馬券を買うのが好きな人も競馬で投資をしている人もあまり手を出さない印象の馬券種が枠連です。特に競馬初心者は枠連の的中範囲が分かりづらいので手が出しづらい・・・というのもあるかもしれません。
自分も今は複勝メインで買っていましたが昔は馬連も買っていました。しかし枠連を買った記憶はほとんどないし、少なくともお金を稼ぐ目的で枠連を買ったことはありません。
ただ枠連が「稼げない馬券か?」と言われると一概にそうとは言い切れません。枠連の特徴を理解し、メリットを最大限に活かす買い方をすれば利益が出ると思います。
例えば次のようなポイントを押さえておけば枠連で買えば利益が出せるのではないしょうか。
『枠連馬券』の特徴を理解する
長年馬券を買っている人であれば当然のように知っていますが意外と複雑な馬券種なため、枠連についての特徴はしっかり理解しておきましょう。特に「枠連ってどんな馬券?」というのを知っておかないと使えませんからね。
枠連とは枠番を2つ選んで投票する馬券です。JRAで枠連について次のように説明されています。
正式名称は、枠番号二連勝複式勝馬投票法。1着と2着になる馬の枠番号の組合せを的中させる投票法。組合せとして当たっていれば良く、1着と2着の着順は問わない。出走する馬が9頭以上の場合で発売する。なお、馬券の発売開始前に出走を取り消す馬が出て、出走する馬が8頭以下となった場合でも、2頭以上出走する枠がある場合は発売を行う。
引用:JRA 競馬用語辞典
要するに馬ではなく馬が入っている『枠』の番号でどの馬が来るか?を予想する馬券種が枠連です。また出走する馬の頭数に関係なく枠は8なのも大きな特徴の1つと言えるでしょう。
枠連と馬連との違い
枠連とよく比較されるのは馬連馬券です。1着、2着になる馬を順不同で予想する点はどちらの馬券も共通していますが「数字」の選び方が異なります。
競馬のレースは出走する競走馬に番号(馬番)が振り分けられますが、それとは別に枠番も振り分けられます。下記の出馬表で見ると一番左側の数字が「枠番」でその隣が「馬番」になっています。
引用:Netkeiba.Com
馬連を買う時は馬番を購入しますが枠連は枠番を見て馬券を購入します。つまり枠連の方が馬連に比べて的中範囲が広いのです。
同じ番号を組み合わせて買える(ゾロ目)
枠連では「ゾロ目」という買い方があります。例えば上記出馬表で
「1着に13番(7枠)ヴェロックス、2着に14番(7枠)ランフォザローゼスが来るな」
と予想した場合、同じ枠に入っている2頭を選んだことになりますよね?この時『7枠ゾロ目』という買い方をすると自分が予想した組み合わせが買えます。
つまりゾロ目とは同枠の2頭で1着、2着になると予想した時に使う買い方のこと。他の連対式馬券は馬番で選びますが1つの番号で2頭の馬が的中対象となる枠連ならではの買い方です。
枠連のメリット
的中条件が少し複雑なため手を出す人が少ない印象の枠連という馬券。確かに配当だけを比較すると馬連の方が良かったりするしきちんと馬の見極めができれば枠連で勝負する理由がほとんどないので使わない人が多いのかもしれません。
ただし枠連が全く使えない馬券か?というとそんなことはありません。枠連には枠連のメリットがあり、そのメリットを最大限活かす買い方をすればきちんと馬券を的中できます。
具体的に枠連のメリットは以下の3点です。枠連のメリットを理解すればレースによって使い分けられるのでぜひ理解してください。
予想していない馬が来ても的中する
枠番は出走馬の数に関係なく必ず8枠と固定されています。つまり出走頭数が多くなれば1枠に2~3頭入るということ。
そのため「この馬が来るだろう」と思って枠連を買っても、場合によっては同枠の違う馬が来ても的中となります。
例えば18頭立てのレースで『(馬番)1-5が来る』と予想した場合、枠連だと1-3という買い目になります。枠連で1-3は馬番に直すと
1-5、1-6
2-5、2-6
の馬連4点を買ったのと同じ状態になります。つまり自分が来ると予想した1-6が来なくても1-5,2-5,2-6が来ても的中となるのです。(ちなみに枠連は馬連と同様なので1着、2着まで当てる必要はありません。)
オッズの変動が少ない
枠連は数ある馬券種の中でも人気がない馬券種です。にわか競馬ファンが好んで買う馬券ではないため、レース出走時間ギリギリになって慌てて買われることも他の馬券種に比べたらそこまで多くはありません。
つまり出走前のオッズと着順が確定した払い戻しの差があまり大きく開きません。
的中馬券の払い戻しはレースが終わってから確定します。それまでオッズは変動するため、出走前のオッズと確定後の払い戻しである程度差が開くのも珍しくありません。
しかし枠連はそもそもの購入金額は他の馬券種に比べて多くありません。そのため出走前と順位確定のオッズ差が開きにくく、出走前のオッズを基準に予想や分析がしやすいのが特徴。
