競馬で稼ごうと思った時、感情に流されたり思ったまま馬券を買っても的中することはできませんし、当然お金も増えません。
たとえ的中させることを重要視して全頭買いをしたとしても、収支を考えると大穴馬券が的中しない限りプラスになることは難しいでしょう。
おそらくほとんどの人は“お金を稼ぐために”馬券を買っているはず。
そのためには、ただ感じたものをテキトーに買うのではなく、しっかりと分析をしてどの馬が来るかを判断しなければいけません。
とはいえ、一言で分析といっても競馬には多種多様なデータや情報があふれいています。
そして、それらの情報をどう読み取るかも人によって様々ですし、それによってどの馬が来るかを導き出す結果も異なります。
競馬にはたくさんの数字やデータがあり、それらを調べて自分なりの仮説を立てて実践と検証を繰り返す。
こうすることによって、競馬での予想の仕方が明確になっていくのです。
その分析方法の1つとして「アービトラージ」を応用した分析方法を使って馬券を選んでいる人も少なからず存在します。
実際に競馬でアービトラージで利益を出すことはできないのですが、アービトラージの考え方や視点などは、投資競馬にも応用できます。
そこでここでは、アービトラージの考え方を応用した競馬分析の方法についてお話します。
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アービトラージとは
投資競馬以外の投資をしたことがある人なら言葉くらいは聴いたことがあるかも知れませんしもしかすると「裁定取引」と言った方がピンと来る人もいるかもしれません。
アービトラージとは、同じ価値の持つ商品の価格差を利用して利鞘(りざや)を稼ぐ取引のことを差します。
例えば、為替相場が1ドル=90円、1ユーロ130円、1ユーロ=1.5ドルだった場合、次の手順で取引をします。
1)130万円で1万ユーロを買う
2)1万ユーロを1万5000ドルにする
そして1万5000ドルを円に戻すと、最初130万円だったものが135万円になり、為替相場が変動していなくても5万円の利益が生まれる。
これがアービトラージという取引方法です。
アービトラージのメリット・デメリット
アービトラージの最大のメリットはリスクや損失を全く背負うことなく利益を手に出るところです。
先ほどの例を挙げるのであれば、為替取引で利益を出す時、為替のバランスを分析して売買をしなければ利益を上げることはできません。
そのためにテクニカル分析やファンダメンタル分析などといった大小さまざまな分析方法があり、それらを駆使して為替がどう動くのかを予測して取引をするのが為替取引の基本的な取り組み方の1つです。
しかし、アービトラージの場合、3つの為替がどう動こうが結果的に利益が出るようになっています。
なぜなら、同じ価値を持つ商品の売買するだけなので、価格がどう動こうかが結果的に一定の利益が得られるようになっているのです。
ただし、デメリットもいくつかあります。
例えば、損失やリスクはゼロですが取れるリスクも決して多くないということ。
なんせ、価格差の隙間を狙うわけですから、競馬でいう万馬券のような大きく利益が取れるようなことはまずありません。
また、アービトラージが成立する状況が常にあるわけではなく、特定の条件がそろわないとこうした取引ができないというのもデメリットではあります。
競馬分析への応用方法とは?
