競馬のレースは1会場当たり12レース開催されます。とはいっても同じレースが12回開催されるわけではなく、各レースによって種類や特徴があります。
実はレースの種類によって稼ぎやすいレースとそうでないレースがあります。もちろん馬券種やロジックによって稼ぎやすいレースにピックアップされるレースは異なりますが、レースの種類によって勝負すべきか?を考えるのはアリだと思います。
もしかすると競馬のレースについてよく知らない人もいるかもしれないので競馬の各レースの種類の特徴をおさらいするとともに「どのレースはどんな馬券がおすすめか?」についてもお話ししていきます。
中央競馬におけるレースの種類
自分は基本中央競馬(毎週土日開催される競馬)をメインに取り組んでおり、地方競馬はほとんどやりません。そのためここで紹介するレースの種類は中央競馬に限った話なのであらかじめご理解を。
冒頭でも言いましたが、中央競馬のレースは1会場あたり1日12レース開催されます。そして各レースにはそれぞれ出走できる条件があり、レースの種類によって出走条件が異なります。
その1つが「クラス」と呼ばれるもの。
クラスとは馬の年齢や収得賞金の額によってレースを分ける基準のこと。JRAでは各レースを9つのクラスに分類しています。
レースのクラスは上位からGⅠ、GⅡ、GⅢ、リステッド、オープン特別、1600万円以下、1000万円以下、500万円以下、新馬・未勝利までのレースがあり、馬の年齢と収得賞金の額によってクラス(=条件)は分けられています。基本的には、ひとつ勝つごとに上のクラスヘステップアップする仕組みです。また、重賞レース(グレードレース)の2着でも収得賞金が加算されて昇級することがあります。
ただし『馬券を買う』という観点から見た場合、9つのレースの特徴すべてを把握する必要はありません。最低限5つのレースの特徴を把握すればレース選択で失敗することはないと思うので、まずは5つの区分けで各レースの特徴を理解するといいでしょう。
新馬戦
新馬戦とは競走馬としてデビューする馬のみが出走できるレースで、毎年日本ダービーの翌週から翌年の3月ごろまで開催されます。
どんな競走馬でもデビュー戦は必ず新馬戦に出走しなければならず、この新馬戦で勝利した馬はオープンクラスに分類され、できなかった(1着になれなかった)馬は、未勝利クラスに分類されます。
未勝利戦
新馬戦で勝利できなかった馬が分類されるクラスで、3歳11ヶ月になるまでに未勝利戦で勝利しないと条件戦に出走しなければならなくなります。
未勝利戦は主に午前中に開催されることが多く、賞金も新馬戦に比べて低く設定されているのが特徴です。
〇〇〇万円以下
未勝利戦で勝利したり収得賞金を獲得した馬が分類されるランクで、収得賞金によって「500万以下」「1000万以下」「1600万以下」の3つに分類されます。
もちろん各クラスによって賞金は異なりますし、下のクラスにレースに出走することはできません。
また、取得賞金が1600万円以上になると「オープン」クラスに入ります。
オープン
オープンとは中央競馬の特別競走の中で出走条件に獲得賞金に関連する上限に関する条件がない競争のことを指します。
特別競走の多くは10レースもしくは11レースに出走するものが多く、また日曜日にはWIN5の対象となるレースがほとんどで、条件次第ではGⅠレースなどの重賞にも出走できます。
障害競走
障害競走は開催されるレースの中でもかなり特殊で、コースの中に設置された障害物を飛び越えてゴールを目指すレースのことを指します。
ただし、全ての競馬場で障害競走が行われるわけではなく、北海道にある2つの競馬場(札幌、函館)では障害競走は行われません。
障害競走の出走できる競走馬は、平地競争と同様にサラブレッドに限定されており、もともと平地競争から転向して障害競走馬になったケースがほとんどです。
また、平地競争と同じように障害競走にもグレード(G)があり、4月に行われる中山グランドジャンプや、12月に行われる中山大障害の2つが障害競走におけるGⅠレースと位置づけられています。
この障害競走は1日1回必ず行われ、クラスも「未勝利」と「オープン」の2つのみで、未勝利の場合は3000m以下で、オープンの場合は小倉と新潟で行われる障害競走以外は3000m以上となっています。
競馬で稼ぎやすいレースの種類は?
