競馬は買った馬券が的中すれば、買った金額とオッズの倍率によって賭けた金額以上のお金を手にすることができる“ギャンブル”です。
そうした競馬を“投資”として取り組み、お金を増やすことを投資競馬というのですが、こうした取り組みをしている人の多くは損をしています。
その理由は使用しているロジックや手法に問題があるかもしれませんが、最大の理由はそこではありません。
“投資”をしているといいながらギャンブル的な発想で競馬に取り組んでいるため、一時的に利益を得ることはあっても、最終的には必ず収支はマイナスになるでしょう。
しかしその一方で、競馬を投資として取り組み、見事にお金を増やすことに成功している人も中にはいます。
彼らは毎月数万円から多い人だと数百万円ものお金を競馬だけで作り出しており、競馬の配当だけで生活をしている人だって存在するのです。
では、同じ投資競馬をしていながら、まったく儲からない人とガッツリ儲けている人との違いはどこにあるのか?
それは、投資的な思考で取り組んでいるのか、それともギャンブル的な思考で取り組んでいるのかの違いではないかと考えています。
そこでここでは、競馬で儲からない人の原因になっている“ギャンブル的な思考”について詳しくお話ていきます。
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実は競馬は儲からない?
競馬は国に認可された公営ギャンブルであり、世間にあふれている娯楽の1つに過ぎません。
ですから、競馬を全くやらない人からすれば、競馬も、パチンコも、競艇や競輪も・・・すべて「ギャンブル」として一括りしているかもしれませんが、決してそれは間違った認識ではないのです。
そもそもギャンブルとは、金銭を賭けて偶然性の高い要素が含まれる勝負を行い、その勝負の結果によって賭けた金銭のやりとりを行うことを言います。
これを競馬に置き換えるのなら、出走するレースでどの馬が勝つか分からない状態からどの馬が勝つかを予想し、馬券を購入する。
そして、予想した馬が勝った時、掛け金とオッズに応じた払戻金を受け取れるというものです。
また広い意味で、ハイリスク・ハイリターンな投資取引もギャンブルに含まれる場合があります。
そして、基本的に「ギャンブルは儲からない」と言われています。
その理由は大きく分けて3つあります。
1:リスクが見えてない
ギャンブルは、手持ちのお金を賭けることで初めて成立し、的中すればお金が増え、外れればお金を失うことになります。
すると、ギャンブルをしているほぼ全員に
「お金を失いたくない」
という金銭欲が生まれるのです。
分かりやすく言うと、仮に1回目のギャンブルで外してしまった場合、賭けたお金を取り返そうと再びギャンブルに手を出します。
しかし、競馬も含めて多くのギャンブルは的中する確率よりも不的中になる確率のほうが高くなっているのです。
競馬でも16頭立てのレースの場合、単勝が的中する可能性は1/16、最も的中しやすい複勝ですら3/16と50%もないのですから。
こうした冷静になれば分かるような確率が、手持ちのお金を賭けることによって頭の中から抜け落ちてしまい、「外れるかもしれない」という考えが及ばなくなってしまうのです。
ギャンブルをする人の中に「的中してお金が増えたら・・・」という妄想はしても「外れてお金を失ったらどうしよう」という不安を抱いている人はあまりいません。
だから、結果的に儲からないのです。
2:冷静な判断ができない
ギャンブルには必ず当たる可能性と外れる可能性の2種類が存在します。
どちらの確率が高いかはギャンブルの種類によっても異なるのですが、当たる可能性が1%でもある以上、ギャンブルをしてお金が増える可能性を秘めているわけです。
そして的中してお金を増やすことに成功した・・・しかしそんな人でも最終的には損をしてしまうことが珍しくありません。
その理由は「もっとお金を増やしたい」という欲がでてくるからです。
もともとギャンブルを娯楽として楽しんでいる人の割合はあまり多くなく、多くの人が“お金を増やすため”に取り組んでいます。
ですから、1回的中したら「もし次も当たったら・・・」なんて考えが頭に浮かびあがり、再びギャンブルにお金をつぎ込んでしまうのです。
