毎週開催される競馬のレースの中でも特に注目が集まるのはやはり『GⅠレース』です。
GⅠレースは年間に22回(障害レースのGⅠレースを含めれば24回)開催され、それぞれのレースにそれぞれのドラマが毎年誕生します。
しかし、ただレースを見て歓声を上げる人はまずおらず、どの馬が来るかを予想し、馬券を買うことでその興奮度はさらに膨れ上がります。
特にGⅠレースともなると、その予想方法はさまざま。
馬の走り方が好きで馬券を買う人もいれば、騎乗する騎手によってどの馬が来るかを予想する人もいますし、さらには“サイン予想”といってJRAの広告や最近話題となった時事ネタを元に予想する人もいます。
競馬で予想するためには色々な要素や情報を組み合わることによって、勝つ馬の候補が絞ることができ、馬券の的中率をあげることができます。
これはGⅠレースも同様なのですが、他のレースとGⅠレースとでは少し思考や見方を変える必要がありますので、そんなGⅠレースを予想するための4つのデータとその活用法についてお話しします。
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1:当日の人気順位
レースが始まる前に、どの馬が人気あってどの馬が人気ないかが分かりますが、この人気の基準は単勝オッズによって決まります。
単勝オッズは各馬の単勝馬券の売り上げによって決まり、売り上げが多くなればなるほどオッズが低くなります。
すなわち、「単勝オッズが低い=1位になると思われている」ことであり、この人気順位をどう捉えるかを見極めるのが予想するのが大切です。
ただし、単勝オッズは単勝馬券の“売上”によってされるのであり、購入人数は全く反映されていません。
例えば、Aという馬の単勝馬券を1万人が100円ずつ買っても、1人で100万円買ってもオッズは同じように変動するということ。
「これにどんな違いが?」と思うかもしれませんが、実はこの両者には大きな違いがあるのです。
まず1万人が100円ずつ馬券を購入した場合は「1番人気だから」など、現在の人気順位を参考にして馬券を買った人が多いことが考えられますが、いくら人気が上位でもそれがレースで勝つという確信にはなりません。
その一方で「1人で100万円突っ込まれた」ということは2つの可能性が考えられます。
1つ目の理由は、人気や馬の実力を度外視し、単純にその馬を応援している人が買った可能性で、これは馬主やその馬にかかわりのある人が他人を経由したり、インターネットを使ってなどして「ご祝儀」のような形で買った馬券と考えられます。
そしてもう1つの可能性は、その馬がほぼ間違いなく勝つ(馬券が的中する)という確信をもって買われた場合で、一般には流れない情報を掴んだことによってどの馬が勝つか?をあらかじめ知ることができれば100万円でも200万円でも1点に突っ込むことができるということです。
実際にこうした情報があるのか、どうしたらそういった情報に触れられるのかは明らかになっていませんが、GⅠレースで単勝馬券の大量投票がある場合があるため、その時はその馬の動向をチェックする必要があります。
特に前日投票の段階で大金が購入された馬については、一般には知りえない情報による購入の可能性も高くなるので、思い切って勝負するのもアリです。
単勝馬券の大量購入の調べ方
ではどのようにして単勝馬券の大量購入を調べることができるのか・・・その方法は『TARGET frontier JV』という競馬ツールを使用することでチェックすることができます。
その方法は以下の通りです。
1)ツールを起動させ「出馬表」を開き「オッズ」を選びます。
2)「単時系」という項目をクリックします。
※事前に細心の時系列データを読み込む必要があります。
3)下にある「売上」と「区間」のボタンをクリック
特定の馬の売れた度合いが高いところは赤く表示されます。
(参考:TARGET frontier JV)
2:各出走馬の枠順
他のレースではそこまで気にすることはないものの、GⅠレースでは「枠順」を気にする人も少なくありません。
GⅠレースはよほどのことがない限り木曜日に枠順が発表され、日曜日に開催されます。
そしてこの枠順は競馬場やレースの距離などによって有利・不利が働いたり、過去のレース成績からどの枠順がもっとも勝ちやすいかを分析することができます。
例えば毎年4月に開催されるGⅠレース桜花賞は「外枠有利」と言われています。
桜花賞は2007年にコースの改修を行ったのですが、それ以降8年間の枠ごとによる成績は以下のようになっています。
枠順 | 度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内 |
1枠 | 0-0-0-16 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
2枠 | 0-0-1-15 | 0.0 | 0.0 | 6.3 |
3枠 | 0-0-0-16 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4枠 | 2-1-0-12 | 13.3 | 20.0 | 20.0 |
5枠 | 3-0-2-11 | 18.8 | 18.8 | 31.3 |
6枠 | 0-1-2-13 | 0.0 | 6.3 | 18.8 |
7枠 | 1-3-2-18 | 4.2 | 16.7 | 25.0 |
8枠 | 2-3-1-18 | 8.3 | 20.8 | 25.0 |
引用:得馬で儲かる競馬予想
上の表を見れば分かるように、1枠から3枠で優勝はおろか2着に入った馬すら1頭もいなかったことが分かり、いかに外枠が有利なのかを物語っています。
こうした枠順と結果の相関性を知識として知っているだけでも、優勝する可能性のある馬をピックアップすることができるのと同時に、買い目の点数を減らすこともできます。
ただし、全てのGⅠレースで有利な枠・不利な枠があるわけではなく、中にはどの枠でも同じような結果になるものもあります。
そうした場合は『競馬初心者でもたった“2秒”でできる軸馬の決め方』でも紹介した方法を採ることによって枠順ベースでどの馬が来るかを予想することができます。
