競馬を予想するうえで大事な数字がオッズです。オッズを確認することで「的中したらいくら払い戻しされるのか?」「どの馬が人気なのか?が分かります。
そしてオッズをさらに突き詰めていけば「どの馬を買えば的中するか?」まで導き出すところまでいけます。こうしたオッズを使った予想法をオッズ理論と言います。
競馬で稼いでいる人の中にはオッズ理論を駆使して馬券を買っている人も少なくありません。そこでオッズ理論を用いた具体的な予想方法やオッズ理論の特徴などについてここで解説していきます。
オッズ理論の具体的な特徴
先ほども少し言いましたが、オッズ理論とはオッズを元にして馬券を予想する競馬手法です。
オッズは決して適当についている数字ではなく馬券購入額によって左右します。買われる額が大きくなればなるほどオッズは下がりますし、購入額が小さくなればオッズは高くなります。
オッズ理論ではこうしたオッズの特性を活かして「どの馬が来るか?」を予想します。下記ページで紹介しているような“人気のある馬を見つける方法”もオッズ理論の1つと言えるでしょう。
オッズ理論のメリット
オッズ理論の最大のメリットは、オッズだけで馬券が予想できる点です。オッズの動きや他の馬券との比較によって過剰人気の馬を見つけられたりするため、レースの流れを予測したり本当に実力のある馬を見つけることだってできます。
また予想の材料に使うのはオッズのみですからロジックもシンプルになります。手法によっては計算も必要なく数字を比較するだけで馬券になる馬を見つけられたりもします。
もちろんオッズだけでなく他の指数や指標と組み合わせることも可能。そう考えるとオッズ理論は競馬予想の基本ともいえるでしょう。
オッズ理論のデメリット
オッズだけを見て競馬を予想する・・・と言いましたが、実際にオッズとにらめっこしているだけがオッズ理論の具体的な行動ではありません。オッズ理論を極めようとすればするほどオッズを追いかけるようになります。
オッズは馬券が発売されてからレースが終わって順位が確定するまで変動しています。朝イチのオッズと馬券の販売締切1分前とでは人気順位が変わっている・・・なんてことは珍しくありません。
つまり定期的にオッズを確認して動向をチェックするする必要があります。場合によっては1日中パソコンに張り付いてオッズを追いかけている人もいるくらいなため、片手間でオッズ理論を用いて予想するのは難しいかもしれません。
オッズ理論を用いる理由は「異常オッズの発見」
具体的なオッズ理論については後述しますが、どんな方法でも基本的に目的は同じです。オッズ理論によって調べるべきポイントは『異常オッズの発見』ただ1つ。
異常オッズとは通常では考えられない動きをするオッズを指します。
例えば下位人気の馬にいきなり何百万円も買われたり、ある時間になったらいきなり売り上げが伸びたりするレースがいくつかあります。普通に考えたらありえないような時間帯に買われたり、まとまったお金が投入されたりすると当然オッズも反応します。
オッズ理論はこうした不自然に買われた馬券を調べるための手法なのです。具体的に異常オッズは『馬券間』『時系列』『オッズ分布』の3つがあります。
馬券間の異常オッズ
馬券間の異常オッズとは、同じ馬が絡んだ馬券を比較した際に起こる異常オッズを指します。例えば同一馬の単勝オッズと複勝オッズを比較した場合、極端に複勝オッズが低いと異常オッズが発生している可能性があります。
「単勝よりも複勝の方が買われている・・・ということは1着になる可能性が低い馬なのかな?