しかし、先述したようにほとんどのギャンブルは的中する確率よりも不的中になる確率のほうが高く設定されているため、連続して取り組めば取り組むほど負ける確率はどんどん高くなる。
そして、負ければ今度は「負けた分を取り返さないと」という欲が出てきて損をする。
こうしたスパイラルに陥ってしまうため、ギャンブルは勝っても負けても結果的に儲からないと言われているのです。
3:テラ銭を取られる
ギャンブルは、掛け金と倍率に応じてお金が増えると思われがちですが、実は払戻金の一部は主催者側に支払っているケースがあります。
競馬でも、馬券が的中した際に払戻金の一部が運営側(JRA)に支払われており、そのお金でJRAは競馬を運営しているのです。
こうしたお金を俗に「テラ銭」と呼ぶのですが、実はこのテラ銭の存在があることで、結果的に参加者の的中利益に大きな損失を出しているのです。
例えば、競馬参加者100人が各自100万円を全額賭けた場合、そのレースには1億円が賭けられたことになります。
当然、その中で的中した人とそうでない人が出るわけですが、賭けている人がその100人しかいないのであれば、100人の合計金額は1億円で変わらないはず。
しかしここでテラ銭が発生し、払戻金から差し引かれるため、100人の合計金額は1億円を下回る計算になります。
テラ銭の割合(控除率と呼びます)は25%ですから、1回目のレースでJRAに2500万円を支払うことになる。
そして、2レース目以降も同様の条件で馬券を買った場合、12レース目終了後には100人の合計金額は1億円から317万円になり、残りはすべてJRAに支払うことになるのです。
こうした、払戻金から強制的に支払われる「テラ銭」があることもギャンブルをしていては儲からない理由に挙げられます。
儲からない競馬で利益を出している人々
上で挙げたように、競馬は基本的にギャンブルであり、普通に取り組んでいるだけではまず間違いなく儲からないようになっています。
そのため、競馬をしている95%の人は収支がマイナスかもしくはトントンといわれており、競馬で稼げてないといわれているのです。
しかし、残りの5%の人は競馬でお金を増やすことに成功しています。
月に数万円なのかそれとも数百万円なのかは人によって違いますが、馬券を買って利益を出していることに違いはありません。
なぜ“ギャンブル”である競馬でお金を稼ぐことができているのか?
それは、先ほどあげた儲からない理由をすべて排除した『投資の姿勢』で競馬に取り組んでいるからです。
『投資の姿勢』とは次のようなことを考えたり行動したりすることを言います。
1:外れた時のことを考えて動く
馬券を買う以上的中する可能性と外れる可能性があることは先ほどお話ししましたが、競馬で稼ぐ人達は両方の可能性を想定した行動をとっています。
馬券を購入し、その馬券が的中したのであれば、さらに利益を上乗せするのか、それとももうここで引くのかをすでに馬券を買った時点で決めています。
また外れてしまった時も、その損失をどこで取り返すかをあらかじめ決めてあるため、焦ったりむきにならずに損失を取り返すことができる。
このように、的中した時だけでなく外れてしまった時の行動も事前に考えて行動に移しているからこそ、損失を最小限に抑え、利益を確実に残しているのです。
2:利益が出たら即撤退
競馬で儲からない人の多くは、その日の目標利益を決めずに競馬に取り組むため、その日のレースがなくなるまで馬券を買おうとします。
確かに馬券を買わないと的中しないですし、お金が増えないのですが基本的に競馬は的中する可能性よりも外れるの可能性のが高いため、馬券を買い続けていれば必ずどこかで不的中になります。
そうなれば、せっかく的中して増やしたお金がゼロになってしまう・・・もしかしたら結果的にマイナスになることだって珍しくありません。
それに比べて競馬で稼ぐ人達は1日の目標利益をしっかり立て、その金額を稼いだらさっさとやめてしまい、これ以上損失がでるのを防いでいます。
だから、増えたお金が減ることもなく、手元に残っていくのです。
3:的中しやすいレースしか勝負しない