どこから出走するかの違い・・・と思う人もいるかもしれませんが、特にGⅠレースではかなり結果に左右されやすい要素なので、各レースの枠による有利性を調べ置いても損はないはずです。
3:各GⅠレースの特性
現在中央競馬が開催される競馬場は全国に10ヶ所あり、その中でもGⅠレースが開催されるのは
・東京競馬場
・中山競馬場
・中京競馬場
・京都競馬場
・阪神競馬場
の5か所です。
さらに、各レースによって出走できる競走馬の条件やコースの距離、さらには右回りか左回りかなどといった違いがあり、これらによって“基本”となるレース展開が異なってきます。
例えば、同じ東京競馬場で3歳馬しか出走することができないGⅠレースであるNHKマイルカップと日本ダービーが一緒の展開になると考えている人は一人もいません。
なぜなら、NHKマイルカップは芝1600mなのに対して、日本ダービーは芝2400mとNHKマイルカップよりも800m長い距離になっているからです。
また競馬場別に見ても、京都競馬場で開催されるエリザベス紹鴎杯は「荒れるレース」として有名で、2009年には馬連の払い戻しが102,030円ついたこともあります。
また反対に比較的人気順位に落ち着きやすいレースもあるため、どのGⅠレースが荒れやすいのか、そしてどんな展開になりやすいかを事前に知っておくだけでもどの馬が来るかを予想することができます。
各GⅠレースの特徴についてはインターネットや競馬テレビ等で解説しているので、そういったものを参考にして知識を蓄えていくといいでしょう。
4:過去10年の成績から考える
GⅠレースを予想するうえで多くの人が、そのレースの過去10年の成績を調べ、そこから傾向と対策を考えます。
例えば、1着になった馬が出走前にどのくらいの人気にいたのかを過去10年のデータから検証することによって、何番人気の馬をチェックすればいいのか、反対に何番人気の馬は候補から除外できるのかを分析することができます。
そして、こうした過去のデータを検証する際に
(2-4-3-11)
といった数字の列によって表示されていますが、これは左から順番に「1着になった回数、2着になった回数、3着になった回数、4着以下になった回数」となります。
この数列を見ることによって馬券の種類を変えたりして的中率の高い馬券を選ぶことができるのです。
例えば過去のレースで1番人気が(5-2-0-3)という結果だった場合、勝率は50%でさらに2着以内に入る確率(連対率)も70%あることになります。
そしてこの結果から次のことが考えられます。
1;勝率が50%もあるから単勝で勝負する
2;連対率が70%あるから馬連の軸馬にする、さらに勝率が50%もあることから馬単でこの馬を頭にして流しで馬券を買う
3;複勝の的中率は70%だが1番人気のためオッズが低いから除外
などなど。
このように、過去のレース成績から様々なことが分析でき、その分析を今年のレースに反映させることで、候補となる馬を何頭かに絞り込むことができるのです。
また、過去のレース成績は、人気順による成績だけでなくさまざまなもので収集することができます。
枠順、前走出走したレースやその時の順位など、過去のレースをあらゆる視点から分析することによってどんどんフィルターを作ることができ、そのフィルターを通して予想することによって「これだ!」と思う馬を選ぶことができます。
データを用いて予想する本当の目的
午前中や午後イチに開催されるレースに比べ、重賞、特にGⅠレースは非常に多くの競馬ファンが注目し、馬券を買うレースです。
そのため、どれだけ分析したりいろいろ仮説を打ち出してみたりしても、勝つ馬を1頭に絞るのはよほど実力が突出した馬が出走していない場合を除いて不可能です。
この「よほど実力が突出した馬が出走していない場合」というのは、例えばディープインパクトのような単勝オッズが1倍台になるような馬が出走するレースのことを指します。
何年に1度は、こうした圧倒的な強さを持った馬が登場しますが、毎年出てくるわけではありませんし、むしろGⅠレースに出場くらいの実力を持った馬がこぞって出走しているわけですから、実力が均衡しているパターンの方が多いわけです。
つまり、優勝できる馬や最悪3着以内に入る馬を見つけるのはGⅠレースだけに限って言えばかなり至難の業だということ。
では、どうなって馬券を予想すればいいのか・・・それはデータや情報を分析して“優勝する可能性が限りなくゼロの馬”を見つけてどんどん対象から除外していく消去法をすればいいのです。
例えば16頭立てて走るレースも、馬券に絡みそうな馬を6頭以内に絞り込むことができれば、馬連のボックス買いでも15点で済ますことができます。
もちろんそれで確実に的中する保証があるわけではないですが、余計な点数を減らすことができれば、少なくともすべて外れた時の損失も少なく済みますしトリガミになる可能性も低くなります。
重賞以外のレースに関しては確実な1頭を選ぶのがベストですが、GⅠレースに関しては勝つ見込みのない馬を除外していったほうが、結果的に的中しやすいでしょう。
GⅠレースは楽しく予想しよう
「投資競馬」という言葉でできたように、現在お金を稼ぐために競馬に取り組んでいる人は年々多くなっています。
しかし、個人的にはGⅠレースだけは「お金を稼ぐ」のではなく、ただただ競馬を楽しみながら予想することをオススメします。
なぜなら、GⅠレースは普段競馬を真剣に取り組んでいる人以外にも多くの人が馬券を購入するため、実力以上に馬券が買われてしまう馬が比較的多いからです。
それに、いくらお金のためとはいえ、やはり競馬を楽しむことが後々の結果につながると思うから。
今後、競馬を通して継続的にお金を稼ぎたいのであれば、競馬の楽しさを肌で感じたほうが競馬の勉強や研究に対しても積極的に取り組めるようになり、それが利益につながります。
GⅠレースともなればインターネットや競馬新聞などで色々な人が色々な予想をしているので、そういったものを参考に、自分だけのスタイルを楽しみながら確立していってください。
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