と考えられますよね?もちろん単複だけでなく
馬連と枠連(ワイド)
馬連と馬単
なども比較すると異常オッズが見つかる可能性があります。オッズの具体的な数字ではなく人気順位で調べると馬券間の異常オッズは見つけやすいかもしれません。
時系列間の異常オッズ
時系列間の異常オッズとは、特定の時間帯に急激に馬券が買われた時に起こる異常オッズを指します。
よく起こるのはまとまったお金がレース前日の深夜に買われるケース。前日は10番人気だったのに朝見たら3番人気まで上がっている馬がいたら、異常オッズと怪しんでいいでしょう。
時系列間の異常オッズが起こる原因としてよく上げられるのが“競馬関係者が購入している可能性”です。いわゆるインサイダーによる購入でこれを探して馬券を買っている人も少なくありません。
オッズ分布による異常
オッズ分布とはオッズマトリクスを用いて買い目ごとのオッズを調べ、レース展開を予測する競馬を予想する方法の1つです。オッズ分布で分析した時に「あれ?」と感じる場合、どこかで異常オッズが発生している可能性があります。
具体的な異常としては馬券種によって人気順位が逆転していたり、1つ上の人気馬とのオッズ差が大きく開いている(断層という)場合です。
オッズ理論を使わず異常オッズを見つける方法
オッズ理論の目的は『異常オッズを見つけること』ですが、実は異常オッズは計算で導き出せます。異常オッズを見つける計算手順とは以下の方法です。
[box02 title=”異常オッズの計算方法”]
- ある馬から流した場合のオッズの逆数の総和を求める
- 全ての馬の馬毎得票率を計算する
- 馬毎得票率の総和を求める(全得票率)
- 全得票率が100になるように補正係数を計算する
- 馬毎得票率に補正係数をかける
[/box02]
・・・これできますか?多分よほど数字に強い人でないとできないと思います。
もしオッズ理論を用いて予想したいのであれば、何らかの競馬ソフトを用いるのが良いと思います。
競馬ソフトを用いればオッズの動きを追いかけられますし、使うソフトによっては各馬券が何時にどのくらい買われたか?も調べられます。競馬ソフトによってオッズ理論に適しているものとそうでないものがありますので、競馬ソフトを探すのであれば「オッズを追いかけやすいもの」を選ぶといいでしょう。
オッズ理論の代表的なやり方
異常オッズを見つける最も簡単な方法がオッズ理論です。とはいってもいろいろな方法があり、それぞれ手順や特徴が異なります。
オッズ理論と言われたら特に有名なのが次の2つです。オッズ理論初心者であればまずはどちらかの方法から勉強するのをお勧めします。
分布論
分布論とは、オッズマトリクスや断層などを用いてオッズのバランスを見て予想する理論のを言います。狙う馬券を見つける具体的な方法については手法やロジックによって色々ありますが、共通なのは「標準よりも売れていない馬を狙うこと」です。
分布論の基本的な思想はオッズを通してレース全体を捉えることです。
得票率グラフなどで全体の構造を見ることによってそのレースが荒れるのか?それとも堅いのか?を判断します。
具体的には
- 一番人気の得票率(一番人気の信ぴょう性)
- 上位人気の頭数(馬券に絡む可能性がある馬が何頭いるか)
- グループ形成(オッズの断層の場所と数)
- 異常を起こす馬の有無
の4つで、これらの構成要素を加味することでどの馬券を買うか?を判断するのが分布論を使った予想法なのです。
インサイダー理論
インサイダー理論とは、関係者が内部情報をもとに馬券を買った場合に発生する異常オッズを狙い撃つ方法を言います。
ここでいう関係者とは、本来馬券を買うことができない人(馬主や調教師など)から情報を仕入れた人やその本人を指します。
当然内部情報を知ることができれば、ほぼピンポイントで的中馬券を買うことができますし。少なくとも馬券に絡まない馬を事前に知ることができるため選択肢がかなり限られた状態で馬券を選ぶことができます。
インサイダーな馬を見つけるには?
インサイダー理論を用いて予想するためにはインサイダー馬を見つけるのが絶対条件です。インサイダー馬を見つける最も簡単な方法が“断層を見つける”です。
断層とは、1つ上(もしくは下)の人気馬とのオッズが大きく開いているところを指します。各断層の一番下にいる馬はインサイダー馬の可能性が高いため、インサイダー理論を用いて予想するのであればオッズの断層を見つけるところから訓練しましょう。
まとめ
オッズ理論を用いればオッズを調べるだけで色々な事が分かります。レース展開、軸馬の強さ、実力はあるけど人気がない馬など・・・こうした情報は競馬を予想するうえでキーとなりますのでオッズ理論は身に着けておいて損はないと思います。
またオッズ理論を学ぶとオッズを“正しく”見れるようになります。
競馬で勝てない人は数字だけを追いかけて数字の裏にある事実を見逃しがちです。オッズ理論を通してオッズの裏にある事実を見極める力を養い、ご自身の的中率をあげてください。