競馬でお金を稼ぐには馬券を的中させることが絶対条件であり、馬券を当てるために色々な情報やデータを駆使して予想をします。
しかし、同じ情報、データ、予想法を用いてもコンスタントに的中できる人もいれば、まったく当たらないでお金をどんどん失っている人もいます。
なぜ同じものを見て、同じ方法で競馬を予想しているのに、全く違う結果になってしまうのか?
その理由は、予想方法やデータを使った分析方法といったノウハウが問題なのではなく、こうしたノウハウを使う人そのものに原因があると考えられます。
同じ料理でも作る人が違えば味も変わってきますよね?
競馬も同じで、同じ競馬手法を用いて予想をしても、その手法を使う人によって当たったり外れたりします。
つまり、競馬で稼ぐことができている人とそうでない人の違いは、馬券を選ぶ際に行う予想に対する姿勢や考え方にあり、こうした部分を変えることによって、同じやり方で予想していても、的中率や回収率がガラリと変わってくるのです。
そして、競馬を予想する際の適切な思考パターンは「孫子」の教えから学ぶことができます。
そこでここでは、馬券を的中させるために欠かせない思考パターンを孫子の教えから紐解いていこうと思います。
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孫子の一説から学ぶ競馬予想のコツ
孫子とは、中国の春秋戦国時代に実在した人のことで、『孫子の兵法』と呼ばれている兵書を書いた人のことです。
孫子は自身の書物の中で次のような一説を書いています。
「九変の術を知らざれば、五利を知るといえども、人の用を得ること能わず」
九変とは臨機応変な運用という意味であり、五利とは書物「孫子」の中にある5つの原則のことを指します。
つまり、孫子がこの一説で伝えたいのはズバリ“原則と応用の関係”。
分かりやすい言葉に直すと
『原則を心得ていなければならないがそれだけでは十分ではない。原則の適用に際しては、その時々の情況に応じて臨機応変の運用をすべし』
となります。
競馬で勝てない人の多くは、競馬手法の原則は学ぶものの、その時々において悋気対応な対応まではできていません。
“1番人気と8~10番人気の組合せで馬連を買う”という買い方を知ると、どんなレースでもこのノウハウが適用すると盲信し、ひたすらその通り馬券を買い続ける人がいます。
しかし、レースによっては上位人気だけで決着してしまうようなレースもありますし、1番人気が必ず来る保証が持てないレースだってあります。
当然こうしたレースで、先ほどの買い方をすれば的中する可能性よりも外れる可能性の方が高くなるのは、競馬初心者でも理解できるはず。
孫子から学ぶ競馬予想のコツとはまさにこの部分です。
開催される全てのレースが同じような展開になることはまずありません。
こうした事実を踏まえたうえで、どういった状況ではどのような予想をするのが適切なのかを見極めることが競馬予想の基本ともいえます。
競馬を予想する際に知っておきべき2つの思考
競馬予想において、原則を守りつつその都度臨機応変に対応することが、馬券を的中させるポイントだとお話ししました。
ただ言葉にするのは簡単ですが、こうしたやり方を習得するには、まずは自分自身が競馬に対する考え方や予想する際に使う思考を変えていく必要があります。
人間の思考には「垂直思考」と「平行思考」の2つの思考があります。
この2つの思考のうち、どちらを用いて競馬をしているかによって、結果が大きく違ってくるのです。
垂直思考とは?
垂直思考とは、素材(データや情報など)を駆使し、それらを理論的に組み立ててどの馬が来るかを予想すること。
特に予想のために使う思考については、競馬で勝てない人のほぼ全員が「垂直思考」を用いています。
1+1が2になる・・・といった発想が垂直思考の典型です。
この垂直思考のメリットは必要な情報さえ集めれば、自然とゴールまでたどり着けるところにあります。
必要な情報やデータを全て満たしさえすれば、自然とどの馬が来るかが分かるわけですから、誰でも簡単に競馬で稼げてしまうわけですから。
しかし言い換えれば、1つでも材料がそろわなかったらどの馬が来るか予想することすらできないというデメリットがあります。
同じ予想法を用いても馬券が的中しない人の原因はここにあります。
残念ながら、手法がピッタリ当てはまるレースというのはかなり限られており、1日に1レースあるかないかが普通です。
そのため、競馬で稼ぐためには必要な情報がそろわなくてもそれを補う要素を他から探して判断する思考が必要となってくるのです。
こうした、馬券を買う時に情報を多角的に収集し、そこからどの馬が来るかを予想する思考を“平行思考”といいます。
平行思考とは?
