競馬を予想するうえで多くの人が注目しているのが“一番人気の馬”ではないでしょうか。手堅く狙うにも穴を狙うにも一番人気の馬の実力が他の馬と比べてどうなのか?は大きなポイントになってきます。
つまり一番人気の馬の見極めが競馬予想においてもとても重要だということ。
一番人気の馬が強ければ軸にできますし、飛ぶ恐れがあるのならあえて穴馬で勝負・・・といった戦略が取れます。言い換えれば一番人気の強さを見誤ると外れ馬券を買わされる羽目になるのです。
では一番人気の馬をどのような方法で見極めればいいのか?ここでは一番人気の馬の活用法にフォーカスして解説していきます。
一番人気の馬の“タイプ”を把握する
一番人気の馬とは単勝オッズが一番低い馬を指します。つまり各レースで必ず一番人気の馬は存在しますし、各レースに一番人気は絶対に1頭しかいません。
しかしレースによって一番人気の“タイプ”が異なります。
そもそも一番人気の馬とは「この馬が1着になると思う」という馬券購入者の総合的な評価にすぎません。言い換えれば一番人気が必ずしも出走する馬の中で最も強い馬ではない・・・ということ。
つまり同じ一番人気でも
実力も認められて多くの人から「こいつが1着に来る」と思われている馬
もれば
何頭か候補がいる中でわずかな差で一番人気になった馬
もいる・・・ということ。各レースの一番人気がどんなタイプなのか?を把握するのが競馬を予想する基本と言えるでしょう。
極端な分け方とすると、一番人気には上記の2つのタイプに分けられます。具体例を挙げると「ディープインパクト」と「キズナ」がそれぞれいい例だと思います。
圧倒的な人気を獲得した一番人気タイプ
最も典型的なのはディープインパクトでしょう。2006年の有馬記念では単勝オッズが1.2倍になり、2番人気のドリームパスポートの単勝オッズ(12.4倍)と比較すると10倍以上も開いています。
ここまで一番人気に馬券が集中すると、単勝オッズのみならず一番人気が絡んだ馬券は軒並み低くなります。競馬を予想するうえでは一番人気を軸に据えれて考えればいいため無地かしいレースではない反面、的中しても配当が低いため“投資”という観点からいくとあまり旨味のないレースと言えるでしょう。
僅差で一番人気になったタイプ
1着に来る馬の予想が人によって分かれるレースは単勝オッズに反映されます。そのいい例が2015年の天皇賞(春)です。
単勝オッズ3.3倍で一番人気になっていますが2番人気のゴールドシップとのオッズ差は1.3。また4番人気のサウンズオブアースまで単勝オッズが1桁になっているのを見ると上位4頭で評価が分かれている・・・と推測できます。
基本的に圧倒的一番人気の馬がいるレースはごくまれで、1着予想候補の馬が何頭かいるレースの方がほとんどです。単勝オッズを比較したりするなどして一番人気の馬がどのくらい評価されているのか?をしっかり分析する必要があります。
単勝オッズで人気の信ぴょう性を計る
先述した通り一番人気とは各レースで一番単勝オッズが低い馬を指します。言い換えれば単勝オッズがいくつであっても同じレースに出走する馬の中でもっとも単勝オッズが引ければ“一番人気”になります。
そのため一番人気の単勝オッズは見極める材料としてとても重要です。
実際に一番人気の単勝オッズによって勝率・連対率・複勝率が変わってきます。JRA-VANでは2010年11月5日~2011年10月30日までの一番人気馬の勝率・連対率・回収率が単勝オッズごとに紹介されています。
オッズ | 単勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1.0~1.4 | 62.8% | 80.0% | 89.7% |
1.5~1.9 | 47.8% | 67.5% | 78.5% |
2.0~2.9 | 29.5% | 50.2% | 64.4% |
3.0~3.9 | 25.4% | 41.1% | 52.5% |
4.0~4.9 | 19.4% | 35.0% | 45.1% |
5.0~6.9 | 21.4% | 21.4% | 35.7% |
引用:JRA-VAN データde出~た『第543回 1,2番人気とオッズの関係を考える』
上記表を参考にすると一番人気の単勝オッズによってどの馬券で絡めるのがいいか?が把握できます。
例えば単勝オッズが2倍未満であれば馬連などの連対式馬券の軸馬として活用できます。反対に単勝オッズが4倍以上あると複勝率ですら50%を切るため一番人気が飛ぶ可能性も考えなければいけません。
さらにほかの競馬指標と組みわせて調べればさらに一番人気の信ぴょう性が増します。このように一番人気の単勝オッズを見るだけでも様々なことが分かるため、単勝馬券を買わなくても単勝オッズはチェックしましょう。
外れ馬券を買わない秘策は「複勝馬券」
単勝オッズを見れば一番人気の馬がどのくらいの可能性があるか?が把握できます。一番人気がしっかり馬券に絡んでくれるのか?が分かれば、あとは配当や的中する可能性を考えて『最も旨味がある馬券』を購入するだけです。
人によってメインで使っている馬券種は違います。ワイドで手堅く勝負する人もいれば三連単など高額配当が期待できる馬券で挑んでいる人もいるでしょう。
馬券種によって一番人気の活用法は異なります。ただ“外れ馬券を買わない”という観点で考えるのであれば最もおすすめなのは複勝馬券です。
複勝馬券は3着に入る馬を1頭予想して購入する馬券で、現在発売されている馬券の中でもっとも予想がしやすいです。そのため複勝1点買いで勝負しても馬の選び方やレース選定さえ間違えなければ的中する可能性が高いのが魅力です。
特に投資競馬をしようと考えている人は複勝で当てられる力を身に着けるところから始めてみてください。
複勝の的中率が80%を超えれば『高確率で3着以内に入ってくる馬を見つけられる』ことになります。つまりワイドや三連複といった他の馬券種にも応用できますし、掛け金を調整して効率よくお金を増やすことだってできます。
デメリットを挙げるなら一番人気の複勝オッズはあまり高くならない点です。
特に単勝オッズが1倍台だと複勝オッズは1.1-1.2とか1.3くらいにしかならないため払い戻しが期待できません。複勝馬券を使った馬券術でも一番人気の馬は活用できますので今まで競馬でお金を減らし続けてきた人は初心に戻って複勝からリスタートを切ってみてはいかがでしょう。
一番人気を複勝で買い続けるのはアリ?
