レースと言ってもいろいろあり、レースの種類によって出走する馬の実力や実績が異なります。
JRAが主催している中央競馬に限って言えば、競馬は毎週土日に24レースもしくは36レース開催しています。
その中でもGⅠレースは中央競馬のレースの中でも最高峰で、競走馬にかかわる仕事をする人であれば、誰もがGⅠレースでの優勝を目標にしているはず。
そのため、GⅠレースは他のレースとは少し勝手が違うところがあり、お金を稼ぐ目的で馬券を買う、いわゆる投資競馬をする場合には多少注意しなければいけないところがあったりもします。
そこでここでは、投資競馬に取り組むにあたって知っておくべき「GⅠレース」の効力法についてお話しします。
単にGⅠレースだけ馬券を買っている人も、ここで紹介していることに気を付けて馬券を買えば的中率を上げることができるはずなので、ぜひ参考にしてください。
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GⅠレースとは
GⅠレースをどのように予想するかをお話しする前に、まずGⅠレースそのものについておさらいしていきます。
GⅠレースとは、数ある競馬のレースの中でも最高峰のレースであり、高校野球で言えば甲子園に出場するのと同じようなものだと思ってもらっていいでしょう。
そもそも競走馬は5つのクラスに分かれており、GⅠレースに出場するためには「オープンクラス」になる必要があります。
その下にある「500万下」「1000万下」といった数字は競走馬が1着になって稼いだ賞金の総額を差し、「500万下」というのは1着になって得た賞金の総額が500万円以下の馬・・・という意味を持ちます。
つまり、オープンクラスになるためには最低でも1600万円以上の賞金を稼ぐ必要があり、それだけ勝利した実績がないとGⅠレースに出場することはできないということです。
さらに、オープンクラスになればどんなGⅠレースにも参加できるわけではありません。
例えば日本ダービーや皐月賞などのように出走できる競走馬の年齢が制限されるレースもあれば、エリザベス女王杯のように牝馬しか出走できないレースもあります。
またそれ以外のGⅠレースも、エントリーされた競走馬のうち獲得賞金の総計が多い競走馬から出走できる仕組みになっています。
例えばGⅠレースの1つである宝塚記念の出走資格は以下の通りになっています。
サラ系3歳(旧4歳)以上の競走馬(出走可能頭数:18頭)
JRA所属馬(ファン投票選出馬・JRA選出馬)
地方所属馬
外国調教馬(最大8頭まで)◆出走馬の選定方法は以下のとおり。
特別登録を行った馬の中からファン投票上位10頭が優先出走できる。(第10位までで出走の意思がない馬がいた場合、11位以下の馬が繰り上げで出走できる権利がある。)
上記以外の馬(外国所属競走馬を除く)は「通算の収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGⅠ競走の収得賞金」の総計が多い順に出走できる(地方所属馬も同様)。引用:Wikipedia
このように、出走できるまでの資格を得るためのハードルが高く、一部の競走馬しか出走できないレースがGⅠレースなのです。
競馬場別に見たGⅠレース
日本で開催されるGⅠレースは1年で22レース(地方競馬のGⅠレースも含めると24レース)あります。
そしてレースによって走破する距離も違いますし、開催される競馬場も異なります。
中央競馬が開催される競馬場は全国に10ヶ所にありますが、全会場で何かしらのGⅠレースが開催されるわけではなく、特定の競馬場でのみ開催しています。
その特定の競馬場とは次の5会場を指します。
中山競馬場
東京競馬場
阪神競馬場
京都競馬場
中京競馬場
当然開催する競馬場によってコースづくりが違ったり細かいところを言えば直線や傾斜、さらには走路の質なども異なります。
そこでGⅠレースが開催される競馬場の特徴について詳しく解説していきます。
中山競馬場
GⅠレースの中でも最も売上のある有馬記念が開催される競馬場がこの中山競馬場です。
中山競馬場には、1週1667mの内回りと1840mの外回りの2つの芝コースがあり、レースの距離によって使い分けられます。
直線の距離は内回り・外回り共に314mあり、ゴール前には急な坂があるため、この先を先に上り切った馬が勝つわけですが、そもそも直線距離が他の競馬場に比べて短いため、先行馬の方が有利とされています。
中山競馬場は春に開催される皐月賞が終わってから夏場にかけてまで開催がありません。
そのため、中山競馬場でのレースが再開される9月には馬場状態が良くなっているため、条件銭などでもレコードタイムやそれに近い記録が出やすくなるもの特徴の1つと言えるでしょう。