どのレースにどんな馬が出走するか?はレースの種類を見れば分かります。
例えば新馬戦であれば1回も出走したことがない競走馬しか出てきません。またGⅠレースなどの重賞は注目度が高いため馬券が買われやすい特徴があります。
このように、出走する馬だけでなく注目度や馬券を買う人の特徴などを加味したうえで「どのレースが的中しやすいか?」を判断します。基本的にレースは同じ時間帯に似たようなクラスのレースが開催されるため、時間軸で狙いどころを決めるのもアリでしょう。
時間軸をベースにレースを選ぶ際のポイントは下記ページで紹介しています。
具体的に購入する馬券種によって「狙い目のレースの種類」は変わってきます。例えば次のように区分けしてレースを選ぶだけでも不的中になる可能性を抑えられるでしょう。
単勝、複勝、ワイド馬券なら「未勝利戦」
自分は主に複勝1点買いで購入しているのですが、狙い目のレースになりやすいのが未勝利戦です。その理由は馬券を買う人の属性にあります。
未勝利戦は午前中から午後にかけて開催されます。その日のメインレースは決まって15時半以降に出走するため午前中に馬券を買う人はガチンコで競馬が好きな人か、自分のようにお金を稼ぐために競馬をしている人がほとんどです。
つまり“にわか競馬ファン”が少ないため馬の強さや評価がオッズに反映されやすく、割と堅いレースが多いのです。
もちろん未勝利戦以外にも条件戦(1600万円以下、1000万円以下、500万円以下)でもOK。反対にオープン戦はオッズと実力が乖離しやすいので手を出すのは控えた方がいいでしょう。
ただし、未勝利戦ならなんでもOKというわけではありません。出走する馬の組み合わせ次第では実力が拮抗してどの馬が来るか予想しにくいレースもあります。
「未勝利戦だから」とすぐに飛びつくのではなく、その中でも“勝ちやすいレース”を厳選して挑んでください。レース選びのコツについては下記ページで紹介しています。
三連複、三連単なら「最終レース」
あまり自分はワイド以外の連対式馬券を購入しないのですが連対式馬券で勝負したい人は最終レースに的を絞ってみてもいいかもしれません。なぜなら最終レースは“荒れやすいレース”だからです。
最終レースの特徴はその日競馬で負けた人達が「負けた分を一気に取り返したい!」という気持ちで挑んでいる人が少なくありません。そのため、払い戻しありきで高額配当が期待できる馬券に買いが集中し、実力がある馬が下位人気に追いやられるケースがしばしばみられるからです。
三連単や三連複で勝負する場合、ガチガチのレースだと馬券の旨味がそこまで感じられません。そのため、あえて荒れるレースに手を出して一気に利益を上げるのも戦略の1つなので三連単や三連複で買っている人は最終レースに照準を当ててみてはいかがでしょう。
「投資競馬」の点から三連単や三連複はNG
三連単や三連複で勝負するなら最終レースはおすすめ・・・と言いましたが、そもそも三連単や三連複を使ってお金を稼ぐ競馬(投資競馬)をするのは正直おすすめしません。なぜなら三連単や三連複は“多点買い”が絶対条件だからです。
多点買いをすれば確かに三連単や三連複でも的中する可能性は上がります。しかし、配当次第ではトリガミになる危険性があるうえに、的中条件が難しいため多点買いしてもなかなか当たらないからです。
自分が複勝1点買いで勝負しているのはそこにあります。複勝1点買いであれば配当は決して高くないものの、的中させるのもそこまで難しくありませんし1点買いですから的中すれば100%利益が生まれます。
遊びで買う分には一向にかまいませんが『競馬でお金を稼ぐ』というのであれば三連単や三連複といった多点買い前提の馬券ではなく複勝から始めるのを強くお勧めします。
“稼ぐ”目的で手を出してはいけないレース
先ほど馬券種別のお勧めのレースの種類を紹介しましたが、逆に「あえて手を出さないレース」もあります。特に自分の場合は
新馬戦
障害レース
グレードレース(GⅠなど)
は投資レースの対象として最初から除外しています。
新馬戦をおすすめしない理由
新馬戦に出走するレースはその日がデビューレースであり過去の実績が全くありません。つまり他のレースに比べてその馬の実力を測る要素が圧倒的に少ないのです。
例えば
- 出走するレース距離が適正なのか?