「競馬で儲けている人達が実践している「対象レース」の選び方」でも話しているように、競馬は的中しやすいレースとそうでないレースの2種類があります。
この2つのレースの違いについては使っている手法やロジックに異なるため、具体的な見分け方はお話しできませんが、競馬で稼ぐ人は必ず“的中しやすいレース”にしか手を出しません。
もちろんそれで不的中になることもありますが、少なくとも当たるかどうか微妙なレースに手を出してムダなお金を失うような行動はとりません。
逆に競馬で儲からない人ほど、ロジックや手法の力を過信して手あたり次第馬券を買ってしまうため、結果的に収支がマイナスになってしまう。
競馬で稼ぎたいのであれば、手法やロジックがしっかりと使える“レース選び”を慎重に行いましょう。
単勝や複勝を使わないと競馬は儲からない
投資競馬において最も重要なのは「いくら稼げるか」よりも「どのくらい的中するか」であり、それは普段使っている馬券種によっても変わってきます。
「競馬を使って投資をする時の基本的な買い方と馬券種の選び方」でも紹介していますが、競馬で投資をするには3つの条件に合った馬券種を選ぶのがベストな選択だと思います。
その中でも、投資競馬に向いている馬券種はやはり「単勝」と「複勝」です。
この2つの馬券種の特徴は、予想する馬を1頭しか選ぶ必要がない・・・というところであり、ほかの馬券種に比べて予想がしやすいことが挙げられます。
しかし「単勝や複勝では儲からない」と考えている人も決して少なくありません。
確かに単勝や複勝はほかの馬券種に比べてオッズが比較的低く、万馬券が出る可能性も限りなくゼロに近いです。
そのため、多くの人は馬連や三連単や三連複の多点買いを中心に買っているようですが、実は結果的に単勝や複勝を買ったほうが簡単に利益を出せることに気づいていません。
その根拠は「合成オッズ」にあります。
「多点買いする際に知っておくべき合成オッズの計算方法と賢い使い方」で詳しく説明しているように、いくら多点買いをしても合成オッズが2倍台だった場合、単純な的中率だけで考えたら複勝1点のほうがはるかに高くなります。
例えば、16頭立てのレースで三連単100点買った場合の的中確率は100/3360で数字に直すと2.97%。
対して、複勝1点買いで的中する確率は3/16で数字に直すと18.75%。
点数は100倍違うのに、確率は複勝の1/6しかないのです。
もちろん、1回的中した時にもらえる金額は三連単のほうがはるかに多いですが、それは単純に複勝1点買いの金額を引き上げれば済むだけの話。
競馬で儲からな人ほど、払戻金の多さに目がくらんでより高オッズがつきやすい馬券種を選びがちですが、競馬で稼ぐ人の多くはそういった的中率が低い馬券種に手を出すことはありません。
むしろ、オッズが低くても的中する可能性が極めて高い単勝や複勝で勝負し、それらできちんと的中する手法を駆使することによって、安定した的中率と回収率で競馬ができるようになるのです。
「儲からない」から脱却する唯一の方法
これまでお話ししてきたように、多くの人は「投資競馬」と言いながらやっていることはギャンブルとあまり変わりない方法で取り組んでいます。
その証拠に、競馬をしている95%の人が利益を出すことができていないのですから。
中には馬券を買うことを娯楽と考えており、外れても「まあ、いっか」で済ませてしまう人もいることでしょう。
しかし、本気で競馬でお金を稼ぎたいのなら、儲からない競馬をいつまでも続けていては未来はありません。
競馬で利益を増やしたいのであれば、どの馬が来るかを予想する力を磨くのはもちろんですが、投資するお金と入ってくるお金のバランスも考えて取り組む必要があり、そこを無視している限り、競馬では儲かることはないでしょう。
つまり“ギャンブル”をしている限り競馬では儲からない・・・ということ。
どの馬が来るかも大事ですが
どの馬券種がもっとも的中と回収のバランスが取れているのか?
どのレースで勝負すれば馬券が的中する可能性が高いのか?
などといった馬券種とレース選びにも意識するよう心掛けてください。
それこそが“投資”として競馬に取り組むということなのですから。
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