アービトラージとは、他と比較して差異が出ている部分を見つけることにより、利鞘を稼ぐ取引のこと。
実はこれに近いことを競馬場や場外馬券場にいるおじさん達はしているのです。
やり方としては違う競馬新聞を購入し、厩舎の出走馬に対するコメントの違いや印のつき具合をチェックしたし、逆に共通点を探していたりします。
例えば、両方の新聞で上から下までグリグリの二重丸がついていれば、軸馬として馬券を考えたりとか、逆に片方はガチガチの本命馬として挙げられている一方で、もう片方ではそこまで評価が高くないのであれば、軸馬ではなく相手馬の1頭に入れておく・・・とか。
つまり、異なる出所の2つの情報を比較して、それらのデータの信憑性を測ったり新しい情報を見つけてどの馬券を買うかを予想する。
こうした“複数の情報を比較しながら判断する”ことがアービトラージの考え方を応用している分析方法ではないでしょうか。
もちろん、競馬の情報は競馬新聞以外にもたくさんあります。
もっとも有名なのがJRAシステムサービス株式会社が配信している「JRA-VAN」。
JRAの公式データを使用した競馬ツールで、競馬に関するありとあらゆる情報を閲覧することができます。
それ以外にも、大小問わずさまざまな競馬ソフトやツールがありますので、そういったツールを利用して情報を集めて分析するのが、投資競馬のもっとも基本的な取り組む方の1つです。
また、メルマガなどでその週のお勧めの買い目予想を配信しているサービスなど、有料無料とわず競馬の情報はたくさんありますので、自分にとって有益な情報だと感じたものだけを集めてみてください。
ただ、情報を集めただけでは馬券を的中させることは難しいので、そこからどういった仮説を立てて競馬に取り組むかが大事。
情報は決して答えを教えてくれるわけではありません。
答えに繋がるヒントを得るために情報を収集するのであり、それらの情報を基に的中と言うゴールにたどり着くかどうかは自身の分析力次第。
そのためにも、競馬の分析力を高めていくことが必要となってくるのです。
競馬で分析する5つの材料
一概に競馬の情報と言っても、実に様々な要素があり、人によって重要視するポイントと軽視するポイントが異なります。
ただ、どこに着眼点をもっていき、どういった変化から何をくみ取るのかの具体的な最善な方法と言うものはなく、異なる情報を用いて分析しても、同じ馬券を買って的中することも珍しくありません。
とはいえ、比較的多くの人が分析に用いている材料は大きく分けて5つくらいに別れています。
これらの材料をどれかに着目したり、複数の情報からどの馬が来るかを分析して予想をしているわけですが、では具体的にどんな情報が比較的重宝されるのか?
ここでは、多くの人が着目している材料を紹介します。
1.オッズ
これを見ないで馬券を買う人はおそらく1人もいないといっても過言ではない数字がオッズです。
オッズは馬券が的中した時の払戻金を確定させる数字ですが、実はそれだけの意味しかないわけではありません。
例えば、オッズが低い馬というのは、それだけ多くの馬券が買われているわけですから、勝つ可能性が高いと思われている馬ということですし、逆にオッズが高い馬と言うのは、馬券があまり買われていないので「この馬は来ないだろう」と世間が思っている・・・ということ。
また、単勝オッズが高いのに複勝オッズが低い馬と言うのは「1着にはならないけど3着以内には入りそう」と予想している人が多いことを意味し、組み合わせが必要な馬券(馬連や三連複)などの相手馬として考慮できる馬とも言えます。
2.タイム
タイムとは、調教時が馬が走った際のタイムのことで、これらを参考に馬の強さや走る際の特徴を分析することができます。
例えば、調教のタイムによって現在の馬のコンディションがどのくらいなのかを判断できますし、他の馬と並走させた方が馬は走るのかどうかによって、混戦になった場合の馬の強さなども伺えます。
調教タイムはどこをどれだけ走ったのか?またその時の力を入れ具合はどのくらいだったのかも事細かにデータとして抽出することができます。
そうした、各パターンのデータを基に、その馬の特徴や得意なレースパターン、現在の調子などを分析して馬券の購入判断につなげるのが一般的です。
ただし、全ての馬にこうした情報があるわけですから、1レースに出走する馬を全て分析するのにはかなり時間がかかります。
