これには諸々理由がありますが、段階的に話していきましょう。
例えば、的中率が30%しかない人のターゲットオッズってどのくらいだと思います?
1÷(的中率30%÷100)≒3.33…倍
少なくとも3.4倍以上のオッズを10回に3回の割合で的中させないと利益が出ません。
2,3番人気の馬の複勝を買ったら1番人気の馬がぶっ飛んだことでオッズが跳ねて340円ついた…なんてことは稀にあるでしょうが、こんなことは再々起こるはずもなく、まして複勝3.4倍ともなると、かなり下位の馬を狙わねば、そして的中させねばなりません。
となると、相当様々なことに目配りしないといけなくなります。
しかも、これは1点買いでの話ですから、当たりが1点しか発生しない馬券種で多点買いをしようものなら、ターゲットオッズをもっと引き上げねばなりませんね。
10点買いなら34倍です。
労力がかかる上に、きっちり10回に3回の割合で当てることができたとしても、回収率は102%にしかなりません。
こんなもん、やらない方がましだと今の自分は思います。
ちなみに、今の自分のキャリアは下位人気の馬を狙うことから始まったのですが、当時はどんなに頑張っても60%程度の的中率で、大体50%台前半が普通。
間をとって55%の的中率だとしても、
1÷(的中率55%÷100)≒1.82倍
でほぼチャラなので、ターゲットオッズは1.9倍。
これなら何となくいけそうに思うでしょ?
ところが、10回に5,6回の割合で1.9倍を仕留めるのはかなり難易度が高いし、そもそも10回に5回の割合では回収率が100%を超えません。
10回に6回的中させて、回収率はようやく114%です。
これまた1点買いでの話です。
それに、1.9倍は上位人気の複勝オッズだと高いし、中位人気の複勝オッズだと逆に低く、狙いが定まるようで定まらない極めて中途半端なゾーンです。
ワイドの1番人気で2倍を超えるオッズを時々見かけますが、これまた難易度が高く、当てるのは容易でないと言えるでしょう。
競馬というものは、ほぼ毎回当て続けるか、たまに大きいのが当たるかでないと、絶対にお金は増えません。
小さい当たりを幾度も重ねるか、果敢に大きい当たりを狙っていくか。
お金を増やすという観点に於いて、どちらが難易度が低いのか?
自分がこれをド真剣に考えたのが、今から10年以上も前の2012年です。
そして、何度もシミュレーションをして熟慮した結果、下位人気の馬を狙うことから上位人気の馬を狙うことに舵を切りました。
勿論、そこにはお金を稼ぐ明確な目的があった訳で。
例えば、複勝でもワイドでも何でもいいので、上位人気の馬を狙って70%の的中率を確保できたとすると、
1÷(的中率70%÷100)≒1.4倍
でほぼチャラなので、ターゲットオッズは1.5倍。
これなら上位人気の馬のワイドボックスを基調に、しっかりレースが選べれば倍率に関しては実現可能だと思います。
100円ずつ上位4頭のワイドボックスを買っても、840円回収できればいい訳だし、買い目が全滅することは殆どないので、損失の軽減にもつながります。
でも、馬券の買い方が緩い分、お金を増やすのに時間がかかるというトレードオフの関係が発生します。
だからワイドボックスは、僅かな利益でも「やったー、競馬に勝ったー」と素直に喜べる人に向いているし、ほぼ何も考えずに気楽に取り組めるのが最大のメリット。
言ってみれば、高齢者が「たぬ吉君」を打つようなものです。(分かる人にしか分からんけど・笑)
あと、ワイドボックスは、良さげなレースが見当たらない時の緊急避難的な作戦として有効だとも思っています。
一方、複勝1点となると、1.5倍はまだハードルが高いと思います。
では、上位3頭から1頭または2頭選んで複勝やワイドで80%の的中率を確保したらどうなるか?
1÷(的中率80%÷100)=1.25倍
ここでようやく1.3倍です。(笑)
この場合、ベタの回収率で104%です。
超ショボいです。
自慢気に口外でもしようものなら、元クラリオンガールのおばさんみたいな性格の人から激しく罵られるかも知れません。(笑)
でも、勝手に言わせておけばいいです。
別にその人に迷惑をかけている訳ではないので。
他人は他人、自分は自分。
競馬でお金を稼ごう、増やそうと思うなら意思を持って下さい。
1.3倍と超ショボいオッズでは、1回の不的中が大きなダメージとなるので、「小さく勝って大きく負ける」現象が起こります。
これが最大のデメリット。
しかし、10回に8回当たることで、複利運用を使って、つまり、得た利益を元本に組み込んで再投資することで、徐々に1回あたりの的中時の利益額が増えていき、あるところから急激に加速度的にお金が増えていきます。
1.3倍を見込んで馬券を買っても、レースが終わってみたら120円、下手をすると110円みたいなことも起こる反面、1番人気の馬がぶっ飛んでオッズが大きく跳ね上がることもあり、そこは運任せではありますが、まずは1頭の馬をきちんと見定めることができれば、ワイド馬券に拡張していけるので、結果として回収率は上がっていきます。
ちなみに、回収率が高ければ回収額も高くなると思い込んでいる人が結構な割合でいます。
これ、幻想でしかありません。
どんなに回収率が高くても、的中率が低ければお金は増えませんし、投入金額がショボければオッズが高くても無意味です。
それに、下手をすれば、次の当たりを引くまでに破綻するかも知れません。
(だからウインズの周辺にはサラ金がたくさんある訳ですよ)
逆に、1回あたりの利益額が小さくても、的中率が高ければ、お金を増やすための術が使えるので、ゴールに辿り着くのが早くなります。
イソップ寓話の「ウサギとカメ」の話、知ってますよね?
あれと同じです。
お金を稼ぐ、お金を増やすなら的中率を上げることです。
ターゲットオッズは低くていいので、着実に仕留められる回数を多くすることです。
その回数を多くすることが、時にターゲットオッズを引き上げるチャンスに気づける経験値の蓄積につながるのです。
昔は下位人気の馬を狙っていた自分が、今は上位人気の馬を狙っているのです。
両方をやってきたからこそ、これは真実だと断言できます。
馬券の買い方、自分自身のスタイルを変えるのは大変だと思います。
この段階で大部分の人は心が折れます。
そこにはお金を稼ぐ明確な目的が定まっていないからです。
目的が定まっていないのに、やり方から入ろうとするから心が折れて挫折するんです。
「ドジでのろまなカメ」だった「スチュワーデス物語」の堀ちえみは何だかんだちゃんと一人前に成長したじゃないですか。(笑)
自分はやればできることしか言っていません。