競馬の予想方法の1つにサイン競馬というものがあります。
本来競馬を予想する際には、オッズ・データマイニング・コンピ指数などといった数値や、馬柱から過去の戦歴や騎乗する騎手の成績などを加味したうえで予想します。
それに対してサイン競馬を使った予想は、こうした数値や過去の実績を一切使わずに予想する方法を指します。
そのため、数値や過去の実績からは導き出せないような馬券の選び方をするため、的中すれば万馬券になることも珍しくありません。
とはいえ、サイン競馬で予想する際にもいくつかの法則やパターンがあり、それに従って予想する必要があります。
そこでここでは、サイン競馬で予想する際のコツについてお話しします。
特にGⅠレースでは、オッズなどの数値を使って予想するよりもサイン競馬で予想したほうが的中しやすい場合があるので、メインレースを予想する際に活用してみてください。
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サイン競馬とはどんな予想法なのか?
サイン競馬を使って予想するコツをお話しする前に、サイン競馬がどういったものかを説明します。
サイン競馬とは、JRAが発信している競馬に関する情報(広告チラシや画像など)やその時起こった旬な出来事などを基にして馬券を選ぶ予想方法です。
特にメインレースでどの馬を買うかを選ぶ時に使われるもので、「メインレースの多くではレース前から既に勝ち馬や勝利する騎手が決まっており、特定の者に主催者または競馬の神様がサインを出して教えている」という発想の下で予想を行っています。
そのため、理論的には何のつながりもなく、理系的な発想の人には若干理解に苦しむかもしれませんが、それで万馬券を的中させている人も少なくなく、特に穴馬狙いの人が用いる手法とも言われています。
またそれ以外にも、人気馬を本命視する根拠の補強として使っている人も少なくありません。
このサイン競馬は、競馬評論家の高本公夫さんが予想コラムなどを通じて広めたことから「タカモト式」と呼ばれており、高本さんによって最近競馬が広められたとも言われています。
ただ実際に高本さんが著した「サイン競馬」とは、競馬場の内外で情報収集を徹底的に繰り返し、馬主経済・厩舎人脈・競馬主催者の集客戦略から競走馬の生理面に至るまでさまざまな要素のレース予想における必然性を理路整然と唱えたもので、世間が認知しているものとは少しズレがあります。
オッズや過去の戦歴などから統計的に分析して確率論で予想するのではなく、あくまでも「どの馬が来るか」をピンポイントで予想する競馬手法のため、理系的な発想をする人にとっては理解で難しいかんもしれません。
そういう意味では、賛否がハッキリ別れる競馬手法の1つといえるでしょう。
サイン競馬が最も活用できるのは『有馬記念』
サイン競馬は基本的に全レースで使うことができます。
ただ、各レースによってサインが出されている量や質が異なり、より注目されるレースほどサインが反映されやすいと言われています。
特にサインが結果に反映されるレースが毎年年末に開催されるGⅠレース『有馬記念』です。
有馬記念は、中央競馬における1年の総決算ということもあり、その年の世相を反映したサイン予想がスポーツ誌をにぎわせることも珍しくありません。
そのため、普段からサイン競馬をしない人でも有馬記念だけはサインを使って予想する人が増えます。
2010年を例にすると、南アフリカで開催された『サッカーW杯ベスト16』があります。
この時注目されたのは当時アルゼンチンの監督を務めていたマラドーナ。
彼の愛称は「ベルーサ」なため、ベルーサが来る・・・というサインが来ると予想した人も多いでしょう。
また、サッカーW杯以外で2010年の出来事とは
・龍馬伝
・メキシコ湾原油流出
・ヨンビョン島砲撃
・普天間基地移転問題
・尖閣諸島問題
・ラニーニャ現象(猛暑)
・千葉ロッテマリーンズ日本一
・円高による海外旅行者増加
・上海万博
・市川海老蔵の意味不明な事件
などがありました。
これらの出来事で共通なのが「海」で、この海に関するワードが入っている馬がメイショウベルーガでした。
ベルーガとは、ベルーガとは、カスピ海産のチョウザメのことで、その卵がキャビアになりますし、動物学ではベルーガをシロイルカとも言われています。
この年の有馬記念は、ローズキングダムが出走取り消しになったことから、大方の予想はブエナビスタ・・・と考えた人がほとんどでしょう。
ではヒモ馬はどれなのか?と言った際に、こうしたサインを用いた人も多かったでしょう。
この例で言えば軸馬をブエナビスタにして、ヒモ馬としてベルーサとメイショウベルーガで連帯馬券を買う・・・といったところでしょう。
もちろん、こうしたサイン競馬が必ず的中するわけではありませんし、実際に2010年の有馬記念もブエナビスタは残念ながら2着になってしまいました。
ただ、サイン競馬がどういったものかを理解してもらうには非常に分かりやすいレースとして例に使いました。
もちろん有馬記念以外のGⅠレースでもこうしたサイン予想を使うことができますし、GⅠレース以外のメインレースをサイン競馬で予想している人も多いです。
このように、サイン競馬で予想をする時は時事ネタを絡めてどの馬が来るかを判断するため、競馬の知識よりも話題となっているニュースに精通している人のほうが材料を拾いやすい傾向にあります。
サイン競馬を使って予想するためのコツ
サイン競馬はオッズなどの数値を使って予想するものではないですし、サインの出どころもその時々によって異なります。
そのため、「○○すれば的中できる」といった具体的な予想法はサイン競馬にはありません。
また、サインもその時々の時事ネタによって変わってきます。
例えば、同じレースでもある人は芸能人の結婚からサインを読み取るでしょうし、違う人は政治や社会の出来事からサインが発信されたと考えたりします。
では、その発信されたサインを競馬にどのように活かせばいいのか?