平行思考とは、一見無関係な情報や要素を用いて結論まで結びつける思考のことをいいます。
新しいアイデアがポンポンと出てくる人や“逆転の発想”ができる人の多くは、物事を成功思考によって見ている傾向にあります。
競馬で稼ぐ人達がレースによって馬券種を使い分けたりするのも、平行思考から来る予想と判断をしているからに他なりません。
例えば、普段馬連を中心に馬券を買っている人でも、狙っている馬の信ぴょう性によってワイドや枠連に変えたりすることが往々にしてあります。
これは、そのレースにおけるその馬が勝つ可能性や的中した際の配当を考え、同じ組み合わせ馬券(枠連、ワイド、馬単)の中から、的中率と回収率のバランスが最も取れているものをチョイスしているからです。
それに対して垂直思考の人は馬連と決めたらひたすら馬連しか買わないし、それ以外の選択肢がないと勘違いしています。
同じ馬番の組合せでもワイドで買っていたら的中していたのに馬連で買ったから外れた・・・なんて経験をしたことがあると思います。
つまり、この時馬連に固執せずワイドで買える人が平行思考で競馬を予想しており、馬連を買って外した人が垂直思考で競馬を予想しているわけです。
平行思考を使った競馬予想実例
垂直思考と平行思考の違いを説明しましたが、実際にこの2つによる競馬予想がどう変わってくるのかについて実際のレースを用いて解説します。
今回解説に使うレースは2010年のジャパンカップ。
その根拠は「2011年のJRAの屋台骨を担う馬はどれか?」という発想ができたかどうか。
この年のジャパンカップには
・皐月賞を勝ったヴィクトワールピサ
・日本ダービーを勝ったエイシンフラッシュ
・日本ダービーと菊花賞を共に二着した二歳チャンプのローズキングダム
などが出走していました。
この中で“2011年にJRAが確約を期待する馬がどれか?”というレースと全く関係ない切り口をつけることによって、数字やデータからは立てることができない予想をすることができるのです。
オッズを見る限り、まずブエナビスタが4着以下になることはないため、自然とこの馬が軸馬となります。
次にヒモ馬ですが、先ほどお話しした「2011年のJRAの屋台骨を担う馬はどれか?」を考えた時、候補となるのは先ほどの3頭となる。
あとは最も的中する可能性と配当のバランスを考慮すれば、ヴィクトワールピサとブエナビスタのワイド(払戻金900円)がベストな選択ではないでしょうか。
特にGⅠでは、こうした数字やデータ以外の視点から考えることによって、思いもよらない馬が候補として挙がってくることがあります。
具体的には「一攫千金も狙える“サイン競馬”を使った馬券予想の基本」でお話ししていることを参考にしてもらえばいいと思います。
馬券を的中させる3つの予想ポイント
平行思考を用いて競馬を予想することで、今まで以上に馬券を選ぶ際の材料が増え、勝負できるレースが増やすことができます。
とはいえ、こうした思考はあくまでも“臨機応変な対応”であり、あくまでも大事なのは原則であることを忘れてはいけません。
「どの馬が来るかを予想する」といっても、その方法は多種多様にあり、それぞれ手法やノウハウによって注目すべき点が異なります。
ただどんな予想手法にせよ、原則として次の3つを押さえておくことが競馬で稼ぐ上で重要だと認識されています。
その3つとは「レース」「馬券種」「的中率と回収率のバランス」です。
各項目のポイントは以下の通りです。
1:“得意”なレースで勝負する
競馬でお金を稼ぐためには、その日開催されるレースの中から勝負するレースとそうでないレースをあらかじめ取捨選択しておくことが大切です。
競馬のレースは主に2種類あり、順当な結果になりやすい“堅いレース”と穴馬が勝つ可能性が高くなる“荒れるレース”があります。
どちらのレースを主体に予想するかはその人の予想方法や馬券術にもよるので、一概に善し悪しを決めることができませんが、少なくとも両方のレースで勝負することは避けたほうがいいでしょう。