先ほど外れを減らすためには複勝中心に予想をしましょう・・・と言いました。しかし『一番人気の馬を複勝で買う』と聞くと、競馬経験者であれば『複勝ころがし』をイメージされると思います。
複勝ころがしとは一番人気の馬を複勝で買い続けて利益を大きくしていく競馬手法のこと。払戻金を全額一番人気の複勝1点買いで買い続けるため、連勝すればするほど利益は膨らんでいきます。
複勝ころがしについては賛否両論ありますが、個人的にはあまり推奨はしていません。自分が勧めている“複勝主体の投資競馬”も決して複勝ころがしを指しているわけではないですしね。
複勝ころがしの特徴については下記ページで紹介しています。具体的なやり方だけでなくリスクやデメリットも話しているので参考にしてください。
一番人気の馬が飛ぶパターンを知っておく
一番人気の馬を見極めるうえで難しいのは一番人気が“飛ぶ”可能性がどのくらいあるか?です。
残念ながらどれだけ単勝オッズが低い一番人気でも飛ぶ時は飛びます。ただ、一番人気が飛ぶレースというのにはいくつか共通点があります。
一番人気が下記パターンに該当している場合、飛ぶリスクも考慮しておいた方がいいかもしれません。一番人気が飛ぶパターンとしては次の4つが挙げられます。
1.単勝オッズが高い
先ほどの表を見てもらった分かる通り、一番人気の単勝オッズが高くなればなるほど馬券に絡む可能性が低くなります。単勝オッズが4倍以上あると複勝率すら50%を切ってしまうため飛ぶ可能性は極めて高いと考えられます。
2.競馬場の状態が変わった
競馬は屋外で開催されるため、天候によって競馬場の状態(馬場)が変わります。この馬場の変化によって一番人気だった馬が4着以下に沈むことも珍しくありません。
馬場状態が悪くなると馬が本来の力を発揮しにくくなり、レースが荒れる可能性があります。特に馬場状態が悪い中で走ったことがない馬が一番人気だったときは注意した方がいいでしょう。
3.レース間隔が狭い馬
今まで一定間隔をあけて走っていた馬がいきなり間隔を詰めてレースに出走してきた場合は少し気を付けた方がいいと思います。間隔を詰めて出走した理由としては「調子がいいから」という見方をする人もいますが前走の疲れが抜け切れていないと本来のパフォーマンスを発揮できずに飛ぶ恐れがあるからです。
特に前走から中2週以内で出走してきた馬はたとえ一番人気であっても疑ってかかった方がいいでしょう。
4.若手騎手が騎乗している
騎手主体で競馬を予想している人からすると当然と思うかもしれませんが、一番人気に若手騎手が騎乗しているとその馬は飛ぶ可能性があります。なぜなら駆け引きが下手だったりベテランに気を使ってしまい、ポジションが取れなかったりするからです。
自分も馬を選ぶ時は騎手もチェックしています。一番人気に若手が乗っていたらその馬の評価は下げるので一番人気の馬には誰が乗っているか?も見ておくといいでしょう。
まとめ
一番人気の見極めは色んな競馬手法やロジックにおいて大きなポイントになっています。言い換えれば一番人気の見極めができないと外れ馬券ばかり買わされる羽目になり、競馬でお金が増えていきません。
正直、見極められるまで経験と勉強は必要です。だとしても投資競馬でお金を稼ぎたいのであれば必須の力なので、今からでも少しずつ一番人気を見極められる力を養っていってください。