中央競馬には「WIN5」と呼ばれる特殊な馬券が発売されています。
的中させるのは難しいけど一度でも的中させれば何千万から億単位のお金を手にすることができる夢のような馬券ですが、実は地方競馬にも似たような馬券種が存在します。
それが「トリプル馬単」と呼ばれるものです。
このトリプル馬単は中央競馬では販売されていない馬券ですから中央競馬しかやったことのない人には聴き慣れない馬券だと思います。
では具体的にトリプル馬単とはどういった馬券なのか?そしてトリプル馬単を予想するコツはあるのか・・・これらについて詳しくお話ししていこうと思います。
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トリプル馬単とは?
まずトリプル馬単がどういった馬券なのかについて説明します。
名前の通り基本となるのは「馬単」馬券で、1着と2着を着順通りに当てないと的中したことになりません。
これだけなら普通の馬単と変わりありませんし、地方競馬にも馬単馬券というものがあるため、そちらを買えばいいのわけですが、トリプル馬単は的中条件として“もう1つの条件”があります。
その条件とは『指定された3つのレースで馬単を的中させること』というもの。
つまり3レース連続で馬単を当てることができて、初めて的中とみなされるのです。
馬券は【馬単1組×3レース】を1組とカウントし、最低50円から10円単位で購入することができます。
たかだか50円で・・・と思うかもしれませんが、実は中央競馬のWIN5並の高額払い戻しも出ているくらい的中した時の利益は大きく、むしろ掛け金が安く済む分EWIN5よりもリスクが低い高額馬券ともいえます。
しかもトリプル馬単にはキャリーオーバーが発生します。
キャリーオーバーとは、的中者がいないもしくは10円当たりの払戻金額が6000万円以上を上回る残額がある場合、これらの金額が次回の的中者に上乗せされる仕組みのこと。
これによって50円で最大3億円の払戻金を受け取れる可能性があるのです。
事実、2015年2月には地方競馬史上最高となる7000万円以上の払戻がありました。
23日の第18回大井競馬初日「SPAT4LOTOトリプル馬単」で地方競馬史上最高となる7476万7615円の払い戻しが飛び出した。
この賭式は最終レースから数えて3つの競走の馬単を全て的中させるもの。1口10円の払戻金は1495万3523円だが、最低投票額が50円(5口)のため、実際の配当はこの5倍となる。的中は10口で同競馬場によると購入者は2人。これまでの地方最高払戻額は昨年7月28日の大井トリプル馬単4045万3880円(5口的中)だった。
今月2日の第17回大井2日目から6日の最終日まで「的中なし」が続き、9072万9555円の過去最高となるキャリーオーバーが発生。これに引き寄せられ、この日のトリプル馬単は8400万8120円を売り上げ、レコード(従来の最高は14年10月24日の6236万8760円)を記録した。10R終了時に1万3835口、11R終了時に1240口が残っていたが、最後に10口へと激減した。
引用:スポニチアネックス
このように、少ない掛け金ながら何千万円ものお金を手にすることができる馬券がトリプル馬単なのです。
トリプル馬単の買い方
このトリプル馬単はかなり特殊な馬券のため、買い方や買えるタイミングが他の馬券とは少し異なります。
まず、買える時期は南関東4競馬(浦和・舟橋・大井・川崎)かホッカイドウ競馬(門別)が開催している日でないと買うことができません。
そもそもトリプル馬単はレースがあらかじめ指定されているため、上記競馬場の各開催日の最終レースからさかのぼること3レースが対象となるためそれ以外の地方競馬場ではトリプル馬単は販売していません。(2015年7月現在)
購入締切は、指定レースの1レース目が発送する5分前。
トリプル馬単を買うには、『SPAT4』というホームページからのみ投票を受け付けています。
主な買い方としては自分で馬を選択する「セレクト」とコンピューターにお任せする「ランダム」、さらには一部のレースのみコンピューターに任せる「一部ランダム」の3種類あります。
トリプル馬単の的中率
50円が数千万に変わることもあるトリプル馬単ですが、夢が大きい分的中する可能性は極めて低いです。
そもそも1レースを馬単で的中させるのも確率は決して高くないにもかかわらず、それを3レース連続で的中させないといけないわけですから、1点当たりの的中確率はほぼゼロに近いといっていいでしょう。
具体的な数字をあげますと、南関東競馬の最大頭数16頭のレースの場合、馬単の組合せは240通り(16×15)となります。
それが3レース続けてなのでトリプル馬単の組合せとしては
240×240×240=13,824,000通り
これを的中に直すと1/13,824,000=0.0000072%となり、14万点(700万円分)購入してやっと1%になる計算です。
もちろんここから馬の強さを加味することによって的中率を上げることはできますが、単勝や複勝はもちろん、通常の馬券よりもはるかに的中率は低いものと認識して挑むことをお勧めします。
トリプル馬単を予想するうえでのポイント
地方競馬独特の馬券であるトリプル馬単ですが、払戻金の額などからついつい興味をもってやってみたくなる人もいることでしょう。
しかし先ほどトリプル馬単の特徴でもお話ししたように、3レース連続で馬単を的中させる必要があるため、他の馬券とは違った方法で予想しなければいけません。
なぜなら、通常の馬券は1レースが終了したと同時に的中・不的中が判明するため、そのレースだけに焦点を絞るだけでいいのですが、トリプル馬単の場合は3レース続けて予想しなければいけないからです。