中山競馬場で開催されるGⅠレースは以下の4レースです。
・皐月賞
・スプリンターズS
・朝日杯フューチュリティS
・有馬記念
東京競馬場
GⅠレースが開催される競馬場の中で最も多くのレースが開催されるのが東京競馬場で、数少ないダートレースのGⅠレースも開催されます。
東京競馬場の芝コースは1週2116mで直線は500mとかなり長く、中ほどに上り坂があるのがポイントです。
そのため、レースでは先行馬のレース配分が難しくなり、比較的差し馬や追い込み馬の方が活躍しやすい競馬場と言えるでしょう。
またダートコースは1週1878mで直線距離は467mあります。
そしてダートの質が比較的軽いため、パワーが求められるダートレースでもこの東京競馬場に関して言えばスピードが求められます。
さらに雨が降ればこの傾向がさらに顕著になり、ダートながら芝コースと同じくらいのタイムが出ることも珍しくありません。
ダートも芝コース同様に直線の長さの関係上逃げ馬には不利で差し馬や追い込み馬が直線で抜き去りやすいコースと言えます。
東京競馬場で開催されるGⅠレースは以下の8レースです。
・フェブラリーS
・NHKマイルカップ
・ヴィクトリアマイル
・優駿牝馬 (オークス)
・東京優駿 (日本ダービー)
・安田記念
・天皇賞(秋)
・ジャパンカップ
阪神競馬場
阪神競馬場は2006年に新しく外回りコースが新設され、東京競馬場を上回る距離のコースが誕生しました。
阪神競馬場の芝コースは内回りが1周1689mで直線距離は356m、新しく新設された外周りは1周2089mで直線距離は473mあります。
改修工事前はいくつか問題点があったものの、2006年の改修工事でこれらの問題が一新され、全般的にフェアで紛れが生じにくいコースになったため、真の実力を問われるコースになりました。
また直線では高低差1.8mながら勾配1.5%の上り坂が待ち構えているため、飛ばしてきた逃げ馬や先行馬も力がないとこの坂で失速してしまいます。
阪神競馬場で開催されるGⅠレースは以下の3レースです。
・桜花賞
・宝塚記念
・阪神ジュベナイルフィリーズ
京都競馬場
騎手の腕で問われる競馬場として有名なのが京都競馬場で「ゆっくり上がってゆっくり下がれ」というフレーズは競馬ファンであれば聞いたことはあるでしょう。
京都競馬場は芝コース外回りは1周1894mで直線距離は404m、内回りは1783mで直線は328mあり、東京競馬場のような直線での坂はありません。
ただし第3コーナーから第4コーナーにかけて約4mの高低差のある坂があります。
そのため、この坂で脚を使ってしまうとバッタリと脚が止まってしまうため、騎手としてはこの坂でどのように脚を使いかがポイントです。
ちなみにGⅠレースが開催されないダートコースは1周1608mで直線距離は329mあり、ダートの砂は東京競馬場や札幌競馬場のダートコースのように比較的軽い砂を使用しているので、これらのダートレースのタイムを参考にしたほうがいいでしょう。
京都競馬場で開催されるGⅠレースは以下の5レースです。
・天皇賞(春)
・秋華賞
・菊花賞
・エリザベス女王杯
・マイルチャンピオンシップ
中京競馬場
2012年3月にリニューアルオープンされた中京競馬場は数ある競馬場の中でも屈指なタフなコースに生まれ変わりました。
芝コースは1周1706mで直線距離は412mと西日本の競馬場の中で最も長い直線距離を誇っています。
特に直線の坂の勾配は中山競馬場の次にきつい高低差約2mで、西日本一の勾配となっており、さらにここから200mの直線があることが日本屈指のタフのコースといわれているゆえんです。
さらに新コースの特徴として他の競馬場に比べてタイムが遅くなる傾向があります。
騎手からはクッションが良くて走り心地が良いと評判だったものの、芝1200mの高松宮記念のタイムは1分10秒3でした。(ちなみに同じ芝1200mのスプリンターズステークスの2012年のタイムは1分6秒7)
つまり“鋭い切れ味”よりも“息の長い末脚”を武器とするタイプの競走馬のほうが活躍しやすい競馬場といえるでしょう。
中京競馬場で開催されるGⅠレースは次の2レースです。
・高松宮記念
・チャンピオンズC
GⅠの馬券を買ううえでの3つの注意点
GⅠレースを予想する上で競馬場の特徴や出走する競走馬の過去のデータなどを考慮してあれこれ予想すると思います。
こうした予想方法は、GⅠレースや重賞以外のレースを予想する時とそれ以外のレースと同じように予想する人がいますが、実はGⅠレースとそれ以外のレースとでは、実は予想のポイントが若干異なります。
では具体的にGⅠレースで予想する際にはどういったところに注意して予想すればいいのか?