レース選びの重要性については「競馬で儲けている人達が実践している「対象レース」の選び方」でもお話ししていますが、競馬で稼ぐ人ほど、慎重にレースを選んでいる傾向があります。
これまでなかなか競馬で勝てなかった人は、まず勝負するレースとしないレースを決めておき、勝負しないレースをスルーできるようにしましょう。
それだけで外れ馬券を買う確率を低くでき、損失を抑えることができます。
2:馬券種は「単勝」「複勝」
競馬で稼ぐ人達の中には、馬連や三連複などといった高オッズがつきやすい馬券種を選択している人もいます。
ですが、高オッズがつきやすい馬券種ほど的中させることが難しいため、まずは単勝や複勝といった比較的的中させやすい馬券種で当てれる方法を模索したほうが賢明です。
少なくとも複勝1点で的中できるようになれば、その後ワイドや馬連、さらには三連複などで買う時に、少なくと1頭固定できるようになります。
競馬でお金を稼ぐには、ありとあらゆる可能性を考慮し、その中で最も的中率が高くなおかつ利益がプラスになる馬券種を選ぶことが大切です。
そのためには、特定の馬券種にこだわるのではなく、様々な馬券種を選べるような思考をもっていなければいけません。
こうした、馬券種を選択できるようになるためにも、まずは単勝や複勝である程度的中できるような予想法を身につけることをお勧めします。
3:的中率より回収率重視
投資競馬において重視すべき数字に“的中率”と“回収率”があります。
的中率とは購入した馬券に対して的中した確率を指し、回収率は馬券の購入額に対して払戻金を受け取った割合を指します。
どちらも大切な数字ですが、まず上げるとするならば回収率をあげることをお勧めします。
その理由は的中率を上げても結果的にマイナスになれば馬券を買うことができなくなってしまうから。
極端な話、的中率70%でも回収率が100%を切っていたらいつか資金がゼロになり馬券が買えなくなってしまう。
的中率が20%でも回収率が100%を超えていれば、馬券が買えなくなることはありませんし、むしろ徐々にお金を増やし続けることができるわけです。
競馬で勝てない人ほど的中率に目が奪われがちになってしまい、ついつい“どうすれば的中できるか”を追い求めてしまいます。
確かに馬券が的中しないと意味がないのですが、そこばかりにフォーカスしているとトリガミになるリスクを見落としがちになります。
ですので、競馬を予想する際にはどの馬が来るか以上に“的中したらいくら配当を手にすることができるのか”もチェックするようにしましょう。
競馬手法にこだわらない予想をするために
競馬で勝てない人ほど、ロジックやノウハウといった垂直思考型の予想方法ばかり探してしまう傾向があります。
確かにそういった予想方法の方が理に適っていますし、マスターするのもさほど時間はかかりません。
しかし、競馬においてノウハウ通りに展開されるレースは、おそらくそう滅多にお目にかかれるものではないでしょう。
ノウハウや手法というのはあくまでも基本であり、孫子の言葉を借りるなら“五利”に当たります。
そして、原則だけで勝てるほど競馬の予想は簡単ではありません。
どの馬が来るかを予想するには、しっかり理解した原則と固定観念や常識に囚われすぎない臨機応変な対応の2つが必要不可欠です。
これまで思うように競馬で勝てない人は、自分がこれまで不的中だったレースを一度振り返ってみてください。
こうした負けレースの中に“臨機応変な対応”のヒントが隠れているはずですから。
思いがけない発想や新しい視点を取り入れるのは、決して持って生まれた才能やセンスなどではありません。
失敗も含めたこれまでの知識や経験をどれだけ自分の中で整頓できているか・・・だと思います。
もし今の予想方法に限界を感じているのなら、思い切って今までと違った予想法でチャレンジしてみてもいいかもしれません。
そうすることによって、競馬に関する自身の引き出しの数を増やすきっかけにもなりますから。
ムダなものは一切ない・・・そういう思いをもって競馬予想の手法を磨かれてはいかがでしょう。
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