ここでは、サイン競馬の予想で最も大切な“サインを使ってくる馬を見つけるコツ”について具体的にお話します。
まず前提としてサイン競馬の「サイン」は誰でも分かるようなサインが表示されているわけではありませんし、そもそもどこからサインが発信されているのかも分かりません。
JRAから出されている広告から拾う人もいれば、最近世間をにぎわせたニュースなどからサインを拾う人もおり、どこからどんなサインを見つけるかはその人次第です。
ただ、いろいろなとこから拾ってきたサインを競馬にどう活かすのかについてはある程度パターンが決まっています。
人によって多少違いはありますが、大きく分ければ次の2つを押さえておくといいでしょう。
1:馬や騎手の名前に注目
サインの中でもっとも組み込まれやすいのが、馬の名前や騎手の名前に関連するものです。
例えば、国政選挙などがある日曜日などでは「トーセン」という名前がついた馬が勝つと言われていたり、有名な政治家(総理大臣や党のトップの人など)の名前と同じ苗字だったり同じ漢字を用いている騎手が乗っている馬が勝つ・・・などと言われています。
もちろん選挙以外にも、結婚もしくは離婚した芸能人の名前やあだ名、スポーツで偉業を達成した人(またはチーム)の名前などを連想させるワードを“サイン”として競馬予想に使うことがあります。
2:馬番や枠番などの数字をチェック
人や出来事には名前以外にも連想できる「数字」があります。
例えば、東日本大震災は発生した日から【311】という数字が出てきますし、巨人の長嶋茂雄終身名誉監督は背番号から【3】という数字が連想できるはず。
こうした、人や出来事にはそれにまつわる数字が必ず存在し、その数字がサインとして競馬予想に使われることがあるのです。
そして、サインとして表れた数字の多くは馬番もしくは枠番に関連付けられる傾向があり、これによってどの馬が来るかを予想するのもサイン競馬の1つと言われています。
ただ、数字が全て馬番や枠番になるわけではなく、たまに馬や騎手の名前に入っている数字に紐付けられることもありますので注意が必要です。
サイン競馬で稼ぐことはできるのか?
サイン競馬とはこのように、一種の語呂合わせのような感覚で世相とレースを関連付け、どの馬が勝つかを予想する手法です。
そうすることによって、オッズや新聞に掲載されている競馬予想にはない全く別の視点から予想することができるため、数字や統計に従って馬券を買うよりも比較的オッズが高くなり、万馬券を的中させることも珍しくありません。
しかも買い目は特定の馬をピンポイントで狙うため、三連単で勝負するにしても何十点と買うことはほとんどありません。
しかし、“サイン”という数字に比べたら曖昧なものを活用して予想をするため、同じサイン競馬の手法を用いても人によって全く違う馬券を買うことも少なくありません。
なぜなら、どこにサインがあるかを探して見つけ出すために、各々の感覚を使っている部分があり、サインを探している場所、見ている部分、さらには情報から取り出したサインそのものにも、違いが生じてしまうからです。
つまり、10人いたら同じレースでも10人とも違う競馬予想をすることだってあり、こうした個人の感覚に頼る部分が強い反面、努力よりもむしろ各々のセンスによって競馬の結果が大きく左右されることも否定できません。
そういう点から考えると、サイン競馬はギャンブルとして楽しむための手法の1つ・・・と言えます。
確かにサイン競馬は的中すれば高配当が期待できますが、一貫したパターンやロジックが存在しないため、安定した的中率を出すことは非常に難しいです。
月によっては毎週ドカドカと的中できる時もあれば、1ヶ月トータルで全く当たらない時もある・・・なんてことも珍しくありません。
そのため、毎月コンスタントに競馬で稼ぐためにサイン競馬を導入するのはかなり難しいと言えるでしょう。
もちろんうまく資金管理すれば、1ヶ月で収支を見た場合プラスでい続けることは可能かもしれません。
数字という不変のものを活用する投資競馬に比べて、サイン競馬は非常に的中・不的中の変動が激しく、コンスタントにお金を稼ぐ仕組みとして組み込むことが困難です。
それに、サイン競馬で予想するに当たって、世間のいろいろな情報を集め、それらの中からレースに関するサインを拾い集めるのはとても手間と時間がかかる作業なため、素直に数字や統計に従って馬券を買ったほうが的中率は安定します。
サイン競馬でお金を稼ぐことはできます。
ただし長い目で見た場合、的中率の面から非常に不安定なお金の稼ぎ方になってしまうので、あまりサイン競馬を使って競馬で稼ごうと思わない方がいいでしょう。
サイン競馬は“ギャンブル攻略法”の1つ
サイン競馬は、サインというその人のセンスや感覚によって馬券を予想する方法のため、センスや感覚を磨けば、いとも簡単に万馬券レベルの高配当を的中させることができるでしょう。
しかしその反面、的中率が安定しないため、あくまでも「メインレースでのみ使う予想法」として活用するのがベストです。
もしサイン競馬をするのであれば“お金を稼ぐレース”ではなく“競馬を楽しむレース”で活用されたほうがいいでしょう。
早い時間から出走するレースは数字や統計を軸とした投資競馬で予想し、重賞などのメインレースはサイン競馬で“遊び”として予想するような使い分けをしてみてください。
そうすれば、的中してラッキー、外れても遊びですからそこまで懐は痛みませんので。
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