージを減らすことができます。
資産を守りながら、チャンスが来た時だけ大きく勝負する冷静さを維持しましょう。



夏競馬は投資をせず遊びの競馬予想を楽しむ感覚でもいいかもしれません
まとめ
- 夏競馬はローカル開催がメインで荒れやすい
- 夏競馬とGⅠシーズンとの傾向には違いがある
- 荒れやすいからこそ独自の戦略で夏競馬を攻略する必要がある
- 難しいと感じたら夏競馬はすべて見送るのも戦略の1つ
ここまで夏競馬を攻略するための情報やポイントについて紹介しました。
夏競馬を攻略する鍵は、ローカル開催特有のコース形態と、暑さによる競走馬の体調変化を正しく読み解くことにあります。
有力馬が不在だからこそ、データに基づいたコース適性や「夏馬」の選定、そして前脚質の重視といった基本戦略が威力を発揮します。
夏の難しい競馬を「稼げるシーズン」にするためには、周囲の雰囲気に流されず、自分なりの分析軸を確立することが重要です。
今回ご紹介したポイントを日々の予想に反映させ、無理のない資金管理のもとで、夏競馬という難解なパズルを楽しんでください。