- 芝が得意か?ダートが得意か?
- 得意なレース展開や不得意なレース展開
- 騎手との相性
・・・などが新馬戦に出走する馬は分かりません。
そうなると一部の数値(対戦型のデータマイニングなど)の算出ができないため、的中馬券を予想する材料が他のレースに比べて少なくなります。
もちろんそれ以外の数値を活用したり血統を使って予想したりすることはできますが。だとしても1度のレースに出走したことがない以上他のレースに比べて波乱が起こる可能性が高いため、新馬戦の馬券は買わない方がいいでしょう。
障害競走をおすすめしない理由
障害競走は平地競争と異なりコースに障害物が置いてあり、それらを飛び越えてゴールを目指すことになります。つまり平地競争に比べて落馬などの可能性が格段に高い・・・ということ。
平地競争でさえあらゆるトラブルで落馬だったり故障だったりなどで上位人気の馬がいきなり止まってしまう可能性があるのですから、障害競走になるとさらにその可能性は高くなるため予想した馬がゴールできなくなる危険性が大きいわけです。
これは予想の的中・不的中以外のところであり、競馬を買うものとしてはどうすることもできないアクシデントですから避けることはほぼ不可能。こうした理由から障害競走を投資対象にすることをお勧めしません。
グレードレース(GⅠなど)をおすすめしない理由
グレードレースとは日本ダービーや有馬記念と言ったGⅠレースをはじめGⅡやGⅢといったいわゆる重賞レースのことを指し、主に日曜の11レースに出走するレースを言います。
このグレードレースの最大の特徴は根っからの競馬ファンや競馬で生計を立てている人のみならずにわかファンや初心者の人も馬券を買っているという点。
実はこれが投資競馬に向かない理由にもなります。
例えば未勝利戦などは競走馬の力がある程度離れていることがあるため、特定のロジックや分析ノウハウを駆使すれば高い確率で的中馬券を見極めることができます。しかしオープンクラス、しかもGⅠレースに出走する馬の実力差は人気ほど離れていないことが多く、同じロジックを用いても的中率が下がることが多分にあります。
さらに人気と実力がある馬が出走する場合、その馬に馬券が集中するので自然とオッズが下がるため的中しても大した配当がつきません。
競馬ファンの中には重賞しか馬券を買わない人や的中度外視で好きな競走馬に賭ける人もいるため、特にオッズを使って予想する人にとってはロジック通りにいかない可能性が高くなります。単純に競馬を楽しむならまだしもお金を稼ぐ目的でグレードレースをするのは止めたほうがいいでしょう。
“サイン競馬”をするならGⅠレースはおすすめ
投資競馬をするのであれば重賞レースで馬券を買うのは控えた方がいいでしょう。ただし単純に「当たった!」「外れた~!」を楽しむために買うのであれば問題ありません。
特に“サイン競馬”をしている人はGⅠレースなど注目度が高いレースの方が情報やネタが多いので楽しく予想ができます。自分もGⅠレースはサイン予想して遊んでいるのでちょっとした気晴らしや余った小銭で遊ぶならサイン予想をしてみてはいかがでしょう。
まとめ
競馬のレースは種類によって色々な特徴があります。この特徴は投資競馬において重要な判断材料になりえますので、レース選びの参考にしてもらえばと思います。
レースの種類で特徴を把握できれば、瞬時に“投資できる可能性があるレース”と“投資に向かないレース”を区分けできるようになります。そうすれば分析や予想にかける時間を短縮でき、スムーズに投資競馬が行えるのでここで紹介したレースの種類や特徴はぜひ理解しておいてください。