三連単は販売されている馬券の中でもっともオッズが高くつきやすい反面、1点当たりの的中率が最も低いのが特徴です。
そのため三連単で的中させるためには多点買いが必須になってきます。しかし、三連単の多点買いにはいくつか種類があり、オッズやロジックにあわせて買い方を選択しなければいけません。
三連単マルチも三連単を多点買いする方法の1つです。
三連単マルチは、他の多点買いと違って少し複雑で、コツと競馬分析力が求められますが、上手に活用すれば、少ない点数で大きな払い戻しを狙えます。
三連単マルチの特徴や具体的な戦略について解説するので、三連単メインで馬券を買っているなら、ぜひ参考にしてください。
マルチ戦略は他の馬券術にも応用できるので覚えておいて損はないです。
三連単マルチとは?
三連単マルチとは選んだ馬の着順が違っていても的中するような買い方を指します。
例えば「1-2-3」の三連単を買った場合「2-1-3」の着順だと三連単はハズレとなります。
そこで「1-2-3」のマルチで購入すると「1-2-3」はもちろん「1-3-2」「2-1-3」「2-1-3」「3-1-2」「3-2-1」の合計6点を同時に買う事になります。
そのため、着順を間違えて不的中になった…という事態を防ぐことができます。
マルチとボックスとの違い
三連単マルチと三連単ボックスの違いは選ぶ馬が4頭以上になると買い目の数に差が生じます。
例えば「1-2-3」「1-2-4」のいずかで予想した場合、マルチで買った場合とボックスで買った場合とでは買い目の数は大きく変わります。
マルチで買った場合 | ボックスで買った場合 |
1-2-3 3-1-2 1-2-4 1-3-2 3-2-1 1-4-2 2-1-3 4-1-2 2-1-4 2-3-1 4-2-1 2-4-1 | 1-2-3 3-1-2 1-2-4 3-1-4 1-3-2 3-2-1 1-3-4 3-2-4 1-4-2 3-4-1 2-1-3 4-1-2 2-1-4 4-1-3 2-3-1 4-2-1 2-3-4 4-2-3 2-4-1 4-3-1 2-4-3 4-3-2 |
合計12点 | 合計22点 |
上の表から分かるように、ボックスで購入した時と比べてマルチで購入すると買い目を大きく抑えられます。
もちろん買い目が多いボックスの方が的中する確率は高いものの、組み合わせによっては当たる可能性がほぼゼロの馬券まで自動的に買ってしまうため、マルチの方がコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
マルチとフォーメーションとの違い
マルチは選んだ馬3頭の全ての組み合わせをまとめて買う方法に対して、フォーメーションは各着順に来る馬をそれぞれ予想して組み合わせる馬券の買い方です。
そのためより軸馬がハッキリしているレースほどフォーメーションの方が買い目を抑えた買い方ができます。
反対に軸馬候補が複数頭いて絞りきれないレースはマルチで買った方が的中範囲をしっかりカバーできます。
三連単フォーメーションについては別のページで解説しているので、そちらを参考にしてください。
三連単マルチのメリット
三連単マルチのメリットは軸馬がハッキリ定まっていなくても的中できる点です。
選んだ馬の三連単の組み合わせを一度に全て購入できるため、仮に軸馬が1着にならなくても3着以内に入ってくれれば的中となります。
しかもボックスに比べて買い目を少なくできるため、馬券の購入金額も抑えられます。
軸馬候補が複数いて1頭に絞り切れないレースや、荒れる可能性があるレースで三連単を使って勝負する時におすすめです。
三連単マルチのデメリット
三連単マルチのデメリットは、軸馬がハッキリしているレースで使うと余分な馬券まで買ってしまう点です。
「この馬は1着で間違いないだろう」というハッキリした馬がいる場合、マルチで買うと軸馬が2着や3着になったバージョンの組み合わせまで買ってしまうため、買い目の点数が増えてしまいます。
軸馬に対して「高い確率で1着、最悪でも2着までには入る」と予想しているならフォーメーションで買った方が買い目は抑えられます。
三連単マルチを使うか使わないかは「軸馬」の信ぴょう性によって判断すると、少ない買い目で三連単を的中させられます。