ですので、レースの限定するか馬を限定するかのどちらか一方を絞り込んで分析していった方がいいでしょう。
3.データマイニング
データマイニングとはJRA-VAN NEXTで閲覧できる数値で、各競走馬の予想タイムを算出し、順位をつけたものを言います。
また、マイニングには各馬の予想タイムによって順位付けされたものと、レースのように競走馬が一斉に走った時のタイムの順位付けがされた「対戦型マイニング」の2種類があり、この2つの順位によってその馬がそのレースの中でどのくらいの強さなどを把握することができます。
ただし、マイニングの順位はあくまでも予想タイムを元にしたものであり、必ずしもその通りのレース展開になるとは限りませんので、依存しないように。
4.コンピ指数
コンピ指数(日刊コンピ)とは、ニッカンスポーツ新聞に掲載されている「馬の能力を指数化した、ニッカンスポーツ独自の能力指数表」のことです。
指数は40から90まであり、数値の高い馬ほど能力が高いことになります。
また、同じレースの中で、指数の同じ馬が二頭いることがないため、馬の能力の順序がはっきりしているのも特徴です。
さらに、同じ一番人気の馬でも、指数90の馬もいれば指数70台の馬もいるなど、一番人気の信頼度も一目で分かります。
コンピには「馬番コンピ」や「枠番コンピ」などの種類があります。
5.騎手データ
騎手データとは、馬の騎乗する騎手のこれまでの戦歴データのことです。
どの騎手がどの馬でどんなレースに出場し何着だったかを元に、馬との相性や得意な競馬場、得意なレース展開などを分析し、どの馬が来るかを予想します。
調教タイムから比較して同じ力を持っている馬が走る場合、騎手の力によって勝敗が左右されることは珍しくありません。
競馬は馬の力7割、騎手の力3割が影響すると言われているため、意外と無視できないデータでもあります。
また、騎乗する騎手によって力が発揮できる馬とそうでない馬もいますので、誰が騎手の時に好成績なのかを見つけ、そのレースではどのくらいの力が発揮できるかの判断材料としても使えるでしょう。
競馬を的中させるには分析力向上は必須
アービトラージを応用した分析方法を取り入れるかどうかは別にしておいて、競馬で稼ぎたいのであればやはり分析力は高めておいて損はありません。
なぜなら、分析力の向上がそのまま的中率の向上につながる可能性はおおいにあるからです。
情報の分析力が高まれば、単にどの馬が来るかが分かるだけでなく、外れる可能性が高いレースを回避することもできます。
例えば、どう分析しても軸馬が絞れなかったり来る馬が複数頭いる場合は、レースが混戦になることが予想されるため、どの馬がきてもおかしくないという結論にたどり着きます。
となると「これだ!」というめぼしい馬がいないということですから、無理に勝負すると外れる可能性が高くなるわけです。
だったらいっそ手を出さずに見送った方が、少なくともはずれ馬券を買わなくてもよくなりますよね?
このように、競馬の分析力を高めることができれば、どの馬が来るかの目星が付けられるのと同時に「どのレースがもっとも勝負しやすいか」も自然と判断できるようになります。
どのように分析力を向上させればいいのか?
それはひたすら仮説と検証繰り返すのが最も効果的ではないかと思います。
どの情報をどこを見ればどんなことが分かるのか・・・それを最初から理解している人はおそらく1人もいません。
しかし、色々な情報と結果を見比べていくうちに、各情報の裏に隠されたメッセージに少しずつ気づくようになっていきます。
こうした気づきこそが分析力向上の証しとも言っていいでしょう。
ですのでまずは、シュミレーションでも構いませんので、たくさんの情報の中らいくつかピックアップして色々な仮説を立ててみてください。
その仮説が正しければロジックとして成立しているわけですし、間違っているのならどこが間違っているかを検証してもう1度仮説を立てればいいだけ。
現在競馬で稼いでいる多くの人はこの繰り返しを続けていくうちに分析力が向上していったことでしょう。
一見遠回りに見えそうですが、実はこれが一番の近道だと思います。
競馬の予想の仕方というのは、決して単純なものではありません。
時間の許す限り分析力を高めて、自分だけのオリジナルの競馬の予想の仕方をみにつけてみてはいかがでしょう。
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