つまり1レース目を的中させても2レース目で外れれば3レース目の結果を待たずして“不的中”が確定してしまいます。
そのため、トリプル馬単にはトリプル馬単独自の予想のポイントがあるのです。
そのポイントは次の3つ。
1:1レース目はある程度穴狙い
トリプル馬単で特に大事なのは1レース目の予想です。
なぜなら、1レース目を外してしまったら、いかに2レース目、3レース目の予想が的中していたとしても全く意味がなくなってしまうからです。
そのため、多くの人は1レース目に関しては上位人気同士の組合せで、なおかつ点数が多くなる傾向があります。
確かに人気が上位の馬の組合せを選ぶことで的中する可能性は高くなりますが、人気サイドの組合せを固めてしまうと今度は“配当”そのものが低下してしまいます。
トリプル馬券の一番の魅力は的中した時の高額な配当ですが、当然同じ組み合わせを買っている人が増えれば増えるほどその配当は低くなってしまいます。
しかもトリプル馬券の場合は5点10点と言った小数点数ではなく何十点、何百点といった多点買いで勝負するため、多少配当が高くないとトリガミになる可能性が高くなります。
つまり点数をなるべく少なくし、その上で一定以上の配当が得られる可能性がある組合せを予想して馬券を買うのがトリプル馬券攻略のポイント。
1レース目が的中しても2レース目、3レース目で不的中になれば結局払戻金は得られませんから、1レース目からある程度穴狙いで勝負するのがお勧めです。
もし、どう分析しても1レース目はガチガチの本命で終わると予想するのであれば、その日のトリプル馬単は見送り、次の機会を待ちましょう。
2:頭数が多い場合は高配当狙い
レースが荒れるか堅いかを見極めるのは競馬を予想するうえで大きなファクターであり、これは地方競馬でも同じことが言えます。
そしてトリプル馬単で高額配当を狙うのであれば、少なくとも1頭は「荒れるレース」が入っていることが絶対条件です。
なぜなら、レースが荒れれば人気サイドの馬が撃沈し、穴馬が上位に食い込む可能性が高くなるからです。
特にトリプル馬単では的中させることそのものが難しいため、多くの人は人気サイドの組合せで固める傾向があり、人気通りに3レースが終わってしまうと的中者が多く払戻金が少なくなってしまいます。(それでも数百万円はありますが)
では地方競馬ではどういったレースが荒れやすい展開になるのか・・・その1つが「頭数が多いレース」です。
「南関大学」というサイトにトリプル馬単の総取り数と的中口数との比較を示す表があり、次のように解説しています。
メンバー構成による「堅そう」「荒れそう」というのは、曖昧な概念なのでここでは採用できない。客観的な指標として、いちばん分かりやすいのは出走頭数や、そこから導かれるトリプル馬単の総組み合わせ数だ。組み合わせ数が多ければ難易度が上がり、荒れた場合の飛距離も出るという理屈になる。
実際には売得金額も予想ファクターになりうるのだが、ファンからリアルタイムには見えにくい。やはり「馬が多いか少ないか」がいちばんシンプルで分かりやすい。まずは総組み合わせ数の多かった回を観察してみよう(表1)
総組み合わせ数の多かった回は、トリプル馬単側がお得だったケースが少ない。(表1)に収録した11開催日のうち3回のみが、理論値に比べて高い配当となっている。(キャリーオーバー分を除外しての比較)
お得度が1以上になっている3回は理論配当が500万円前後。狙うならこのあたりしかない。
引用:南関大学
つまり、出走頭数が多いレースがあった場合は人気サイドに逃げるのではなくあえて高配当な組み合わせで勝負したほうが結果的に高額な払い戻しを手にする可能性が高いということ。
言い換えれば「当たらないのは当たり前」で、何十回に1回の的中でこれまでの負けを帳消しにし、なおかつ利益が残るような資金配分と戦略が必要だということです。
3:ランダム方式では買わない
トリプル馬単の買い方には「セレクト」と「ランダム」という買い方があることは先ほど説明いたしました。
自分で予想して馬を選ぶセレクトに対して、ランダムはコンピューターが無作為に選んでくれるため、予想の手間が省ける・・・と思いがちですが、決してそんなことはありません。
むしろ誰がどう見ても絶対に来ないであろう馬が選ばれたりするリスクがあるため、なるべく自分で全てのレースを予想していきましょう。
もちろんランダムによって選ばれたトリプル馬単によって的中する可能性はゼロではありませんし、自分の運試しを試す意味では決して間違った選択ではありません。
ただ、せっかく同じお金を賭けるのであれば勝手に選ばれた馬券と自分が予想して選んだ馬券とでは不的中になった時の落胆さがまるで違いますよね?
単純に「馬券を当てること」を楽しむのならともかく、お金を稼ぐことに特化するのなら、運やラッキーに依存せず、自らの力で予想することをお勧めします。
上手く活用すれば大きな利益が手にできる馬券
「投資競馬手法を応用したWIN5の予想の方法」でもお話ししているように、高配当かつ極めて的中率が低い馬券で投資をするのはリスクが大きすぎるため、あまりお勧めしません。
しかしWIN5もそうですが、上手に活用して「外れてナンボ」の気持ちで挑戦するのであれば、試す価値はあると思います。
分かりやすく言えば「失ってもいいお金で勝負しましょう」ということ。
馬単の予想を3レースすれば的中する・・・といった簡単なものではありませんので、きちんと戦略を立て、資金管理を徹底して無理のない程度に挑戦してみてください。
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