軸馬の見つけ方についてはこちらのページを参考にしてください。
三連単マルチの計算方法
三連単をマルチは選ぶ馬の頭数によって点数が変わってきます。
しかもマルチには「軸1頭マルチ」と「軸2頭マルチ」の2種類あり、同じ馬の頭数を選んでも買い目が大きく変わってきます。
三連単マルチの買い目の計算は式が複雑なため、早見表をチェックした方が早いです。
JRAの公式サイトに三連単マルチの点数早見表がありますので、そちらを参考にしながら買い目を調整してください。
出典:JRA
三連単マルチのおすすめは「2頭軸」
三連単マルチで競馬に挑むなら2頭軸がおすすめです。
2頭軸とは軸馬を三連単で選ぶ馬のうち2頭を固定にして、残りの1頭をヒモ馬として考える馬券戦略です。
2頭軸の三連単マルチは1頭軸マルチに比べて買い目も抑えられますし、三連単特有の高配当な払戻金も期待できます。
特に1番人気が馬券に絡むか怪しいレースでは、三連単の2頭軸マルチで勝負すると大きな利益を手にする可能性が増えます。
三連単を使った投資競馬戦略を考えるなら「1番人気をヒモ馬にした2頭軸マルチ」もアリかもしれませんよ。
三連単マルチ「1頭軸」をおすすめしない理由
1頭軸のマルチは2頭軸に比べて買い目の点数が多くなり、外れた時のリスクが大きくなるからです。
具体的に三連単を1頭軸マルチと2頭軸マルチで買った場合の買い目の点数は次のようになります。
選んだ馬の数 | 1頭軸マルチ | 2頭軸マルチ |
3頭 | 購入不可 | 6 |
4頭 | 6 | 12 |
5頭 | 18 | 18 |
6頭 | 36 | 24 |
7頭 | 60 | 30 |
選ぶ馬を5頭以下に抑えれば1頭軸マルチの方が買い目は少ないですが6頭以上選ぶことになると2頭軸マルチとの点数の差はどんどん開いていきます。
買い目が増えれば的中する可能性も上がりますが、同時に「トリガミ」になる確率も上がります。
そのため多点買いをする際は「いかに点数を抑えられるか?」がポイントとなってくるため、三連単マルチで挑むなら1頭軸での勝負はおすすめしません。
三連単マルチを極めれば競馬で稼げるのか?
最後に三連単マルチの実用性についてお話ししていきます。
結論から言いますと三連単で勝負するならマルチはおすすめしません。
三連単マルチとは選んだ馬の着順に関係なく的中する買い方ですが、これは三連複馬券1点買うのとまったく同じ的中条件だからです。
オッズの期待値だけを見ると三連単の方が高いですが、あくまでもそれは「1点買い」した時のもので、三連単の多点買いと三連複1点買いで比べると後者の方がリスクの面でもリターンの面でも優れています。
さらに「競馬で稼ぐ」という観点から考えると三連複もおすすめできません。
競馬で安定した利益を出したいなら、あらゆるリスクを考え、不要なリスクを取らない戦略が求められます。
三連単にせよ三連複にせよ、的中率を安定させるには「多点買い」が絶対条件ですが、多点買いをすれば「トリガミ」になるリスクが発生します。
またトリガミにならないよう合成オッズを計算して買い方を工夫しても、結局回収率は120~150%ほどで落ち着くことがほとんどです。
ならば、オッズ1.2~1.5倍の複勝馬券を買っても同じような利益が出ますよね?
事実、競馬で生計を立てている馬券成功者の多くは三連単などの難しい馬券種ではなく単勝や複勝と言ったシンプルな馬券種を使ってお金を稼いでいます。
競馬で安定した利益を出したいのなら、シンプルな馬券で稼げる力を身につけた方が結果に結びつきやすいですよ。
まとめ
- 三連単マルチとは選んだ馬の着順が違っていても的中するような買い方
- 三連単マルチは荒れそうなレースで使うのがおすすめ
- 三連単マルチで勝負するなら「2頭軸」で
- 三連単マルチは投資競馬には不向き
以上、三連単マルチについて解説しました。
三連単マルチは出走する馬の実力差やレースによって使い分けをすると、少ない買い目で的中できる三連単の買い方です。
ボックスとフォーメーションの中間のような特徴を持っているため、使いどころを間違えなければ大きな利益を手にできるでしょう。
とはいえ、やはり三連単ですからマルチを使っても的中させるのはかなり難しいです。
ここで紹介した三連単マルチの特徴をしっかり理解して、正しく活用してください。