特にオッズ理論を中心に競馬を予想している人は枠連が最も予想しやすいのではないでしょうか。
出走頭数が多いほど買い目が少なくなる
先ほども言いましたが各レースの枠番は絶対に8で、それ以上もそれ以下もありません。出走頭数が9頭以上になれば外枠(枠番が大きい方)から順に2頭ずつ入れられ、18頭のレースになると7枠と8枠は3頭ずつ入ります。
つまり出走頭数が多くなればなるほど枠連1点当たりの的中範囲が広くなります。
特に馬連を中心に買っている人は枠番もチェックしてみてください。選んだ馬の枠が偏っていれば「これ枠連で買った方が買い目の点数減らせるのでは?」となり、的中範囲を維持しながら買い目を大幅に減らせる可能性がありますからね。
枠連で的中させる基本的な買い方
枠連の特徴やメリットから枠連で馬券を買う時のポイントが導き出されます。枠連は連対式馬券の中でワイドの次に的中範囲が広く、枠番も8番までしかないため買い目がある程度制限されます。
そのため枠連で勝負するなら「ボックス」がいいと思います。
ボックスは選んだ番号の全組み合わせを均一の金額で購入する買い方です。他の馬券種ではあまり推奨されていない買い方ですが枠連であればボックスで買った方がお得です。
例えば1枠、4枠、7枠、8枠でボックス買いでした場合、購入する馬券は以下の通りです。
【1-4】【1-7】【1-8】
【4-7】【4-8】
【7-8】
そして枠連は馬連4点分の的中率がありますから、枠連6点を買っただけで馬連24点分買ったことと同じ意味になります。ボックス買いを使った戦略については下記ページで紹介しているのでそちらも参考にどうぞ。
ボックスで買う時は「4枠以下」に抑えること
枠連のボックス買いは的中範囲も広く買い目も他の馬券種に比べて増えないため、枠連馬券を使うのであればおすすめです。ただしボックスでいくつも番号を選んでいいか?というわけではありません。
ボックス買いのデメリットは選ぶ番号が多ければ多いほど点数がどんどん増えていくこと。
例えば4枠ボックス買いなら6点で済みますが1枠増えると10点になります。さらに6枠にすると15頭、全枠ボックス買いすると28点も買う計算になります。
三連複であれば20点くらいは普通かもしれませんが的中範囲が広い枠連だと10点でも『買いすぎ』です。馬券を買いすぎるとトリガミになるリスクも高くなるのでボックスで買う時は最大でも4枠までに抑えましょう。
枠連ボックスでゾロ目は買えない
枠連のボックス買いで唯一と言っていいデメリットは『ゾロ目』が買えないことです。知らない人も多いかもしれませんがボックスで買う時に同じ番号を選べません。
ゾロ目も含めたボックスで買う場合はまずゾロ目以外の組み合わせをボックスで買い、ゾロ目分だけを個別で買うしかありません。またゾロ目も買う場合は買い目が多くならないよう買い目の点数は意識してください。
枠連を流しで買う戦略『軸馬総流し』
枠連で勝負するならボックス買いも戦略の1つとして有効です。ただ、軸馬が見つけやすいレースでわざわざボックス買いをする必要はありません。
もし軸馬がハッキリしているレースでも枠連を使いたいのであれば思い切って『総流し』するのもアリだと思います。
総流しとは軸馬との全組み合わせを流しで買うことを指します。例えば軸馬(枠)が1番だった場合
【1-1】【1-2】【1-3】【1-4】
【1-5】【1-6】【1-7】【1-8】
の組み合わせを全部買う・・・ということ。
本来軸馬総流しはあまり有効な方法ではありません。いくら軸馬がテッパンでも点数が多くなりがちなためトリガミになる可能性が高いからです。
しかし枠連で軸馬総流しをしても8点で済みます。「来ない組み合わせまで総流しで買う必要があるか?」と考える人もいるためこの手法に関しては賛否両論ありますが、点数の上限が低い枠連ならではの手法です。
軸馬総流しのメリット
軸馬総流しの最大のメリットは圧倒的に高い的中率です。なんせ軸馬が2着以内に入ってくれば100%的中となるため、実力が頭1つ飛び抜けている馬がいるレースを発見できればほぼ“勝ち確”と考えていいでしょう。
また最大8点で全頭をヒモ馬にできるのも魅力の1つです。「軸は決まったけどヒモ馬の決め手がない」というレースに使うといいかもしれません。
軸馬総流しのデメリット
逆にデメリットは配当次第ではトリガミになる可能性がある点です。必ず8点購入するため最低でも払い戻しで800円以上ないと実質負けとなりますからね。
また軸馬が2着以内に来なかったら買った馬券すべてが紙切れに変わります。つまり“いかに馬券に絡む可能性の高い軸馬を見極められるか?”がこの手法のキモだということです。
枠連で軸馬総流しをするのは「2着以内に来る馬を1頭見つける」の同じ発想です。つまり複勝1点買いするのとまったく同じ。
では枠連の軸馬総流しと複勝1点買いとどちらがいいか?