少なくとも次の3つは気をつけて予想するよう心がけましょう。
1:オッズが変動しやすい
GⅠレースは他の重賞はもちろん、未勝利戦や条件戦などのレースに比べると馬券の売上げが全く違います。
全種類の馬券の売上げが多い・・・ということは、オッズが他のレースに比べて変動しやすい傾向があるのです。
朝一に見たオッズの人気順位と出走15分前に見たオッズの人気順位を比較すると、その順位がかなり変わっていることも珍しくありません。
GⅠレースに限らず、メインレースは開催日の前々日から購入できるようになっており、馬券が買われればその金額に影響してオッズの数字が変動します。
GⅠレースは競馬ファンのみならず初めて馬券を買うような人もたくさん参加するため、必然的に売上げ金額が上がるため、他のレースに比べてオッズの落ち着きがなくなることも珍しくないため「どのくらいのオッズで落ち着くのか?」という幅を普段より広めに取って考えることが大切です。
2:実力に伴わないオッズがつきやすい
先ほども少し触れましたが、GⅠレースになると毎週馬券を買っている人以外のいわゆる「競馬初心者」の人も馬券を買うようになります。
特に日本ダービーや有馬記念といったGⅠの中でも有名なレースはその傾向が強く、上位人気の馬に馬券が集中しやすい傾向になりがちです。
しかし、上位人気の馬が必ず勝つのが競馬・・・というわけではありません。
特にGⅠレースはテレビやラジオ、さらには競馬新聞でも様々な評論家の人が予想のコメントをしているため、競馬歴が浅い人達はこうしたコメントを頼りに馬券を買っています。
では評論家の人達が正しいかというとそんなことはなく、意外とテキトーなことを言っていることが非常に多いのです。
つまり、世間で出回っている競走馬の情報を鵜呑みして馬券を選んでしまうため、本当に力がある馬が正当な人気順位になっていないケースがしばしば見受けられるのです。
そのため、オッズや単勝の人気順位だけにとらわれると間違った選択をしてしまうので、競馬理論などによって導かれた数値などを参考に“実力のある馬”を見つけることがポイントです。
3:“演出”が組み込まれる可能性がある
GⅠレースは注目度も高く競馬関係者にとっては非常に関心が高いレースであるため、あらかじめレースの結果が演出されている・・・といった噂もあります。
誤解を恐れず言い換えると、勝ち馬がすでに決まっているということ。
そしてこの勝ち馬がどれかをJRAはあらゆる広告で“サイン”という形で発信しており、このサインを正確に読み取って予想することができます。
こうしたサインによる予想方法は『一攫千金も狙える“サイン競馬”を使った馬券予想の基本』でも紹介していますが、ロジックや理論とは違う視点で予想することも重要です。
ただし、サインを用いて予想する場合、的中する時とそうでない時の差が激しい上に、これといった理論的な根拠がないため、なぜ的中したのか?なぜ当たらなかったのか?を検証することができません。
つまり、馬券が不的中でもそれを次につなげるのが難しいため、GⅠレース以外では余り実用性がない予想法といってもいいでしょう。
投資競馬におけるGⅠレース攻略法
投資競馬は競馬を娯楽やギャンブルではなく、お金を稼ぐ手段の1つ(投資)として取り組むことを言います。
つまり、的中して利益が増えれば新馬戦だろうが未勝利戦だろうがGⅠレースだろうが、あまり大きな違いはないのです。
そういう点からいくと、GⅠレースは他のレースに比べて投資に向いていないレースであるため、あえてGⅠレースはパスする・・・という戦略がもっとも無難かもしれません。
もちろん遊びで賭けるのは自由ですが、余ったお金やなくなっても特に問題がない余剰金で賭けるようにしましょう。
投資競馬で大事なのは、いかに的中する可能性が高いレースに的を絞って馬券を買うかであり、可能性がさほど高くないレースは思い切って見送る勇気も必要になってきます。
自分が普段用いている手法がGⅠレースに適用するかどうかをしっかり検証し、GⅠレースとどう付き合っていくかを戦略に盛り込んで、投資競馬に取り組んでください。
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