個人的には的中範囲は軸馬が3着に来ても的中となり、なおかつトリガミのリスクがない複勝1点買いの方がおすすめです。特に投資競馬(お金を稼ぐための競馬)をするのであれば枠連で軸馬総流しよりも複勝1点買いした方が正解と言えるでしょう。
「お金を稼ぐ」に特化した枠連の使い方
先ほど枠連を使った具体的な買い方として「ボックス」と「軸馬総流し」を紹介しました。他にもいろいろな方法があると思いますがこの2つを知っておけば枠連で勝負する際は大丈夫かと思います。
ただし、枠連を使って「お金を稼ぎたい」というのであれば、ただ買い方だけを知っていても意味がありません。
『馬券を当てる』のと『競馬でお金を稼ぐ』のは根本的な違いがあります。正直競馬でお金を稼ぎたいのであれば枠連という馬券種自体使うべきでないと思いますが、どうしても枠連でお金を稼ぎたい!と考えているのなら次のポイントは絶対に押さえてください。
オッズを比較して馬券種を使い分ける
枠連は的中範囲が広いため他の馬券種とオッズの比較ができます。特に馬連は予想の仕方が全く同じなので
「この組み合わせでオッズが高いのは枠連か?馬連か?」
を比較して買う馬券種を変えるのもいいでしょう。同じ組み合わせでも枠連と馬連とでオッズが違いますから配当が高い馬券で買った方が的中した時の利益も大きいですからね。
競馬で稼ぎたいのなら、あまり1つの馬券種にこだわる必要はありません。競馬で稼げない人ほどあれこれこだわりを強く持っている傾向がありますが“稼げないこだわり”を持っても結果はからないので柔軟な発想を持つよう意識してください。
他の馬券種との併用はしない
枠連は連対式馬券の中ではワイドの次に的中範囲が広い馬券です。そのため枠連と他の種類の馬券を組み合わせて買ってもそこまで旨味があるわけではありません。
例えば同じ組み合わせを枠連と馬連で買っても馬連が的中して枠連がはずれた・・・という現象はまず起こりません。
しかし併用してダブル的中すれば確かに利益を一気に上げられます。しかしどちらかが外れればトリガミになる可能性だってあるし、少なくとも回収率が下がってしまうので枠連で勝負する場合は“枠連オンリー”で勝負した方がいいでしょう。
損する可能性のあるレースには手を出さない
枠連に限った話ではないですが、競馬でお金をかせぎたいのであればきちんと『勝負するレース』を見極めるのが大切です。「このレースはどの馬が来るか分からない」というレースで勝負しても負ける可能性が極めて高いので“分からないレース”には絶対に手を出さないこと!
レース選びの重要性については下記ページで紹介しています。競馬でお金を稼ぎ痛いのであれば「馬券を買わない」という選択肢は常に持っておくように。
まとめ
枠連は的中範囲が広く買い目も天井が決まっているため的中させるだけならオススメの馬券だと思います。特に馬連で買っても一向に当たらない・・・という人はここで紹介した枠連の買い方を参考に一度枠連で取り組んでみるのもいいと思います。
そのためには枠連馬券の特徴や具体的な戦略をきちんと理解することが大切。テキトーに勝っても当たりませんからじっくり腰を据えて枠連の使い方を勉強してください。